姉妹作品『Sea of Time ’98』が生まれた地、直島でのタイム設定ワークショップレポート
■直島で「タイム設定」ワークショップを開催した理由
瀬戸内海に位置する直島には、「時の海 - 東北」の姉妹作品『Sea of Time ’98』があります。『Sea of Time ’98』も「時の海 - 東北」と同様に、タイム設定ワークショップを開催し、住民の方々が制作に参加して生まれた作品です。
1998年当時、直島に住む5歳から95歳までの島民125名が参加し、その後、20周年を迎えた2018年には、「タイムセッティング2018〜継承〜」が開催されました。1998年の参加者125名全員の所在を調べ、ご本人や故人となられた方の場合には血縁者の方々に集まっていただき、再度、タイム設定を行なったそうです。詳しくは、以下のウェブサイトやベネッセアートサイト直島広報誌 2019年7月号 P2-15をご覧ください。
人の記憶と想いを継承していくこと
作品は完成して終わりではありません。参加者や作品を見に訪れてくれる人、そうしたさまざまな人の想いが重なり合って作品が育まれていくのだと思います。それを体現されている場が、直島にはありました。
直島でのワークショップを通して、「時の海 - 東北」も20年、50年、100年と人々に想いが継承され、大切な作品だと、ここは大事な場所なのだと思っていただけるような在り方を目指していきたいという思いを強くしました。
■久しぶりの対面でのワークショップ
ここからは、直島でのワークショップの様子をフォトレポートとしてお届けします。
一昨年からの新型コロナウイルス感染症の影響を受け、対面でのワークショップは中止が続いていたため、約2年ぶりの現地開催でした。そのため、準備や進行の確認も入念に行いました。
■いよいよワークショップスタート
■ワークショップで大切にしていることは、一人ひとりの想いを傾聴し受け取っていくこと
■最後に、『Sea of Time ’98』を参加者と一緒に鑑賞
■これからも各地でワークショップに取り組みます
直島で参加者のみなさんとお話しするなかで、「出身が東北なんです」「家族や親戚が東北で暮らしています」「3.11のとき、東北にいました」など、東日本大震災の経験や東北に縁のある方々との出会いがありました。
一人ひとりの東北への想い、命への想いに耳を傾けながら、震災から11年という月日の流れやこれからの未来について想いを馳せる。そうした時間と場を参加者のみなさんと共有しながら積み重ねていくことが、「時の海 - 東北」を育てていく一歩なのだと実感しています。
「時の海-東北」プロジェクトでは、震災の記憶と経験と思いを紡いでいく場を育んでいけるよう、これからも全国各地でワークショップに取り組んでいきます。
【第2弾「タイム設定ワークショップ in 原美術館ARC」開催!】
ワークショップと作品のデモンストレーション展示を同時開催!
次回のワークショップの開催が決定しました!
第2弾ワークショップ開催地は、原美術館(東京・品川)で常設展示していた宮島作品『時の連鎖』を移設し、現在も継続して展示を行なっている「原美術館ARC」です。
さらに今回は、現在までに制作されたLEDの一部を用いた「時の海 – 東北」のデモンストレーション展示(会期:2022年9月10日(土)〜2022年11月9日(水))も同時開催します。
みなさまのご参加、ご来場をお待ちしています!
※タイム設定は、お一人様につき 1 回のみの参加です。過去、本プロジェクトのタイム設定を行われた方はご参加いただけません。
《関連イベント》
原美術館ARC主催『美術を学ぶ学生のためのバスツアー』(新宿駅バス発着)参加者募集中!
2022年9月23日(金・祝)に、美術を学ぶ学生を対象のバスツアーを開催します。詳細は、こちら
《関連リンク》