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私の生活ルーティーン/ユーロ準決勝/ホンサンス(7/9)

「出来事」軸で考えると平凡でつまらない気もしてくるが、私のパリ生活の定番コースとなりつつある生活の基本を今日はご紹介(2秒で終わる)

朝起きてダラダラしながらコーヒーを挽いて飲む→ほぼ昼(え...?大丈夫そ?)*日本との遠隔会議やメールのやり取り、経理系の仕事はだいたいこの時間にやることが多い。

“買いだめ”スタイルがあまり性に合わないのか、ただ時間を持て余しているのか、ここで一旦買い出しに。だいたいパン屋さんと青果店、チーズ屋さんなどである。

お昼ご飯を食べたら作曲、編曲などの作業。いわゆるお仕事部。

夕方くらいまで集中してやりきることが多い。(サントラの場合、ぶっ通しで引きこもって作業することもあるが、パリにきてからは「一気にストイックにやりすぎて気絶」というコースは辿らないように自制している)

22時頃まで午後のような明るさのパリなので、夕方から本を持って公園へ出かけて読書をするか、そのまま散歩をしてから映画館へ。

映画見放題カードを持っている強みで、とにかく「全く興味がない」以外の映画は沢山観るようにしている。良くも悪くも見放題なので、あまりに苦痛であれば退室すれば良いだけだ。(滅多にないけれども)

それから夜の散歩を兼ねてまた歩いて帰宅。
アイスを買い食いしたくなるが一人の時は節約すると決めているので我慢して、自宅にてフルーツとかスーパーで買った「2箱目は50%オフ」みたいなアイスを食べて、だらだらとして(え...?また?)お風呂に入り、だらだらとして(早く寝て?)、少し本を読んで寝落ちる感じだ。

この何の面白みもない生活を何年も送っている。基本構造は日本にいる時から同じで、試合が観れる日はお昼に試合を見ながらこれらの行程をこなしている。日本にいる時の方が、喫茶店に行ったり、友達と会ったり、服を買いに行ったり、もっと(大雑把に言うと)消費活動をしていることが多かったかもしれない。

このリズムキープが非恋愛気質の私にとって非常に重要で、人といる時は仕事のことや自分が一人でやりたいことを気にせずにいられるように、自分一人の時は気ままにやる。やらない、をやる。過去の恋愛から学んだことだ。
そして、人といる時にケチケチすることが嫌いなので、節約は自分一人の時に存分にしておいて(さすれば気分も収まるというもの)、人といる時は気にせず楽しむ、をモットーにしている。だから、相手との金銭感覚の近さが大事になってくる。

ここまで書いて、これまた平凡で当たり前の習慣だよなと思ったが、それでもまあ「そんなものですよね〜」と微笑ましく受け流してもらいたい。

ただし!散歩をしていると、思わぬ出来事に出会して、結果的になんだかんだと予期せぬプチ体験のおこぼれがある。

今日はホンサンスの低評価著しい新作(笑)でも観に行こうかしらと思って散歩したのだが、やたらと人が多い。
いや、いつも人は多いのだが、なんだか少し異質のスメルがするのだ。なんだなんだと様子を伺うと... そうか!散々毎日試合をやっていたサッカー「ユーロ2024」が準決勝Demi Finaleを迎えており、フランスはここまで勝ち残ってきたんだった。カープが巨人に負けて首位没落したことばかりに気を取られていて、完全に失念していた。(しかも4位までわりと混戦)

スペイン対フランス戦をテラス席で観ようとする人で溢れかえる。「あんたら暇さえあればテラス席に吸い込まれてるやん」と思ったりもするが、自宅にテレビがない人ともそれなりにいるのかもしれない。いや、やつらはやはりテラス席が好きなだけだろう。そうに違いない!

ホンサンスが21:40からの上映だったので、近くのバインミー店で6€のサンドイッチを購入し、美術館の前の一角に腰を下ろして一人で食べていた。すごい歓声が怒号のように聞こえてきたので近づいてみると、フランスが一点先制!野球と違ってそんな簡単には点が入らないスポーツという認識だったので、このまま勝つのかな?という雰囲気であった。

しかし、試合に関してはさっぱり分からないので割愛するが、スペインの華麗なるシュートと、フランスの選手がスペイン側のゴールをアシストしてしまう形で入ったくさい追加点で逆転され、試合はそのまま終了してしまった。

フランスの人たちには大変申し訳ないが、組織がめちゃくちゃなのに何故かそれなりに強かったり、強いと思ったら肝心なところで負けたり、そういうツッコミどころ満載でギャグみたいなフランスだから好きなのだ。

完璧でも優秀でも真面目でもつまらない。
「いや、だからなんでやねん!」みたいな合理性に欠けるところが彼らの面白さでチャームだ。

あっさり試合に負けてくれたおかげで?ホンサンスの映画に滑り込むことができた。

多作な監督なので、全ての作品をまとめて評価するのは雑すぎるかとは思うが、彼の作品はどれを観ても「だから、なに?」(あくまで世武調べ)
物語的な華やかさはないし、映像も特段美しいわけでもなく、役者の演技に唸るような力強さがあるわけでもなく、会話の80%も凡庸なのだが、どれを観ても全然飽きない、眠くならない、何故か引き込まれていく不思議さがある。それがホンサンスの真骨頂だと個人的には捉えている。

だからこそ他人による作品評を全くアテにしていない。逆に言うと、これほど観客に媚びない作品を提供してくれる嬉しさみたいなものを感じているのかもしれない。自分が映画の作り手側でもあるので、観客に媚びない勇気は生半可に貫けるものではないことも知っている。

韓国映画は食事シーンが多く、これも韓国人における食事とは?が分かって面白い現象の一つなのだが、もうちょっと咀嚼音だけどうにかならぬものか... と昨日もピザを食べる姿を観て身震いしていた(笑)。
こちらの育った環境の都合と押し付けにはなるが、耳から全身が痒くなってしまう肉体の拒否反応が毎度むくっと出てきてしまうのだ。

でも、そこさえ乗り越えれば、やっぱりとても不思議で興味深い文化を持った国だなと思って魅力的に思う。映画は、それぞれのお国柄が出るのが良い。「国境や国籍なんてなくなればいいのに!」と普段は思うけれど、芸術はそういう不自由さやハンデがあるからこそ面白いのかも知れない。

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