【RECRUIT】日本一サステナブルな浜を目指して。十三浜の未来を一緒につくる人材を募集。
浜人は漁業生産組合であり、「生産」という水産業における川上を握っている点でこれから優位だと思います。代表の阿部勝太の凄いところは、ただ生産するだけでなく、六次化することで商品開発から、ブルーカーボンの取り組みまで、海藻に関わることすべてをやっているところにあります。彼のもとで半分漁師、半分経営という新しい働き方に挑戦できるのは、とても面白いと思います。
漁業生産組合 浜人について
東日本大震災直後の2011年10月に宮城県石巻市・十三浜のワカメ漁師4世帯が立ち上げた。潮の流れが強い十三浜は肉厚で歯ごたえのいいワカメがとれる全国有数の産地。震災による甚大な被害があったものの、協業化・法人化したことでワカメ・コンブを主力商品とした6次産業化に成功。営業にも力を注ぎ、全国のスーパーマーケットなどに販路を拡大。立ち上げ時に5千万円だった売上高は十数年で約10倍に急伸した。現在はさらなる販路拡大を目指して海外輸出に取り組む。浜人を中心とした十三浜地区は環境への配慮にも力を入れており、2022年11月、ワカメ・コンブの養殖業として国内で初めて“養殖のエコラベル”と呼ばれるASC認証を取得した。
浜人代表 阿部勝太
浜人だけじゃなく、十三浜全体を豊かに
震災後に近所の漁師たちが集まって立ち上げた「浜人」で経営全般を任されています。生産・加工の合い間を縫って営業に駆け回った結果、歯ごたえの良さが売りのワカメを主力商品として全国の小売店に販路を拡大することができました。売り上げは設立時の約10倍に伸び、正直言って「これくらいの規模がベストかな」と考えています。ビジネスの規模をもっと大きくすることは可能ですが、恐らく売り上げが10億円、20億円になったとしても、手元に残る利益は今とそれほど変わらないでしょう。それでは疲労が残るばかりで、浜人で一緒に働いているメンバーたちが豊かになっていきません。
震災から10年が経つ頃、私は「十三浜で働く人たちが裕福になること」を今後の目標に設定しました。これまで、浜人という「身内」の売り上げを伸ばすことには力を注いできました。また、フィッシャーマン・ジャパンという団体を作り、日本の水産業全体に変革を起こす努力も続けてきたつもりです。たとえば水産業の担い手育成については一定のモデルケースを築くことができたと思っています。
一方で、自分が生まれ育った十三浜に対して何をしてきたかと問われると、答えに詰まってしまいます。これからは浜人で一緒に働く5世帯の漁師だけでなく、同じ十三浜で働くすべての漁師とその家族たちが豊かになることを目指して進もうと考えています。心身共に豊かになるためには、金銭面だけでなく時間的なゆとりも必要です。そのためには、浜のリソース(資源)を最大限活用してクオリティの高い商品をつくり、それを適正価格で販売することが大切です。また、浜で働く人の数や加工場の数についても、少なすぎず多すぎず、適正な規模を維持する必要があります。
「もう世界しかなかった」
これまでずっと、十三浜のワカメは日本人にこそ食べてもらいたいと思って頑張ってきました。その思いは変わりませんが、浜の人たちを豊かにするには「稼ぐ力」が必要です。そのことを考えた時、やはり海外輸出にチャレンジすべきだと決意しました。
実は、これまで10年以上営業を続けてきた結果、日本の小売市場には少し限界を感じている部分があるんです。
スーパーマーケットを中心とした小売業界では熾烈な価格競争が続いています。丹精込めて高品質のワカメ・コンブを作っても、それを適正な価格で買い取ってくれる小売店はそれほど多くありません。小売店や消費者の意識も変わりつつありますが、状況が一変するには時間がかかるでしょう。それを待っていられる余裕が今の日本の生産者、漁師たちにはありません。
日本のマーケットがそういう状況なので、やはり世界への展開が必要だと考えました。欧米諸国において海藻はそれほどポピュラーな食材ではありません。しかし、それは現時点でのライバルが少ないことも意味します。いったん販路を開拓できれば、私たちの商品を広く流通させるチャンスはあります。
