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昼下がりのネルドリップ男
2024/9/9
宅配便の呼び出しベルの音で目を覚ました。再配達をお願いしていたことをすっかり忘れて、寝ぐせぼさぼさパジャマ姿&目も開き切らない状態で荷物を受け取りに行く。笑顔がまぶしいおっちゃんの元気なあいさつにやっとこさあいさつを返し、荷物を受け取る。夏休みだからとはいえ、昼前まで呑気に寝ている大学生の姿は、おっちゃんの目にどう映っているのだろうと考え、ちょっとだけ情けない気持ちになりながら段ボールを部屋に運び込む。
送り主は母。先日実家に帰ったときに色々持たせてもらったのだが、持ち帰り切れない荷物は後日郵送してもらうことにしている。今回は母親の持っているコーヒー器具を少し貸してもらうことにした。それでいつもより一回り大きな段ボールだったわけだ。
先日実家に帰っている間、コーヒーを淹れたりコーヒーミルでゴリゴリ音を立ててたり、知ったばかりのコーヒー知識を家族に語ったりと、だいぶやかましいムーブをかましてきた僕だったが、幸い両親ともにコーヒー好きだったので温かい目で見てくれたのである。唯一妹だけが無関心だったので、少し寂しい兄貴。
大学生の一人暮らしである僕は、例にもれず金がなく、何万円もするコーヒー器具はなかなか手が出せない。だから僕と同じで収集癖のある母親が歴代集めてきたコーヒー器具を少しだけ拝借させていただくことにしたのだ。
今回はコーヒーミルとネルドリップの器具を送ってもらった。自分で買いそろえようと思えば一万円弱はかかるので、実家パワーは絶大だ。コーヒー豆はバイト先に行けば自由に挽くことができるのだが、挽いた状態ではすぐ鮮度が落ちてしまい淹れた時に雑味が出てしまうので、なるべくコーヒー豆は挽かずに保存したいのである。これも、最近読んでいるコーヒー本で得た浅知恵だ。
そして本命はネルドリップ。手間はかかるがおいしく仕上がることで有名なネルドリップ。コーヒーを語る上では欠かせないだろうと勝手に解釈し、挑戦してみることにした。
ネルドリップがあまり主流な淹れ方ではないのには大きな理由がある。それは管理の大変さだ。まず新品のフランネル生地は糊がついているため、20分ほど煮沸する必要がある。本によってはコーヒー豆を挽いたものと一緒に煮沸することで生地の臭みを取り除くといったことも書いてある。それぞれの記事で言っていることがバラバラなのが、コーヒーについて勉強するうえで厄介なところである。
煮沸が済んだら専用の輪っか状の取っ手にフランネル生地を通し、90℃前後のお湯でゆっくり抽出する。淹れ方にもいちいち段取りがあるのでめんどくさいところだが、それを端折ってしまってはコーヒー好きなど名乗れないだろうということで、地道に淹れてゆく。
仕上がりは上々。最初こそフランネル生地の雑味が一瞬こみ上げてきたが、コーヒープレスとは違い粉っぽさが全くなく、まろやかな口当たり。使っているコーヒー豆の質は違えども、先日サザコーヒーで飲んだネルドリップのコーヒーと同じ口当たりを再現することができた。初心者の一発目で中々の出来に仕上がるネルドリップは、手間がかかる分確実においしいコーヒーを淹れるにはいい方法なのかもしれない。
そんなこんなで下準備に1時間近く、淹れるのに3分、片付けと保管に20分かかるネルドリップ第一回目の挑戦は幕を閉じた。これを毎日行うことはなかなか難しいが、週に2,3回くらいはやれたらいいなあと思う。
バイト先の先輩から、今度コーヒーを淹れてほしいとリクエストをいただいたので、ネルドリップの技術向上と、おいしいコーヒー豆を模索したりしていきたい。
今日はこれからバイト。最近バイトとコーヒー関連で一日が終わってしまっているので、もう少し一日を有効活用したいと思っている。院試の勉強もTOEICの勉強も、あと契約してるジムにも定期的に行きたいし、とにかくぼんやり過ごしてる時間はいまの僕にはないという事実。とにかくバイトまでは勉強するか。
明日は仙台と盛岡に行く。プチ旅行の日記も書いてみようかな。