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長男失格男の人生再生記 お金はどこに消えた

だいぶ間が空いてしましましたが、
前回からの続きです

まだ読んでない方はぜひこちらをお読みください


そしてその2日後の夜
弟夫婦と失格男は
両親のいない実家に集まった

弟夫婦には3人の子供がいて
まだみんな小学生
子供を寝かしつけた夜の10時過ぎに
話し合いは始まった

両親にプレゼンした資料をそのまま使い
まずは父親の現在の年収を解説
事業収入、不動産収入、年金
3つ合わせると失格男よりも稼いでいる
すげーな81歳

そこから税金やら年金やら固定資産税、医療費などを差し引き
使えるお金がこれだけあるよと
説明用に作成したグラフで解説

弟夫婦に伝えたいのはここからだ
両親と弟家族の生活費を差し引いても
毎年ちょっといい車が買えるくらいの利益が出ているはずなのだが・・・

婆さんが亡くなった7年前から
貯金がほとんど増えていないことを説明

ここで弟夫婦に質問をする

7年間✖️『 ちょっといい車 』
=『 失格男の家のローンくらいのお金 』
はどこにいったのでしょうか?

2人とも黙りこくる
弟はいう

「俺じゃない」

失格男は言う
「んじゃあ親父とお袋だね 1日家にいるだけで外出も病院くらいしかしない親父とお袋が
 毎年毎年ちょっといい車を買えるくらいのお金を使っているってとになるね」

ちなみに、両親の生活費は
別に計上しているから
それ以外にと言うことになる

同居こそしてないが
同じ建物の上下階に暮らす両親が
そんなお金の使い方をしていないことくらいは
弟夫婦もわかっている

失格男はいう
「 実際にないんだよね・・・」
「 この前パチンコ行ってたよね? 」

「そこまでは使ってない」
失格男
「でもいくら使ったか正確にわかってないよね?」
「他にも何かに使ってない?」
「確実に現金が毎月毎月君の手元に集まっているのは間違いないのに
 銀行口座に入金した記録が一切見当たらないんだよ
 夫婦で別に貯金とかしてる?
 君たち夫婦名義の預金に、
 俺の家のローンを一括で払えるくらいのお金が溜まっていると言うなら
 それは両親のお金で、かつ老後のために必要なお金だから
 返してもらわなければならないんだよ」

頑として認めない弟夫婦
でも実際にはない貯蓄

だんだん不機嫌になる弟は
やがてブチギレて怒鳴り出すしまつ

プロレスラーのような体格を持つ弟は、大抵の交渉はその体躯と威圧感で押し通してきているので都合が悪くなるととりあえず怒鳴るのだが、残念ながら失格男には通じない

じゃあ君たちは毎月いくら使ってるのかわかってる?
と問うても
夫婦揃って自分たちがいくら使って生活しているかの認識がまったくない

先日初めて弟夫婦の家に入ったところ
部屋には高級家電とあらゆる物で溢れていた
片付けが苦手だとは聞いていたが
これだけものに溢れていたら片付けるのは難しいだろう

漫画が好きな弟は漫画喫茶が開けるほどの漫画を買い漁っており、大量の人気アニメのフィギュアがあちこちに無造作に転がっている
パッとみただけでも浪費は明らかなのに
当の本人たちは全くその自覚がない

3人の子供たちは,揃ってバレエにピアノに習字、田舎なので隣の街まで毎日送迎だ
そりゃ金使うわなぁと今更ながらに思う

状況の説明と根本原因を理解させたかったのだが、とにかく自分たちは悪くないと怒鳴り散らして非を認めない弟との会話は深夜2時にまで及んだ、、、

とにかく今お金がない事は事実なので
このまま親父と君たちに財布を握らせておくと、両親の老後すらままならないのは火を見るより明らか
親父に頼まれたので、今後は親父の資産管理と、遺産相続については全て失格男に委任された旨を弟に伝える

弟は自分がもらえると思っていた物(遺産相続)を、取り上げられることになんとか反発しようと粘っていたが、認めはしないものの、あるはずのお金が無くなってることについては理解したようで、渋々同意した

両親を失格男の家に避難させて置いて正解だった、こんな時間まで怒鳴り散らす弟との会話は両親にはとても聞かせられなかっただろう

こうして、長男失格男の長男として家業再建がスタートした

続く

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