■国東半島芸術祭で生まれた縁の地、国東市成仏地区
11月12日、秋晴れの広がる大分空港に宮島達男と私たち「時の海 - 東北」プロジェクトチームが到着。目指すは、国東市国東町にある「成仏地区」です。成仏地区には、この地で8年前に開催された「国東半島芸術祭(2014年)」で宮島が発表した作品『Hundred Life Houses』が恒久設置されています。実は、この作品も成仏地区の住民の方々などをはじめ、100名の参加者とともにつくった作品です。
成仏地区には、「成仏桜会」というボランティアグループがあります。芸術祭開催時にも各地から訪れるお客様を心温まる「おせったい」でおもてなしくださったりと、芸術祭運営をサポートしてくださいました。
今回、国東で「時の海 - 東北」プロジェクトタイム設定ワークショップを開催するに至ったのも、「成仏桜会」のみなさんが、「国東半島芸術祭」で生まれた宮島との、そして作品とのご縁を大切に育んてくださったことが大きいです。
成仏地区では、感染症対策の関係から、国東市在住の方に限定しワークショップを開催し、こどもから大人まで、計39名の方にご参加いただきました。
「おかえり〜」といつものように出迎えてくれる「成仏桜会」のみなさん
■いよいよ国東でのワークショップがスタート!
自分に関わりのある数字を決める
「時の海 - 東北」プロジェクトの経緯やアーティストの想いを共有した後、ここから一人ひとりのタイム設定の時間です。いろいろな想いを巡らせながら、家族や兄弟、姉妹と話し合いながら、それぞれの「数字(秒数)」を決めていきます。 みなさんそれぞれに想いを込めてワークシートに記入される姿を見ていると、一人ひとりの物語の豊かさがじわっと溢れ出てくるようで、その姿と想いをしっかりと受け止めていかなくちゃという気持ちがより一層強くなります。
数字と一人ひとりの想いを通して、対話を重ねる
タイム設定ができた人のもとに行き、決められた数字とそれにまつわるエピソートや想いを傾聴します。
楽しい嬉しい想いも、悲しい寂しい想いも、なんとも言い表せない気持ちも、そうした一人ひとりの想いが重なっていく時間がタイム設定ワークショップには流れています。
■誰かの想いを声に出して読む。
実は今回、参加者のご了承を得て、みなさんが決めた秒数とエピソードを私が代読し、会場にいる参加者のみなさんと共有することに初めて取り組みました。その声に参加者が耳を傾け、読み終えると、自然と拍手が起こりました。
今、この会場で、自分と同じように他の誰かも大切な誰かのことを想ったり、かつての経験を思い起こしたりして一つの数字を決めたのだという想像力が、じんわりと会場全体に満ちていくような時間でした。
みなさんから受け取った秒数とエピソードの中から、いくつかご紹介します。
※エピソードの記載は、書き手の表現を尊重し、句読点、余白などを記している。
■ワークショップを終えて、『Hundred Life Houses』を鑑賞
その後、参加者のみなさんと集合写真を撮影し、希望者と一緒に成仏にある作品を見にいきました。
ご参加いただいたみなさま、ご協力いただきました成仏桜会のみなさま、NPO法人BEPPU PROJECTのみなさま、本当にありがとうございました!!
次の日は、場所を別府に移してワークショップを開催しました。その様子は、レポート後篇に続きます。
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