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学校の存在意義〜学校でしか学べないこと〜

インターネットの普及で誰でも、どこでも知識を得ることができるようになってきました。これまでは学校が基礎・基本的な知識を得る場所であったはずですが、その役割はインターネットに移行している側面があります。

実際、学校よりも動画の解説の方がわかりやすい等、そういった声もあります。では、学校の存在意義とは?なんでしょうか。


私の考える学校の存在意義


①他者と協力して活動する力を育てる


②情報リテラシーを学ぶ

の2つだと考えています。


①他者と協力して活動する力を育てる


学校でしか学べないことは、この点につきると思います。

学校では集団で学んだり、活動することで集団の中での自分の有り方、コミュニケーションの取り方を学んでいます。社会がどれだけ変化しても、社会という人のあつまる集団の中で生きていくことは変わりません。

そのため、他者と協力する力は生きていく上で重要な要素です。また、どんな仕事でも人から必要とされるものでなければ、意味がありません。自分が求めるものだけでなく、他者の視点に立って「なにが求められるか?」考える必要があります。そういった視点は他者と協働する中でこそ、培われます。


コミュニケーションは大きく「言語的コミュニケーション」「非言語的コミュニケーション」別れます。

「言語的コミュニケーション」は文字通り、言葉を媒体とするコミュニケーションです。相手と話したり、ブログやSNSでのコミュニケーションもこれにあたります。

「非言語的コミュニケーション」は、言語的コミュニケーション以外のコミュニケーション方法を指します。表情や身振り、手振り、イラストを使ったもの等、様々です。


あなたがコミュニケーションと聞いて思い浮かぶのは、どちらですか?


おそらく、大多数が「言語的コミュニケーション」かと思います。

しかし、人がどの割合で相手から情報を得ているかというと、「非言語的コミュニケーション」が8割以上を閉めてます。


有名なメラビアンの法則というものがあります。


メラビアンの法則によると

「人は言語的情報よりも、声の調子や口調、表情や身振りから人は情報を得ている。」ということです。

例えば妻と家で話をしていて、、、

(私)今日は仕事で帰りが遅くなりそうなんだ、ごめんね。
(妻)そうなんだ。仕事忙しくて大変だね。大丈夫だよ。

このやりとり、文章だけ見ると特に問題ないように見えます。しかし、実際の場面では、妻が目を合わせず、残念そうな顔をしていました。すると、妻の意図や感情の読み取りが変わってきますよね!?


「非言語的コミュニケーション」は言葉以外の情報を伝えてくれるものです。それが、相手の意図や感情をよみとる時に重要な情報になるんですね。

非言語的コミュニケーションについて、イメージできましたでしょうか。あなたも非言語的コミュニケーションを意識している場面があると思います。

楽しくないけど、笑って楽しそうにする。怖いけど、怖くないふりをする等です。経験ありませんか?

そういったコミュニケーション方法はどうやって学んだのか?

誰もが自分の経験から考えて、「この場面ではこうしよう!」と考えているはずです。

つまり、コミュニケーションは人付き合ってきた経験を積み重ねることで上達するんですね!

相手とのやりとりをたくさん経験して、伝わる経験や伝わらなかった経験を経て、学びます。

学校は、多様な人たちと、多様な内容(テーマ、課題)でコミュニケーションをとれる場所です。だからこそ、友達や教員と話をして、話を聞いて、一緒に何かをするための素地が養われるんですね。


②情報リテラシーを学ぶ


情報リテラシーとは「問題・課題に対処するために、必要な情報を取捨選択し、活用すること」と定義できます。


その中でも、「必要な情報を取捨選択し」といった部分が、これから社会に出ていく子ども(または、大人も)にとっては重要になると考えている。

文部科学省検定教科書高等学校「情報」の用語分析https://www.jstage.jst.go.jp/article/jssep/37/0/37_152/_pdf/-char/ja

司書・司書教諭が知っておくべき学校図書館のための情報リテラシー 第1回 情報リテラシーとは?https://jwu.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3109&item_no=1&page_id=4&block_id=99


冒頭でもお話したとおり、現代ではインターネットは検索をすれば、様々な情報が無数にでてきます。
試しに、グーグル検索にて「情報リテラシー」と検索してみると、約 7,740,000 件 がヒットししました。
これだけの全ての情報を見るのは、何年かかるのでしょうか。。。。


それだけの情報が一気に手に入るというのは便利な世の中になった証でもあります。一方で情報の質といった点では、疑問が残る情報もありますよね。

だからこそ、自分自身で情報を取捨選択する力がなによりも重要になります。
課題は何なのか?どんな情報が必要か?こんな問いを自問自答しながら、インターネットの世界を探し回る。

そして、自分なりに結論づけ、物事を決定したり、論理的な文章を組み立てたりする。

学校でしか情報リテラシーは学べないのか?と言われると確かに、そういうわけではありません。インターネットには情報リテラシーに関する情報がたくさんありますし、家族や周りの人と調べ学習をするといった方法もとれます。


しかし、学校では遥かに効率的に・効果的に情報リテラシーを身に付けることができるんです。

文科省では情報教育に関して以下のように提言し、「情報活用能力」という言葉で、情報の扱い、情報をまとめて発表すること、SNSを通じたコミュニケーション等の扱いについてまとめています。


学校ではこういった提言に合わせて、情報機器を使った情報活用の授業が多く展開されているんですね。知人の学校教員からもそのような話を聞いています。

第4章 情報教育https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/shiryo/attach/1249670.htm

そういった提言もあり、学校での授業を通して、以下の2つのメリットがでてくるんですね!

1、多様な課題に対してアプローチできる
2、多様な調べかた、発表の仕方を経験できる

1については、各教科(国語、算数、理科、社会等)で調べ学習を基本とした情報活用の授業があり、多様なテーマに対して取り組めることです。

自分の興味関心の幅で調べるだけでなく、多様なテーマで学習できるのはメリットになります。

例えば「地域の特産物を知ろう」といった内容がテーマになると、まずは地域の特産物をインターネット、書籍等で調べる(2次情報)。調べると給食や家庭の食事でも出てくる特産物がある(実体験に基づく1次情報)。

(1次情報とは自分の実体験に基づくような内容で、2次時情報とは本屋、インターネット等のメディアで得られるものです。)


この1次情報と2次情報の調べた内容と、自分の経験を合わせて、考えをまとめる工程が情報リテラシーを高める上でとても大切になるんですね。


2については、自分が調べたことについて、友達が違う切り口や調べかたでまとめてることがあります。同じものでも、違うアプローチができることを学び、経験値として積み重ねる。

そういった繰り返しで、課題を解決する時に「Aという方法よりも、○○くんがやっていたBの方法で調べると良いんじゃないか?」と、自分で考えて、試行錯誤しながら課題解決に向けて取り組むことができるわけです。


以上のような2つの観点から、情報リテラシーの力を高めることができるのが学校なんですね。

それが、学校の存在意義になると私は考えています。


また別の記事で書きますが、「自己決定」についてもこういった情報リテラシーの活用が大切になってきます。


学校はいらない。

大学に受かるよう塾に通えばいい。

インターネットでいろんなことを調べて、お金を稼げばいい。


などなど、いろいろな考え方があるかと思いますが

私は、上記のメリットから、これからを生きる子供ほど、学校に通ってたくさんの人と関わることが必要だと感じています。

今回の記事は以上です。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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