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【オーディブル】本日は大安なり【読書感想文】

今回も、オーディブルのおすすめから適当に選びました。
2012年にはドラマ化された作品のようです。知らなかった。

本日は大安なり
著者 辻村深月
ナレーター 木ノ瀬ちひろ

一言でいうと、いびつで不快なものを、綺麗な包装紙でクルクルっと巻いて、見た目だけ綺麗にしたような作品だ、と思いました。

舞台は老舗ホテルの結婚式場、大安吉日のある日、その結婚式場で式を挙げる4組のカップルと関係者がおりなすそれぞれのドラマが、少しずつ重なりながら展開していきます。

著者の方が意図しているのか、それとも意図せずなのか、ほとんどの登場人物が私にとっては不快な存在で、物語の9割くらい(9.5割くらいかも)が不快な感じで進んでいきます。
登場人物の心理が理解できない、想像しうる範囲の絶妙に嫌な感じの人間…、そんな人たちが多いのです。人間の嫌なところを煮詰めたような。しかしまあ、なんでも上手くいくとされる大安吉日に、晴れ舞台である結婚式に、こんなに難アリな人ばかりが集まったというのは、なんだか面白いと言えるのかも。

最後はクルクルっと表面を綺麗にならしてまとめてしまったような感じで、普通に見ればハッピーエンドのような形です。しかし、登場人物の不快さからなのか、謎の残る推理もののような、真犯人が捕まらなかったサスペンスのような、私の中には言いしれぬ不安感が残るラストでした。

ここまで、人の良い部分にスポットを当てたような作品を続けて聴いていたこともあり、私にとっては中々刺激的な作品でした。
この、ちょっと気持ちの悪い読了感、他の人も感じているのかな〜。自分以外の感想文も読みたくなりました。

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のいまん
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