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【シンケンジャー】第27話~第29話
第二十七幕「入替人生」
シンケン27話見た 入れ替わりの怪! よりつまらないものと人間とを入れ替えることに享楽を感じているアベコンベの性格ときたら! モノとヒトとを入れ替えることで、知らず知らずのうちに人間に人間を殺させるというお遊戯、なんとなくダグデドみがあるな……
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
人間をお宝や貴重品と入れ替えてしまっては、アベコンベの目論見は成立しない。あくまでも不用品に人間の魂を入れてそのまま処分させるのが目的なので、フリーマーケットの商品に術を掛けるのは若干不本意だったかも。
その点恐ろしいのが、空き缶にされた少女と寿司にされた源太である。前者は当然、不用品というかゴミである。リサイクル業者が回収して、丁寧にひとつずつ手でつぶしているようだ。どの瞬間まで少女の魂が自我を保てるのかは定かではないが、地獄の順番待ちはそれだけで恐怖であるし、缶を潰されたタイミングで魂も絶命するのか、それとも全身を潰された苦痛のまま更に生かされ続けるのか、想像するだけでぞっとする。源太の寿司は言わずもがなだ。何といってもナマモノである。生きながらにして干からび、鮮度が落ちて傷み、さらには捕食者にも狙われる恐怖よ……。
源太は自分の寿司と、殿・茉子・流ノ介もそれぞれフリマ会場の商品と入れ替えられ(流ノ介不憫……)、残った年下組が二人だけで対処に当たることに。緊張でガチガチになったことはをリラックスさせるため、殿の顔に落書きをして場を和ませる千明。少女漫画みたいなイケメンムーブだ! 効果は覿面。
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
アヤカシも認めるほど勘の良い千明である。ことはの小さな力みをちゃんと観察し、即座に柔軟な対応ができるのは彼の美点であろう(これが殿や流ノ介ではなかなかこうは行かない)。ことはも千明の思いやりをちゃんと理解して受け入れている。素直! やむを得ず全員の術を解いたアベコンベに対し→
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
「ありがとう」とぺっこり頭を下げていたが、直前までボールに閉じ込めたアベコンベの魂をさんざん脅していたことを思うとなんともきれいな掌返し。でも憎めない。素直だから……。
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
被害者の数は多いうえに把握も難しく、入れ替えられた物品によってはいまにも危機が迫っているかもしれない。源太寿司という揺るがぬ実例がある以上、千明とことははスピード勝負を求められる。
そこで二人が実行したのは、アベコンベの能力を使い、逆にアベコンベ自身の身体を乗っ取ってしまおうという計画である。一時とはいえシンケングリーンの肉体を明け渡す危険な賭けではあったものの、自らの術中に嵌まったアベコンベはことはの熱心な説得(脅迫?)に負け、すべての人間にかかった術を解除する。年下組の作戦勝ちである。ストッパーになる年上組がいないからこその若干無茶な試みではあるが、結果オーライだ。
第二十八幕「提灯侍」
シンケン28話見た 源太、恐怖心を克服するの巻。親身になって駆け回る千明は、本当に源太のことが大好きなんだなあ……寿司になって猫に食われかければ、そりゃ寿司にトラウマも抱こうものである。彦馬の荒療治は一見乱暴だが、誰よりも寿司を愛している源太にとっては何よりの薬だったのかも。
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
恐怖心を克服するには、別の感情で上書きしてしまうのが手っ取り早い。単純だが源太の性格にはよくマッチした彦馬さんの手腕により、源太は改めて寿司の旨さに気づき、トラウマを乗り越えるのであった。千明たちの「みんなで一緒に苦手を乗り越えて頑張ろう」作戦も悪くはないのだが、一歩を踏み出すにはすこし後押しが弱かったか。その点彦馬さんは力づくであるからなあ。
