OLYMPUS XZ-10と富岡製糸場の近くを夜散歩した話
先日、出張で高崎まで行ってきました。
スケジュールそして体力的にギリギリでしたが、折角なので帰京する前に富岡製糸場がある上州富岡まで足を延ばしてみました。
もしかしたら上信電鉄に乗りたかっただけかもしれない。
駅員に切符を手渡して、改札鋏で切ってもらい、また切符を受け取る。
この感覚が懐かしい。
何かと非接触が励行される時代だけど、マニュアル、アナログ、身体的なもの・・・非効率的だったり不便だったりすることはあれど、こういったものにどこか愛着を感じるのは僕だけではないだろう。
今回の撮影はいつも持ち歩いているモノクロ専用機のOLYMPUS XZ-10。
XZ-10のくっきりとした画より少しだけソフトに仕上げたかったので、今回の写真はLightroomで若干補整している(といっても明瞭度を少し下げたくらい)。露出を大きくアンダーに振っているのはいつものこと。
ワンマン運転の上信電鉄。
通勤通学の時間帯は意外と利用者が多い。
座席は柔らかく低め。
上州からっ風に冷やされたお尻をシートヒーターが全力で暖めてくれる。
この季節は日没が早い。
日が落ちると辺りはまるでずっと前からそうだったように静まり返る。
夜の店には灯りがつくけれど、道に人は歩いていない。
まるで僕だけが街から放り出されてしまったようだった。
そして夜はとても寒い。
人の声がする方へ進むと精肉店で学生たちが買い食いをしていた。
美味しいよね、揚げたてのコロッケ。
僕は大人なので、コロッケの買い食いはせずに歩き続けた。
本当はコロッケもホルモン揚げも食べたかったけれど、昼食を食べ過ぎていたので我慢した。
このあと飲めなくなってしまっては本末転倒だ。
大人の選択。
暖簾をくぐって小一時間ばかり食事を楽しんだ。
おばんざいと日本酒をいただいた。
コロッケとホルモン揚げを我慢した甲斐があった。
嘘、多少お腹が苦しくなってでも食べておけば良かった。
お見送りの三毛猫。
野良なんだろうけど、荒んでなくて可愛い顔をしている。
食べ物と寝るところには困っていないような雰囲気だった。
どんな業界にも世渡りが上手いのがいるものだ。
看板のフォントが良い。
多少補整しているので白色が暖色寄りになっているけれど、レトロな感じが出ていて駅の雰囲気に合っていると思う。
OLYMPUS XZ-10は最小F値が1.8と当時のコンデジにしてはかなり明るめで、その辺の一眼のキットレンズより明るかったりする。ISOを上げればシャッタースピードをそこまで落とさなくても撮影できるので、夜のお散歩にはちょうど良い。
ISO感度が800を超えてくると流石にノイズが目立つものの、モノクロならそれも味になる。このへんのバランスが良いのもXZ-10をモノクロ専用機にしている理由だったり。
D-LUXに浮気しそうになったこともあったけれど、やはり常に持ち歩くならばコンパクトさが最優先。通勤のときに鞄に忍ばせておけるのは、やはりコンデジだろう。
今年はコロナの影響で横川(碓氷)に行くことができなかったけれど、僅かながら群馬の空気を感じることができた。
来年は輪行でもいいから直江津ルートの一部を走ってみたい。
もちろんXZ-10をサイクルジャージのバックポケットに入れることを忘れずに。