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大学を休学をして、猫を飼い始めた。


10月の終わり頃、

「猫を飼いたい。」

って母に電話をした。


友人の家で子猫が4匹生まれて、1匹でもいいから育ててくれたら嬉しいって連絡が来たから。

一人暮らしは寂しかったし、

どうでもいい飲みの誘いとか断ることができるし、

何より、なんのために生きてるかわかんなくなっちゃってたから

その子猫のために「生きよ」って思えるんじゃないかなって。


猫からしたら、そんな生命力弱そうな奴のところに行くなんてはなっからお断りだろう。私が猫だったらそんなエゴイストのとこ行きたくないもん、絶対。


案の定、母は私が病みモードであるのに気づき、

「いいよー」とは言ってはくれなかった。猛反対。


代わりに、

「あんた大丈夫なの?」って。

一人暮らしを始めてから母に弱音を吐いたことなんてなかった。

でもこの時ばかりは堰を切ったように泣き出してしまった。

私は、とにかく寂しかったんだとここでようやく気付く。



リモート授業で、こんなはずじゃなかったとやりきれずにいる今の状況。

毎日のように一緒にいた友達とは、会う回数が極端に減った。

バイトは好きだったから掛け持ちで二つ。
好きで始めたくせに、人間関係とか、賃金とかが目につくようになった。
この仕事を真剣にやっている人の横で、私は片手間にやっているという罪悪感まで出てきた。

元彼に久しぶりに会った時、戻れないならもうどうでもいいやと手を出された。

知らない人に車に引きずり込まれて襲われたこともあった。

適当に流されて傷つくのが怖くて、ちゃんとした本音は誰にも言えなかった。

異性にも同性にも、都合のいい人間として扱われていると思うようになってしまっていた。

明日が来るのが怖くて、
夜ぐっすり眠ることができなくなった。

誰かといても寂しくて、一人はもっと孤独だった。



母は、私が言葉にならないぐちゃぐちゃの言葉を理解しようとか

慰めようとか、そういう事はしなくてただ

「もういっそ、(大学を)やめちゃいなさい!」

と言った。

私は唖然として、

「え、いいの…?」

と言った。



家は決して裕福ではない。

私の下には五人の子供が、まだ元気に高校や中学校、小学校へと通っている。一番小さいのなんかまだミルクを飲んでいる。

私が休学をしたいと話すと決まって勘弁してよと母は言った。当然だった。

学費はいまさら帰ってこない。

それでも母は、

「あんたにはもうやりたいことがちゃんと分かっているんだから、そっちの方へ進んだらいいでしょう?壊れちゃうくらいなら、そんなものやめてしまえ。」

と平気で言った。

(できれば授業料は払いたくないと小声で呟いてはいた。)




母みたいになりたいと思ったことは、実は一度もなくて。


家計のことなんか考えずに6人も子供産んじゃうし、

妹のTikTokで登場したらめちゃくちゃバズってしまうし、

いつも子供っぽくて、恋愛体質で、すぐ怒るしすぐ泣く。


でも、

子供が間違ってたり、

辛い時や悲しんでる時に母の口から出る言葉は誰よりも強かった。

最強だった。

私の母は、後にも先にもこの人しかいないし、

この人以外は考えられないと確信していた。

この日の夜も、母の言葉にまんまと救われたのだ。



私は、次の日の授業を全てサボり休学届をもらいに行った。

地元である長野に帰り、親からの印鑑をもらって大学にすぐに書類を提出した。


ついでに友人から猫も預かってきた(?)

※決して母を裏切ったわけではない公認済み



大嫌いなリモート授業がなくなってくれたおかげで、

身の回りのこと、自分のこと、色々整理する時間ができた。

なぜか今の方が少し忙しくなった。

猫のおかげで早朝に起きることになった。二度寝は許されない。





寂しさは相変わらず、元気に私の中で暴れている。

少しずつ飼い慣らしていこうと思う。(猫と一緒に)




休学中にやりたいことはたくさんある。

今月中に今の部屋は解約して、長野で一人暮らし(+1匹)をする。

”やりたいこと”については、少しずつ計画していこうかな。


帰ったらまず、思いっきり母を抱きしめたい。

そしてありがとうって言おう。
















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