さまようフィフ男 その2
遠距離彼女と、物理的な距離と同じくらいの
心の距離を置いたお付き合いが継続中のフィフ男
なんだかよくわからなくなってきたので
マッチングアプリで
新たな可能性を模索中
以前の反省を踏まえ、婚活アプリを避け
恋人・友達募集アプリをチョイス・・・
からの
本日2人目の方とお会いしてきました
2人目のお相手は、フィフ男のプロフの
『 今年はスノボを始めるので、一緒に滑りに行ってくれる方、できれば教えてもらえる方と仲良くなれたら嬉しいです』
に反応していただいた
パッチリした目が印象的な
ぽっちゃり美人さん 43才未婚
大手旅行会社勤務(以後パッチリさん)
プロフの写真は
多少の加工は入ってるものの
かなりの美人であることは疑いようがない
こんなステキな年下の方とマッチングできるなんて、フィフ男もまんざら捨てたもんじゃないなと、少しだけ色気を出したフィフ男、待ち合わせ場所に相手のお住まいの最寄駅のオサレなカフェをチョイス、時間も色気を出して2時に設定
約束の10分前、カフェに着いたフィフ男とほぼ同時にパッチリさんも現れた
こういうところが一致するってけっこう大事
軽く挨拶を交わし店内へ
メニューを見ながら、甘いものは好きですか?
と問われ、『はい大好きです』
と答えるフィフ男
パッチリさん この店に前にも来たことがあるとのことで、
『ここのチョコレートケーキはオススメですよ』
なんて言われて、断る理由もなく
『 じゃあそれで 』とケーキとコーヒーのセットを頼むフィフ男
パッチリさん 『私はカプチーノだけで 』
フィフ男『 ・・・・・ 』
結果、とってもオサレなカフェにて
カプチーノを飲むステキな女性の横で
明らかに年上のオッサンが
大きなお皿にステキにアレンジされたチョコレートケーキを食べるというシュールな構図が出来上がる
出だしから大きなアドバンテージを取られたフィフ男、動揺を悟られないように平静を装いながら 自己紹介から、それぞれの趣味の話に
笑顔もステキな彼女、会話のテンポもよく
知的な人であることは瞬時に理解できた・・・が・・・
フィフ男の趣味に対して、
たまに軽やかに否定語を繰り出してくる彼女
「それをやる人の気持ちはわからないですね〜」
「私はそれに魅力は感じないですね〜」
初対面の人間の好きなことの話を、自分の価値観で瞬時に見極め、瞬時に切り捨てる居合の達人を彷彿させる軽やかな話術
迂闊に近づいてはいけないと思うのにそんなに時間はかからなかった
これか・・・これなのか・・・
この美貌を持って、40数年独身でい続けた理由はこれなのか
と、フィフ男は悟る
せめてもの抵抗として、
『僕は結構そういうのが好きなんですよね・・・』
と小さめにつぶやいてフィフ男が好きな趣味の話は切り上げた
フィフ男は気が弱いのだ
年下彼女との淡い恋を夢見たフィフ男だが
すぐに本来の目的を思い出し、
愉快なスノボ仲間の結成にシフトチェンジ
ところが・・・
なんとパッチリさん、スノボはここ3年くらい行ってないという
ん???
『スノボ好きって言ってましたよね?』
『昔からやってるんで好きですけど
ここ何年も行ってないので、滑れるかな〜?』
むむむむむ
彼女のプロフの
結婚に対する考え方の欄に
「すぐにでも結婚したい」とあったのが
若干気になっていたフィフ男
彼女はハンターで
狩りに来たのだと悟る
このあたりから、楽しげな会話の裏で
パッチリさんとフィフ男の高度な心理戦が始まった(と思われる)
フィフ男の心の声
『 私、メッセの中でスノボに一緒に行ってもらえる友達募集って言いましたよね?
加えて、教えてもらえたら嬉しいとお伝えして、初心者になら教えられると思いますって言ってくれましたよね?』
パッチリさんの心の声
『 おいおい、マッチングアプリで、スノボ仲間探しなんてぬるいこと本気で言ってないよな? こっちは結婚相手を探してるんだよ
しかも今すぐ結婚してくれる相手をね 』
手をかえ品を変え繰り広げられる会話の中で
お互いのミッションを完遂させるための糸口を探す心理戦が何度も行われた(と思われる)
お互い一歩も譲らぬ心理戦を2時間ほど続けたが、パッチリさんはスノボに行く気は本気でないんだなと理解したフィフ男
『じゃあそろそろ今日はこの辺で・・・』
とその場を締めた
彼女は、え?ほんとにこのまま帰るの?
みたいな顔をしていた(ような気がする)が
支払いを済ませて
オサレカフェを後にする
『では、シーズンが始まったら
ぜひご一緒しましょう』とフィフ男
『コーヒーご馳走様でした』とパッチリさん
帰宅後、流石に子供じゃあるまいし
夕方解散は悪かったかなと思い直し
『今日はありがとうございました
ステキなカフェでしたね
次はスノーボードご一緒しましょう』
とメッセージを送ったフィフ男
パッチリさんからの返信はない・・・
フィフ男はコーヒー一杯とは言え
お礼の挨拶ができない人は
あまり好きではない
前に遠距離彼女に言われた
『 正直今自分がこんなんだから、
身を引いた方がいいかな
とも思ってもみたけれど、
フィフ男が求めてる
仕事もできて
優しくて
マメに連絡もくれて
好みもピッタリ合う
お肌がスベスベの人なんて
なかなかいないと思うよ 』
という言葉の重みを
改めて噛み締める
フィフ男なのであった
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