食文化の異なる海外へ私たちのワカメ・コンブをいかに売り込むか、試行錯誤を続けています。最近では、スイスの小売店で、ワカメとウニのペーストを使ったおにぎりを商品棚に並べることができました。海藻はヘルシーさが魅力の一つです。アイデアを練れば海外への道は開けてくると考えています。
もちろん、日本のマーケットに対しても希望を失っているわけではありません。海藻は日本人の食文化に密接に結びついています。おいしいワカメを日本人に食べてもらいたい気持ちはずっと同じです。国内の販路開拓も続けていきますし、むしろ日本のマーケットの状況が改善すればその時には海外輸出を削ることも検討します。
日本一サステナブルな海藻養殖の浜に
もう一つの目標が「十三浜を日本一サステナブルな海藻養殖の浜にすること」です。一時的に利益が上がったとしても、海に悪影響を及ぼしていればその成長は長続きしません。海の環境を守りながら浜として成長していく必要があります。
そのため、私が代表を務める「宮城県漁協北上町十三浜支所青年グループ」では2022年11月、ワカメ・コンブの養殖業としては日本で初めて“養殖のエコラベル”と呼ばれる「ASC認証」を取得しました。環境に負荷を与えない養殖業に徹底して取り組む考えです。国際認証のASCラベルは海外輸出の際にも大きな武器になります。同様の観点から、化学物質に頼らないことを基本とした「有機JAS」の認証を受けるための準備も進めています。
また、海洋植物の光合成によって水中の二酸化炭素を吸収する「ブルーカーボン」の取り組みも始めました。具体的には浜人の養殖場を利用し、ワカメ養殖でどれくらい二酸化炭素を吸収できるのかというデータを集めています。フードロスの問題にも関心を持ち、未利用魚をペットフードとして売り出せないかと検討しています。これらの活動は直接ビジネス上の利益につながるというよりも、海を次世代に継承するために、思いつくことは何でもやるという意識です。
浜を再生するために幅広く活躍してくれる人材
以上が私のビジョンです。十三浜を日本一サステナブルな浜にし、浜で働くすべての人を裕福にする――。このビジョンに共感し、どうやったら実現できるかを一緒に考えてくれる人を募集します。
表現が難しいのですが、特定の職種というよりも、現場(浜)のことをよく知り、十三浜の状態をより良くしていくと同時に、その魅力を外にも伝えていく。そんな仕事になります。午前中は浜でほかの漁師たちに交じって働き、午後は「その他」の仕事というイメージです。要するに、浜人の経営を任されている私と同じような動き方をしてもらうということです。
「その他」に当たる仕事は多岐に渡ります。浜人はあくまで漁師たちの集まりであり、問屋や加工業者ではありません。私たち漁師が自分たちの手ですべてこなしています。海外展開も見据えた営業の強化はもちろん必須ですし、そのためには商品開発にも力を入れる必要があるでしょう。環境問題に取り組むにはさまざまな知識やネットワークを培うことが欠かせません。働きやすい環境を整えることも、とても大事です。休暇制度を充実させたり、住環境を整えたり、必要なことは山積しています。
そうした多種多様なことに私と一緒に取り組んでくれる人を探しています。
とてもハードルを高くしてしまっているようですが、そんなことはありません。私自身、浜人を立ち上げた頃は一から勉強して営業に回りました。失敗も多く経験し、少しずつノウハウを学んできました。海外展開についてもチャレンジするのは今回が初めてで、私自身も素人同然です。一人で挑戦するよりも、誰かと一緒に挑戦できたほうが楽しいだろうと思っています。
今日本では、多くの漁村(浜)が危機に瀕しています。十三浜の取り組みが成功すれば、日本の浜の再生のモデルケースになれると思います。十三浜の未来のため、そして日本の浜の未来のために、一緒に歩んでくれるパートナーを探しています。
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