車輪の再発明はやめましょう
SEEDERの吉冨です。
結論
プロダクト開発をやる際、自社にとっての未知の領域についてはその道のプロの手を借りた方が早いです、という記事です。
新規プロダクト創出の機運
企業にとってパンデミックの対応がひと段落して、外的不確定要素が少なくなってきましたね。
大手クライアントさんとの商談の中で、元々オフィスワークしていた企業が出社中心に再シフトしたり、本腰を入れて未来に向けた事業開発をするようになってきたと感じます。
その中でコロナ渦直後と同じくらい、新規事業のニーズも高まっています。パンデミック直後はひとつの事業一本柱でこれまでやってきた企業で人々が家から出なくなって急激に消費が落ち込んできた企業に限られていましたが、パンデミックを経て事業ポートフォリオの見直しに本格的に動き出してきました。
消費の世代の移り変わりによって、既存のヒット商品の売り上げはどこの会社も漸減しています。
様々な外的不安からリスクを極力回避する傾向のある(こうとのみ言い切るのも早計ですが)若い世代を取り込むべく、また増加していくシニア世代の中でもどういったライフステージにある人を取り込んでいくのか、企業は思案を巡らせています。
こういった時代背景の中で、新規事業や、「これまでと違ったやり方でのプロダクト開発がしたい」というお話を聞く機会が増えてきました。全く畑違いの新しい事業をやるにとどまらず、プロダクトの消費の仕方の変化に伴った、新しい創り方・売り方の必要性を感じられる企業が増えてきて、組織を改変する会社が出てきました。新しい”プロダクト”として会社の事業を捉え直す必要があります。
自前主義は悪手
しかし、多くの企業は社内でのみ思案しています。
大手企業で「新しい」何かを生み出すことを命じられたそうした責任者は、たいてい営業やマーケティング、開発部門など他部署で実績を残してきたベテラン社員です。新しい何かを生み出すことに慣れた人ではありません。
加えて日本企業は伝統的な自前主義があり、品質レベルの安定した高さや、かゆいところに手が届くこだわりの技術力を重要機密に、社内での開発にこだわる傾向があります。
しかしこの考え方は、新規プロダクトの創出においてはよくありません。
一方で、新しい何かを生み出す0→1のフェーズには、プロダクトのグロースと違ったプロセス、考え方が求められてきます。
また、参入する業界特有のナレッジや法規制などについても自社で仮説を構築してからその業界に飛び込んで手探りで習得していくよりも、経験してきた人に聞いた方が圧倒的に時間が早いです。
失敗の可能性を減らす
ご存知の通り会社運営にとって時間がかかること=お金がかかることですので、プロジェクトの長期化は「失敗」に近づいていきます。ですので、時間をかければかけただけ失敗の可能性が上がってしまいます。そのため時間をかけず仮説検証を何度も素早く回す必要があります。
社外のプロフェッショナルをプロジェクトに組み入れ、定期的に壁打ちの形で相談をしたり、開発のプロセスがわからない場合はマイルストンを引いてもらって定例的に報連相したり、場合によっては実際に手まで動かしてもらう。進め方においても
プロジェクトの方向性
自社の強み
ステークホルダーの期待すること
をインプット / 共有し、マイルストンの引き方から相談することをお勧めします。今年度という具体的な目標を設定し、4月から半年後の10月や下期の開始時までに何をするかを計画することがあります。多くの場合、年度末にスタートラインを置くマイルストーンがあると思いますが、私はゆっくり検証し、消費者の意見を取り入れながら小さな改善を行うほうが失敗が少ないと考えています。事業者は仮説を立てることがありますが、それはただの仮説であると考えており、新しい事業や商品を作成する際には、お金を支払ってくれる顧客の声を聞くことが必要です。新規事業 / プロダクトのグロースハックに長けた人材は、こういった仮説検証のステップワークがとても巧みで、複数の企業で複数のプロジェクトを年にいくつも回しています。
BtoCに限らずBtoBの場合でも、最終的なユーザーの声を貴重なものと捉え、初期顧客を作りながら消費者の声を聞き、ブラッシュアップを進めることが重要だと考えています。そのため、新しい領域での仮説を立案する際には、その領域に詳しい専門家を外部から招き入れ、プロジェクトに参加させることが最も効率的な活動だと思っています。特定の領域での知識を得たり、新規事業を展開するためのノウハウを得るためにも、専門家と連携することが重要です。大企業の担当者よりも、新たなアイディアを生み出すことにフォーカスし、専門家と共同で取り組むことが効果的だと考えています。
仲介者が必要
もちろん自社にノウハウやリソースがありある程度できている部分があったりで、事業の舵取り全体を外部の専門家に全て任せるということはそう多くはありません。
しかしながら自分達では「いま、自分達の事業に不足している / 問題があるプロセスは何なのか」を正しく自己診断することは大変難しいです。また、
外部のリソースを活用するとして、候補者のポートフォリオが確かめられたとしても、仕事の進め方やものの考え方が会社と合うかどうかはわかりません。
以上の2点から、外部人材を活用する場合は適切な仲介者が
あるべきワークデザインを確認する
求められる役割に合うハードスキル(知識と経験)・ソフトスキル(仕事の進め方・コミュニケーションの取り方)の人材を選ぶ
ことが求められます。
外部人材のアサインにおいても不適切な選択をしてしまうとそれだけ事業にとっては回り道になったり、チームメンバーの関係性が損なわれてしまう可能性があります。
活用事例
仕事はよく「人と人とのつながり」と言われますが、外部人材を活用する際の仲介者にも上記のような知識と経験が求められます。
お問い合わせください。
SEEDER
吉冨
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