最近読んだ本(日記)
#丸の内魔法少女ミラクリーナ
(村田沙耶香さん)
短編集だけど、コミカルさと現実のバランスが好きな塩梅だったので表題作の話を。
悩み多きOLが、子供の頃からの妄想とともに乗り越える日々。いちどはもうやめにしようと思ったくだりがすごく胸に残った。
隙自語で恐縮ではあるが、私は自分よりずっと小さな子供たちを対象年齢とするいわゆる「女児向けアーケードゲーム」がずっと大好きで、ここ最近は「たぶんこれからもずっとこうなんだろうな」という気持ちと、
「さすがに大人になったら卒業すべきだよ」「えっでも大人っていつから大人なの?」みたいな気持ちの間にいたので、ラストはなんだか勇気を貰えた。
偽物のマジカルレイミーにならないように気をつけて、もう少しだけ楽しんでもいいかな、と思った。
#荒野
(桜庭一樹さん)
中学生の女の子が経験する、世界の全て。そして少女は大人に近づく。
荒野ちゃんと同い年の時に読みたかった。
「世界の全て」と書いたけど、世界の見え方があの頃と同じで、読み終わった時は木漏れ日みたいなきらめきが視界に溢れていた。
少しファンタジックで、でも赤裸々に日々を写し取る目線に嘘がなくて、わざとらしさもないけど憧れさせるような毎日もあって、そこがすごく好き。
#傷痕
(桜庭一樹さん)
偉大なるキング・オブ・ポップの死の後に残されたのは、彼の娘である傷痕。
桜庭一樹さんの文章がすごく好きで、「荒野」を読んだ後だったから勝手に傷痕が主役なのかなーと思っていたけどむしろある種の現象のような「彼」を取り巻く群像劇っぽくて、なんだか以外で楽しかった。永遠の子供みたいな彼の名前がついぞ明かされないところと、参考文献で彼の、少なくともモデルがなんとなくわかるところが好き。
彼のファンを妻に持つ男性が日々を振り返る「孤島」の柔らかな語り口がなんだか優しくてとてもよかった。
#また、同じ夢を見ていた
(住野よる)
小学生の女の子が見つけた、まばゆくてあたたかい、幸せのかたち。
この人の作品は初めて読むけど、主人公の年齢もあってか頭にするする入ってくる文章だった。本を読んで泣きそうになったのは久しぶり。
「彼女」が猫だと直接言わないのも、いいことばかりではない毎日の表現方法も、終わり方もすごくいいなと思う。
最後まで一気に読んでよかったし、じーんと感動した。タイトル回収がすごい。
偏ってるかと思ったけどそんなでもないのかもしれない、ずっと読んだことある本ばかり読み返してたから、本を読むのが久しぶりで体が慣れてないけどまた感覚をつかみたいな。