アベコンベが先触れしていた「さるお方」こと筋殻アクマロが、三途の川の底からドウコクの船に現れる。荒武者然としたドウコクとは対象的に公家のような出で立ちのアクマロは、あくまでも下手から乗船許可を取り付ける。ドウコクが戯れに切りつけていなければゴールドの攻撃も通らなかったかもしれず→
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
自在に伸びる爪や骨のような意匠の笏から繰り出される攻撃も凄まじい威力。公家らしく蹴鞠も披露頂いたが、回し蹴りでそんなに打点高く放たれるシュートはもはや蹴球であることよ……(好き) 長い爪で紙を切り召喚する「キリガミ」も、名前からして折神と相性が悪そうだ。陰陽師の式神っぽさもある。
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
どうにも食えない貴族、筋殻アクマロ。腹に一物抱えていそうな雰囲気もあるものの、乗船許可を出したドウコクは、いつでも処刑できると踏んでいるのだろうか。
アクマロもアクマロで、わざわざドウコクに取り入らねばならない事情があるのか? かなりの実力者のように見えるが、名よりも実を取るタイプか。ドウコクやシタリの陰に隠れていれば、矢面に立たずに好き勝手出来るものなあ。
烈火大斬刀を振り回すシンケンレッド、振り抜いた遠心力のままに一回転し、再びこちらを向いたときには大筒モードになっている一連のシームレスな動きが格好いい! キリガミに押されたテンクウシンケンオーから頭部装甲が外れ落ちる様子は文字通り「兜を脱ぐ」を強制されているようで屈辱……
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
そこに駆けつけたるはシンケンゴールドとダイゴヨウ! 元気が良くて大変よろしい! 秘伝ディスクを無尽蔵に発射できる飛び道具、シンケンマルによる近接戦主体の侍戦隊にあってはなかなか重宝しそうである。岡っ引きイメージのOSに、胸に輝く「侍」の一文字。Mr.ブラウン辺りは涙を流して喜びそう。
— 望戸 (@seamoon15) December 3, 2023
第二十九幕「家出提灯」
シンケン29話見た 「似てる二人は喧嘩する」の巻。売り言葉に買い言葉でゴールド寿司を飛び出していくダイゴヨウと、頭にカッカ来ているせいで素直になれない源太。茉子の仲裁の仕方が堂に入っていて、さすがは幼児教育に携わっていた人間である(ダイゴヨウちゃんは生後一週間)(源太は???)
— 望戸 (@seamoon15) December 10, 2023
大和屋先生のこの手の話を見ると絶対呟きたくなる魔法の言葉、「似てる二人は喧嘩する」。さきの銀魂オンシアター2Dバラガキ篇も大変ようございました……。
歯に衣着せぬ正義の提灯、ダイゴヨウ。だが、その真っすぐすぎる物言いは、時に相手を傷つけてしまうこともある。もちろん忌憚なき意見や相手のためを思う諫言は尊重されるべきであるが、ダイゴヨウにはまだそのあたりの機微がよくわかっていなかったようだ。欠点の指摘とアドバイスは似て非なるものである。
ゴールド寿司を飛び出したダイゴヨウは源太を見返すため、エリート志向の転職活動にいそしむ。が、職歴もなく生後一週間の提灯を雇ってくれる企業はなかなか見つからず、最終的には焼き鳥の屋台にぶら下がっているところを発見されることになる。物陰に隠れた殿がおもむろにショドウフォンを取り出し、源太に「至急焼き鳥を買ってきてほしい」と真顔で電話をするのが何とも言えずよい。仲直りせよとも迎えに行けとも言わない、遠回しな思いやり!
源太の謝罪を受け入れ和解し、またゴールド寿司へ戻って来たダイゴヨウ。ところが今度は逆に、奥歯にものの挟まったような切れ味の悪い態度になってしまった。教えに対して素直なのは良いことであるが、人生勉強はまだまだこれから。がんばれダイゴヨウ、君の照らす未来は明るいぞ。