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【ゆる説】会議室で悶々と議論するより、直接ユーザーに会いに行っちゃった方が早いんじゃないか説

注意:【ゆる説】は、日頃「実は、こうなんじゃないか」と感じた説を、備忘録的にゆる〜く書き留めたものです。真偽は皆さんで確かめてください。

ここのところずっと、とあるブランドの新商品開発の壁打ちをしている。
割と新規性の高い商品で、まだ市場には似たようなものは存在していない。
(よくある、技術起点で生まれた「プロダクトアウト」型の商品だ)

商品カテゴリーは非耐久消費財で、正直、生活者の興味関心はそんなに高くない。だから、今までにない商品=「馴染みがない商品」ということになり、普通の人からは敬遠されてしまう可能性が高い。

となると、エッジの効いたユーザーをターゲットにせざるを得ない(プロダクトアウト型の商品企画の悲哀だ…)

しかし、問題はここからだ。

以前noteの記事にも書いたが、「人は自分の信じたいことを信じる」。

要は、情報過多の今、自分の価値観に合わないものは、最初からOut of 眼中(古い…)だから、いかにターゲットの価値観を理解し、それを肯定・後押しするようなマーケティングを行うかが成否をわける

だから、今の時代、ターゲティングは価値観軸で行なっていく必要があるのだが、実際問題、それはとても難しい。

例えば、FGI(フォーカス・グループインタビュー)で、特定の価値観を持つユーザーを集めて調査をしようとしても、うまく集まらないことが多い。

一般的に調査は、被験者が調査したい相手なのかどうか識別するために、事前にアンケートを行う。そのアンケートの中で、「○○について、△△と思いますか?」のような価値観に関する質問を織り交ぜても、これまでの経験上、なかなかうまくいかない。

というのも、被験者本人が思っていることと、事業者側が思っていることにズレが生まれやすいからだ(価値観はとても抽象的で、人によって解釈が異なる)。

なので、大概の調査は、蓋を開けてみると、エッジが効いているどころか、普通の人が被験者として現れる。そして、彼ら彼女らにインタビューしても、新規性の高い「馴染みのない」商品は理解されず、調査結果は散々なことになる。

調査結果が思った通りにならないと、今度は会議室の中での議論が多くなる。
「調査しても、適切な人に聞けない。ならば、自分たちの“直感”や”想い”を大事にしよう」となるわけだ。

個人的には、想いがあることは大事だと思っているし、データだけで商品企画するよりかは直感の方がいいものができる確率は高いと思っている派だ。

しかし、得てして、事業者側の我田引水、思い込みや決め打ちが横行してしまう。結果として、ユーザーが全然欲しくもない商品が世に出てしまう。

とまぁ、ここまで長々と書いたが、結論として、新規性の高い商品の企画段階では、会議室での悶々とした議論や、調査設計から実査・報告まで数週間かかるような調査はやめた方がいい。

とりわけ、アイディアとして柔らかく、まだふわふわしている時点は、だ。

では代わりにどうしたらいいか、というと、タイトルにもあるように、直接ユーザーに会いにいってしまうのが早い。

チームメンバーで、ターゲットユーザーが居そうな、集まりそうな場所や時間をアイディア出しして、実際にその時間にその場所に行ってみる。それがお店であれば、店員さんに話しを聞いてみたり、あやしまれない範囲で、そこに来ている人に声をかけてみる。

誘導するような質問はせずに、彼ら彼女らが何を大事にしているのか(=価値観)を聞き出し、自分たちの商品に何が足りているのかいないのか、を考えて実際に商品に反映してみる。そして、またターゲットユーザーに当ててみる。

そうすると、いかに自分たちの商品が事業者側の思い込みに囚われているのか、がわかり、新商品が失敗する確率はぐんと下がる。

ちなみに、もうお気づきだと思うが、これは、デザイン思考のプロセスそのものだ。

とかく新規事業開発の手法として捉えられがちだが、デザイン思考は、イノベーションを生み出すものではない。ある程度何をするかという土俵が決まっている中で、地道な改善をするための手法だ。

だから、既存事業の新商品開発にこそ、デザイン思考的なアプローチが必要だと思っている。

会議室で悶々と議論して答えが出ないと悩んでいたり、調査をしてみたが思ったような被験者が現れない、もしくは調査結果が微妙だったと悩んでいたりする、そこのあなた。

「マーケターよ、会議室を出て、街に出よ」

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