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若者よ、水産業で楽しく暴れろ!‐SeaEOプロジェクト発起人の松本さんの想い‐

漁獲量の減少、人口不足、DXの遅れなど課題が山積みの水産業。
そんな水産業ですが、石巻では若者たちが自分らしく、生き生きと活躍できる環境が整えられ始めています。

今回はSeaEOプロジェクトを立ち上げたFISHERMAN JAPANの松本裕也さんの価値観や過去の経験から、SeaEOプロジェクトへの想いに迫りたいと思います。

松本裕也
ヤフー株式会社 一般社団法人フィッシャーマン・ジャパン 事務局次長/
一般財団法人まちと人と 理事  

1985年生まれ。石巻で復興支援を行う部署への異動に伴い、家族とともに石巻に転勤し、日本の水産業を「カッコよくて、稼げて、革新的」な新3K産業に変えるべく、Yahoo!と東北の若手漁師とで立ち上げた「フィッシャーマン・ジャパン」の事務局として活動。地元水産加工業者を中心に20社100名超の実践型インターンプログラムのコーディネートや、お金ではなく地域自慢の魚で報酬を支払う副業・兼業サービス「GYOSOMON」をプロデュース。若手経営者とともに、水産業をアップデートすべく奔走中。ヤフー株式会社では「Yahoo!ボランティア」プロジェクトマネージャーも担当。


若者の心が動く瞬間に立ち会った学生時代

‐このnoteは学生の方が多く読まれると思いますが、松本さん自身はどのような学生だったのですか。

大学3年のときに休学し、世界一周をしました。合宿型のボランティアをしながら回っていたのですが、これに参加してよかったのが世界中の幅広い年代の人と共同生活をしながら上下関係なくフラットに語り合えたことです。日本だと相手によって対応を変えたり、上下関係が厳しいということが多いと思うのですが、ここではそういうことはなく、自分にとってすごく安心安全で心地よい環境でした。

世界一周中のインドにて

帰国後は、九州の山の中でボランティアをコーディネートするインターンをしていました。山奥だったので、棚田の岩を組みなおしたり、山の草を刈り続けていたりしていましたね(笑)
この活動で感じたことは自分は若者の心が動く瞬間に立ち会うことがすごく好きだということです。多様な人と共同生活をしながら、そこにある暮らしや産業を見ることで、自分が生きる選択肢や自分にとっての幸せに向き合う機会になるんですよね。話している中で生き方を考え直す人がいたり、お別れのときにみんな泣きながら帰ったりと人の心が動いていることをすごく感じられました。
そこから若者が集まる場所というものを考えるようになりましたね。

日本一過保護なコーディネーターに

‐その後、どのような流れで現在の仕事をするようになったのでしょうか。

世界一周や九州でのインターンの経験から、地域で活動するNPO団体や地域の人たちを幅広く支援できる存在になりたいと思い、NPOの支援活動を積極的に行っているヤフーに新卒で入りました。最初は営業として仕事をしていたのですが、自分が価値を発揮できるのは、より人とのつながりの中でできる仕事だということで、当時東日本大震災の復興支援を行っていた石巻のチームに異動させてもらいました。

そんななか、石巻に来て2年ほどが経ったころ始めたのが水産加工会社でのインターンをコーディネートする事業でした。学生時代のコーディネーターの経験を活かしてやってみると、これはライフワークになっていくかもなと思いました。自分が好きな「若者の心が動く瞬間」というのが本当にたくさんあるんですよね。インターン同士で意見が合わず悩む子や、自分の性格に向き合い悩む子、これからのキャリアについて悩む子など、本当に色んな学生がいます。毎年夏休みや春休みに学生がインターンに来るんですが、期間中特に大切にしているのは、彼らが滞在するシェアハウスで、できるだけ長い時間を共に過ごすことです。インターン先の企業から帰ってきた学生たちと毎晩一緒にご飯を食べて、そこから日付がこえるまで語り合うのは日常茶飯事ですね。とことんインターン生と時間を過ごし、向き合うので日本一「過保護」なコーディネーターを自称しています(笑)

今まで約150名の学生インターンを受け入れてきました

めちゃめちゃ楽しいと思う仕事を広めたい

‐インターンの受け入れをずっとやってきたということですが、なぜSeaEOプロジェクトを始めることになったのでしょうか。

無責任になっちゃうなと思い、今まではあまり学生に「このまちで就職しろよ」とは言ってきませんでした。でもずっと思っていたのは、自分はこのまちで働いていてすごく楽しいということです。めっちゃ楽しいんすよ(笑)水産業で働くのもめっちゃ楽しい。改善すべき点が多い石巻、そして水産業だからこそ自分ができることがあるし、沢山の人を巻き込みながら働くことが出来ます。そして現状が課題だらけだからこそ、良い方向にしか向かなくて、世の中が良い方向に向かうことへ寄与できる仕事なんですよ。
だからこそ、この楽しい仕事をおすすめしたいという気持ちがある反面、若者たちに対して何かを保証できるわけではないし、やっぱり受け皿が整っていないしで、なかなかおすすめ出来ずにいたんですよね。

ですがここ数年で、家業を継ぐべく水産加工会社の息子たちが帰ってきたんです。そんな若くて志の高い彼らとコロナなど危機的な状況を一緒に乗り越えようと新しい取り組みにどんどんチャレンジしていきました。取り組みの中で大失敗したこともありましたが、その良いことも悪いことも含めて共有できたことがすごく大きかったなと思います。

水産加工会社の仲間と企画した「石巻ギョライブスルー」

地域のために、水産業のためにできることを一緒に考え、行動を起こせる水産加工会社の仲間ができたことで、やっと若者たちが楽しく暴れられる環境が整ってきたと感じるようになりました。そこで、スタートさせたのがSeaEOプロジェクトです。

ぜひ一度石巻に!

‐最後に、若者に対するメッセージをお願いします。

都市部の大企業と違って、石巻では職種や年次にとらわれず、幅広い仕事に裁量をもって取り組むことが出来ます。そのため、やりたいことがあればどんどん挑戦できますし、まだ自分がやりたいことがわからなくても、幅広い仕事を経験することで、自分に合うことを探すこともできます。

これらの特徴は、まだまだこれから長い社会人生活が待っている皆さんのファーストキャリアとしてとても良いチョイスになること間違いなしです。
仕事に人生に、悩みごとにはとことん向き合いますので、少しでも気になる方はぜひ一度お話ししましょう!
石巻でお待ちしています!

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