着替えもトイレも出来ないまま未満児幼稚園スタートした話

満3歳児の息子が幼稚園に行きはじめて、はや1ヶ月が経とうとしている。

はじめは、制服を見せただけでも大泣きで、幼稚園行きたくない。と不安そうな顔を見送ってたのも1週間後には、すんなりと制服を着るようになり、また1週間後には早く幼稚園に行きたがるようになった。

幼稚園に入って、幼稚園に慣れるか。同じ組の子と仲良くやっていけるか。の前に立ちはだかったのが、着替えとトイレ。

そう。うちの息子は、着替えもトイレもまったくできないのであった。

上の娘は、早い時期から『自分で!!』と言い、出来もしないのに服を着ようとしては癇癪を起こす子だった。その分2歳の間には着替えもボタンもすんなりと出来るようになっていた。出来るけどやらない。ママやって〜の子だった。

癇癪も、出来るのにやらないにつきあうのも当時の私には、すごくストレスで、息子のときは「自分で!がなく着替えさせてくれて楽だわー」と思っていた。そのうちイヤイヤ期に突入し、私もパパも何がなんでも服を着てもらう。脱いでもらうに必死だった。

いつ「自分で!」が来るんだろう。と気長に待っていた。そのまま3歳になってしまった。
やらせようにも「ママが!」の子になってしまった。幼稚園に入る時も、はじめは先生が着替えはサポートしてくれるだろうと安易に思って入れた。

幼稚園の方針か?先生の方針か?
朝の着替えは一切手伝わないという。

困った。家で練習させたくても「なんで?ママがやって!」になってるし、幼稚園に行きはじめたら、制服見るだけで泣き喚く子に教えるなんてできない。幼稚園でなんとかやるしかない。果たして出来るのだろうか。

数日経って、個人面談をした。
「息子さんは、朝の支度に30分、着替えに1時間かかっています。」
「まず、リュックを開けられません。開けても中のものを出せません。タオルをひっかけるという言葉を知りません。ひっかけるのに時間がかかります。」
「制服からスモックに着替えるのにボタンを外せません。つけられません。すごく時間が
かかります。」
「トイレに行くのにズボンが脱げません。履き方を知りません。」
「少しでも、家で練習してもらえませんか。」
「全員着替えが終わらないと、朝の時間、園庭で遊べません。」と残念そうに言った。

1時間、ボタンと格闘している息子を想像した。それを見守ってる先生を想像した。息子のせいでお友達が園庭で遊べない日が続いてるかもしれない。

なんとかしてあげたい。けれど、家だとなにもやらない。
「家で何にも教えてないんですね。それじゃ困ります。やってください」と責められてる気分になった。つらくなった。まったく先生はそんなことを言ってないのに。

慣れない幼稚園生活に、なんとかがんばって、自分でやっている。たくさん苦手なおかずがあるのに全部食べてくる。お友達をたたいたりしない。うろうろせずに泣かずに椅子に座ってる。
今はそれで充分ではないか。
がんばってる分、家では今まで以上に何もやらない。ほとんど食べてくれなくなった。

家では、のんびりゆっくり充電させてあげたい。そう思っている自分と
「それって甘やかせすぎ?しつけは、嫌がっても、やらせるという頑固たる決意が必要?」
という自分の間で心が不安定になった。

やらせようとまったくしてないわけじゃない。声かけもしてる。それでも、やりたくないとつっぱねる子を家でやらせるのは難しい。先生にそう伝えた。先生の顔が曇ったのがわかった。

この子のために必要なことを、親が無理だと決めつけてる。そう思われたかもしれない。

悩んだ。
新しい幼稚園という世界が、息子にとって、つらい修行の場になってしまうのかと。そのうち幼稚園行きたくないというんじゃないかと。

「行きたくないとなるくらいなら、制服ではなくスモックで登園でもいいですよ。」と言われた。

パパと相談した。
家で練習できないなら、なんとか幼稚園でやってもらうしかない。
そのまま制服でいかせることにした。

それから、1週間。不安な気持ちのまま息子を幼稚園に送り出した。
行きたくないとは言わない。ニコニコ笑顔で帰ってくる。
ただ息子は幼稚園での様子がどんなふうか、伝えられるほど言葉がまだ達者じゃない。
迎えの時に先生は何も言ってくれない。
むしろ前よりも怖そうな固そうな顔をしてる。私と話したくないんだろうか。単に疲れてるだけなんだろうか。
家では、のんびりゆったりさせた。指を使う遊びをできるだけさせてみた。
数日後、家ではじめて制服のボタンを1つだけつけた。
それを連絡帳に書いた。
先生がお返事を書いてくれた。
「くつを履くのがとても早くなりました。ボタンも出来るようになりました。すごいねーって褒めたらとても嬉しそうにしてました。成長が楽しみです。」
嬉しかった。
先生が見守ってくれてること。いっしょに成長を喜んでくれてること。
息子が、がんばれたこと。
そこから、急成長した。
家でも、制服の着替えを自分でするようになった。お風呂で服を脱げるようになった。服をたためるようになった。
幼稚園で、あんなにかかっていた支度も着替えも、今では10分で出来る様になったらしい。トイレもズボンを自分で脱いで自分で履けるらしい。
私や先生が教えるのではなくて、自分なりに、考えて工夫して、どんどんできるようになっていく。子供の成長は早い。
今まで、何かマイナスな事を言われると、自分が責められてる気分になったり、何かしてあげないといけない気持ちになることが多かった。
信じて見守ることで、時が解決してくれる。
そう心から思えた。
そうは言っても、またソワソワしたり、不安になることもあると思うけれど。

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