地中海を散歩する
◇このエッセイは二十年ほど前のバルセロナのお話しです◇
ときどき海を見たくなることがある。
水着を身につけて海に入って泳ぐとか
ギンギンの太陽を浴び、サンオイルをベッタリと身体に塗って
日焼けをしたいとかいうのではなくて
なんとなくあの空と波が打ち寄せる景色を
風に吹かれながら
感じてみたくなるのだ。
どちらかというと
それは夏以外の海が、私の気分にぴったりくる。
地中海までは
住んでいる場所から歩いていけるほどだったので
ほんとうによく散歩をした。
バルセロナの中心地から近い場所だ。
海にはいろんな人がいる。
まるで仕切りのない家のようだ。
ビーチチェアに座り読書をしている人。
学校の友達同士4人で寝ながら戯れあっているグループ
家族で散歩をしていたり、
恋人同士きちんと向き合ってコミュニケーションを楽しんでいたり、
仲間とボールを蹴って遊んだり、
ただただひたすら寝てみたり。
人々のはしゃぎ声と、波の音をBGMに
どこまでも広がる海と空を感じながら
散歩するのはほんとうに気持ちが良い。
海という場所は
きっと、いろんなことを受け止めてくれるところなのだと思う。
大切な話をしたい時も
こんなところが良いかもしれない。
何気ない話をしたい時でも
こんなところが良いかもしれない
だから、こんなにも人が集ってくるのだと
そんな風に思うのだ。
ここからは二十数年前からヒューッと時間をもどし、現在のことをかきます。
今住んでいるところは
山に囲まれたバルセロナ郊外の場所なので
ここのところ海にはほぼ行っていない。
夫も山の方が好きなので
海へ行くのは観光で来ている友達とパエリアを食べに行く時か
たまたま買い物で海の近くを通るくらいだ。
それでも、たまに海へ行くと
太陽がキラキラ、
海もキラキラとしていて
色彩の彩度が急に上がり
その場所にいるだけで
気持ちがどうしようもなくウキウキしてくるのだ。
海の持つあの性格はなんだろう。
弱った気持ちを、ボリュームを上げるように
簡単にワクワクさせてくれる。
とはいえ、実は山が好き。
山が好きなのは
気持ちが落ち着いていられるからだ。
山には人が海ほどいないし
のんびり、ゆっくりと
一歩一歩あるいて、
日々のことを考えたりできる。
そして、海へはたまに行くのがちょうど良いのだ。
春らしいお天気が続いているバルセロナ。
もし、バルセロナへ観光にいらしたときは
ぜひ、バルセロナの中心地から歩いて20分ほどのところにある
バルセロネタの海へ行くと良いでしょう。
活気に溢れて気分が上がるし
人を観察したり、
寄せては返す波をじっと、ずっとみていると
悩みなんて吹っ飛んでしまうでしょう。
バルセロナのガイドブック『心おどるバルセロナ』では
ガウディの建築観光の他に
おいしいレストランやカフェ
バルセロナでしか買えないジュエリーや
雑貨のお店なども紹介しています。
ぜひ、手に取ってもらえたらうれしいです。
それでは、今日も良い一日を。ボンディア!
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