【オーディブル】水車小屋のネネ【感想文】
オーディブルが3ヶ月99円のキャンペーンを実施していたので、登録してみて、いくつか聴いてみたので感想を書きたいと思います。
今回聴いたのはコチラ!
水車小屋のネネ
著者 津村記久子
ナレーター 神崎寿美代
ある姉妹とヨウムのネネを中心に、数十年間の人々の生活の移ろいが描かれた作品です。
ナレーションを担当された方はアナウンサーさんということで、優しい聞き取りやすい声が本の雰囲気にとても合っていました。
前情報は何もなく、オーディブルの人気作品ということでトップ画面に出てきたので、それとなく聴き始めた作品でした。
タイトルにある、「ネネ」という子が中々登場しないなあと思っていたら、水車小屋で働くヨウムでした。
実生活で色々な人に出会うと、中には嫌な人もいて、なんでか嫌な人の記憶ばかりが残ってしまい、人間なんてクソだ、嫌いだ、と思ってしまいがちです。しかし、この作品には本当にたくさん「いい人」が登場します。人間はみんな、大小様々な苦悩に日々さらされて生きている。どうしようもならないこともあるけど、どうにかなることもある。結果がどう転ぼうとも、自分のそばに誰かがいてくれるというのは、案外悪くないことなんじゃないかと、ちょっと感じることができました。
この作品を聴き終わって、私の頭に真っ先に浮かんだのは、私を育ててくれた叔父と叔母でした。両親は健在なのですが、仕事が忙しすぎたため、人間的な部分を育ててくれたのは叔父と叔母です。血のつながりがあってもなくても、自分以外の誰かのことを思い、持てる全てをかけてくれる存在というのは、かけがえのないものだと、思うことができました。
今度帰省したら、叔父と叔母に感謝を伝えよう。
この先私も誰かのことを思いやり、できる限りの力を貸してあげよう。そうして、叔父や叔母にしてもらったことを、この先を生きる人につないでいこう。かなり照れ臭いですが、こんな風に考えさせてくれる、温かさに満ちたよい本でした。
読了感をぶち壊すようですが、最後に一つだけ気になったことを。ペットの鳥のフリーフライトは、予期せぬ事故や逸出、鳥インフルエンザ感染の危険性もありますのでやめましょう、ということは書き添えておきます。