見出し画像

頭であれこれ考えずに、ただ「やる」ことが上達への近道

仕事でも趣味でも家事でも、何か目的があってやるのが普通です。
コレをやってアレを得る。顧客獲得のために営業をかける、家族に料理をふるまいたいから料理を勉強する。
でも、ただそれ自体を目的とする方法もあります。
この記事では「ただやる」ことについて考えます。

<目次>
1.あれのためにコレをやる
2.それ自体を目的としてやる
3.ずっとやる
4.まとめ

1.あれのためにコレをやる

行動の源泉には目的があります。

目標達成理論では、その行動のwhyを問うと、モチベーションが高まるという話があります。「なぜそれを行うのか?」です。

・字がうまくなって素敵な手紙を書きたいから、書道をする
・体も心もきれいになって魅力ある自分になりたいから、ヨガをする
・たくましい体になって自信を持ちたいから、筋トレをする

具体的であればあるほどモチベーションを刺激しますから、目標の達成率も高まります。

しかし、禅の道では、これらの「何のために」という目的の明確化はよくないこととされています。書道をするときはただ書道をすべきで、字がうまくなりたい、上手な字で手紙を書きたいという気持ちは余計なものであるとされます。

なぜかというと、目的の明確化によって、心がどこかへ行ってしまうからです。

筆を走らせている時に、字がうまくなりたいとか、うまく書きたいと思っていると、心は「現在」ではなく「未来」に存在しています。そうではなくて、ただ字を書くことに集中する。その時、心は自然と「現在」へ落ち着いています。

テニスの試合をしているとき、勝ちたいと思うと、心は「現在」ではなく「未来」に存在しています。心を「現在」へ落ち着かせるには、ただテニスをすることに集中します。

2.それ自体を目的としてやる

では、どのように純粋性を保つのかというと、禅では姿勢に注目します。
背筋を伸ばし、耳は肩の延長線上に置き、前かかがみにならないように、かといって後ろに反り返ったりしないようにします。あごは少し引き、頭で空を支えるようなイメージを持ちます。それから、丹田(へその下5cmのところ)に力を入れます。下腹部を横隔膜が押すようなイメージです。

書道でもテニスでも料理でも筋トレでも、行為自体に集中します。行為自体を目的にします。余計なことは考えません。頭の中で考えていることはすべて妄想です。行為自体に集中するには座禅と同じようにフォーム、動きに注目することです。
今この瞬間に書道をしているにもかかわらず、頭の中は別のことを考えている(妄想)のでは、集中している状態とはほど遠いと言えます。

上のように禅風に考えなくても、一瞬一瞬に集中した方が、その行為がうまくいく確率はあがるのは直感的に理解できると思います。

3.ずっとやる

朝起きて夜眠るように、日に3度の食事のように、食事後歯を磨くように、とにかく毎日、規則正しく行います。

最初のうちは、何もやることがないときでさえ、やるのが辛い時があります。それでも続けます。そのうちに、それが生活の主たる部分になる日が必ずやってきます。何かを得るのを期待することはしません。
この部分は忍耐のしどころです。

座禅やヨガは座る程度の場所さえあればすぐにできるので、ただそれ自体を目的としてやるにはうってつけです。特に、座禅は起きてすぐ、職場のデスクや寝る前など簡単にできるのでオススメです。

4.まとめ

特別なことは何もありません。ただ、やる。これだけです。他に足すものも除くものもなく、ただ、やるだけ。これが上達する近道です。
難しいことはいりません。

・ただやる
・行為自体を目的にして、やる
・フォームや動きに注目して、やる
・毎日、規則正しくやる

だまされたと思ってやってみてください。

この記事が皆さんのお役に立てばうれしいです。

いただいたサポートは、よりみなさんの役に立つ記事を執筆するための研究費用(書籍購入、ワークショップ開催・参加、フィールドワークなど)として使わせていただきます。