8月7日 ティラミスとノート
今朝は夢を見ていたような気がするのだが、見ていないような気もする。
歯磨き粉を1本使い切って、新しいものを開封してから初めて歯磨きするとき、絶対力加減を間違えて歯磨き粉が多くなりすぎる。
ま、多少ならいいか、と思ってそのまま歯ブラシを口に入れてしまうのだけれど、まあ案の定辛くて後悔することになる。
耐えがたい。
幼馴染と「美味しいティラミスを食べにいこう!」と言い始めておよそ1年が経ち、漸く今日行くことになった。
なぜ1年経ったのか……?
それは難しい問題である。幼稚園からの付き合いで、彼女と仲が悪くなったことは無いけれど、距離のできた期間はあった。社交辞令で終ってしまう可能性もあったかもしれない、と思う。そうならなくて良かった。わたしにとってたいへん貴重な、気の置けない存在です。
電車に乗り、渋谷の桜丘にある「White Glass Coffee」というお店を目指す。
卒論の話だとか、彼女の妹やわたしの姉の話をしていたら、あっという間に渋谷に到着した。
炎天下の坂道を登っていくと、目的地のそのすぐ手前に「SUBWAY」があった。
それを見てふと、何年かサブウェイを食べたいなぁと思っているんだよねぇ、という話をする。本当である。
そうしたら、彼女もお腹が空いていていると言うので、急遽サブウェイで腹ごしらえをすることにした。お互いに朝ご飯を食べていなかった。
わたしは生ハムとマスカルポーネ、彼女はエビと玉子のサンドを頼んで食べた。夏休みとはいえ平日の午前、広い店内に人はまばらで、のんびり過ごせた。
落ち着いたので、ティラミスを食べに行くことにした。昼からはしごである。少しどうかとは思うけれど、こんな暑い日に散歩を挟む気もしない。
カフェは満席で、番号を発行してしばらく待ってから、席に案内された。
そうして、待望のティラミスに邂逅したのであった!
ティラミスに薄いチョコレートが挟まれている。おいしい。
あまり癖のない味で、ひんやりと甘く、少しだけコーヒーとチョコレートの苦みがあって美味しい。美味しいなぁ。
フォークでチョコレートの板をぱきぱきと割るのも心地よくて、いくらでも食べてしまえそうだ。
ゼミの企画で短歌を作ったから、よければ見てくれないか、と持ち掛けた。
快くOKをくれる。彼女自身が物書きなので、創ったものを見せ合うことは少なくない。
お互いの暗黒時代を握りあっている、とも言う。
「ちょうど昨日、4人が作った歌をひとつのTwitterアカウントに10首あげたんだ」
「それじゃあどれが君のか当てたいな」
そう言って彼女はしばらく液晶を眺めて、まずひとつ選び出す。
それはわたしの歌だった。
2人して笑ってしまう。当てられてうれしい、の笑いである。
「わかるよこれ。『裸足』と『線路』が君の言葉選びだよ」
「わたしの語録にありそうってこと?」
「そうそう」
「へえ。ちなみにあと2つあるよ」
「よし。待ってね」
そうしてまたしばらく画面を見て、彼女はもうひとつ選び出した。
それもわたしの歌だった。すごい。
「『午前3時』の『ヘッドフォン』が君だな~って感じ」
「それはまんまネクライトーキーだけど。そういうもんかぁ」
3つ目の選出には少し悩んでから、ひとつに絞ってくれた。
そして、ど真ん中わたしの歌だった。ストレート。
ここまでくると興奮である。
わたしは最高の友人を持ってしまった!
最高なので、最高な気分のままカフェを出て、次の目的地へ向かう。
浅草蔵前の「カキモリ」という、オーダーノートで有名な文具屋さんである。
表紙や留め具などを選んで、ときめきの一冊を作れるのだという。
しかし、浅草に着いてから、なんと今日が定休日であることに気が付いた。
最悪である。完全にノートのお腹だった。
オーダーノートは逃げないから、とかそういう問題では無いのだ。
浅草の空気はどこか香ばしく、熱気は人力車の声掛けや着物姿の少女たちや外国語で賑わっている。
しょげたわたしたちはとぼとぼ歩き、地元方面の電車に乗り直し、駅ビルのLoftに寄った。Smithも見た。文房具で泣いた心には文房具。
それでも不完全燃焼なものだから、カラオケにも行くことにした。
わたしは1年ぶりほどのカラオケである。
いやカラオケって楽しいな!
歌うのが楽しい。聞くのも楽しい。
曲の間は会話が出来ないけれど、延々と思い出語りと自己紹介をしあっているようなものなので、まぁいいかと思います。
中学生時代に聞いていた曲名を久々に聞いて懐かしさに頭を抱えたり、その曲でデュエットしたり。
なんと、今日は惚気回になってしまいました。
カラオケで解散。健全な1日でした。
夜、眠る前に、朝の夢の中でコンクリートの景色を見たことを思い出した。車の運転をしていたような。