探していたのはたった一輪の花
少しだけ時間ができたので、電車とバスを乗り継いで神代植物公園に行ってきた。
今回の目当てはバラ。秋バラのシーズンはもう終盤だけど。
一般にバラのシーズンは、春、初夏、秋と年に3回あるらしい。最盛期は春で、つるバラはこの季節に咲く。咲き誇るバラを撮るなら春が良いと思う。
初夏や秋は花数が少なく、一つ一つの花が独立して咲いていることが多いのだそう。
とはいえ公園のバラ園は手入れが行き届いており、無数のバラが咲いていた。感動した。
バラの最盛期は春ということらしいけれど、個人的に昔からバラは秋に咲く花というイメージが強かった。きっと星の王子さまの影響で「バラ=一輪花」という風に頭の中で変換されてしまうんだろう。バラ。紅い。棘。乾いた空気。
そんな秋のバラを撮るために神代植物公園まで行ってきた話。
滞在時間はせいぜい1時間くらいだろうと見積もって、G9にLEICA DG VARIO ELMARIT 12-60mmを付けて交換レンズは持たなかった。
写りが良い望遠レンズを持っていると無精になっていけない。
バラ園にはバズーカ砲のようなレンズを抱えた愛好家が沢山いた。いわゆるヨンニッパと呼ばれるレンズで、400mmをF2.8で撮れる高価なレンズ。このレンズを持っている人は、もう沼から抜け出す気もない人たちたんだろう。
このバズーカ砲のようなレンズは、鳥やスポーツ選手を遠くから撮影するための望遠レンズというイメージが強いけれど、花を撮るのにも適している。離れた場所から倍率の高いレンズを使って花を大きく写す。近くに寄って撮るだけが被写体を大きく写す方法ではない。
僕はといえば標準ズームレンズ一本だ。正直、本気度が足りないと言えばそうなんだけれど、ある意味で潔いとも言える。この思い切り(頼り切りとも言う)に気を良くしたのか、今回はいつもスパルタなG9がデレてくれたようだ。
バラ園に向かう途中にダリアのエリアがあった。こちらもシーズンは終わりかけで、花数は少なかったけれど、大ぶりの花が何本か綺麗に咲いていた。
シジミチョウの仲間かな、花にとまった瞬間を写真に収めることができた。
この日は南風が強くて花が揺れまくっていたので、さすがに望遠側のAFはピントが迷いまくっていた。だから全部マニュアルフォーカスで撮った。これはこれで面白いと感じてしまったんだから、きっとAFができないオールドレンズ沼にも直ぐにハマるんだろうな。怖い。
透き通るような白とはこういうことを言うのだろう。特に陰になっている花びらの淡い白は綺麗だ。
マイクロフォーサーズ機でも背景が認識できないくらいよくボケる。やはりこのズームレンズは良い。
午前中の太陽の位置と色なので、花びらの色味と影がこんな感じに出るけれど、夕方にはまた別の表情が見られるのだろう。
多分この子がいちばんバラっぽく撮れたと思う。一輪のバラ感は出ているだろうか。
写真としてはイマイチだけど、わざと背景をうるさくしてみた。
光源もないのに玉ボケがこれでもかというくらい出ている。このレンズ面白い(何度も言います)。
この1枚を撮って満足して帰ることにした。
木立の影が下りるエリアに咲いていた花。明暗さがはっきりしている株を選んで撮ってみた。
なんだかんだで2時間くらい滞在してしまった。
花をこれだけ真面目に撮ったのは初めてだったかもしれない。
花以外にもサブで持って行ったXZ-10で何枚かモノクロ写真を撮ったけど、そっちもそっちで悪くない写真が撮れた。
時間もちょうど良かったので、蕎麦を食べて帰路についた。深大寺に来たら蕎麦は外せない。
ちなみに蕎麦(天せいろ)の写真も撮ったけれど、既に魂が抜けてしまっていて何とも酷い写真が撮れた。
テーブルフォト上手くなりたいです。