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もう何も必要ない



ぼくは今までにこう思った事が何度かある。


「何にも要らない。」



これはポジティブにもネガティブにもとれる言葉に聞こえるが、ぼくの場合はとてもネガティブだった。



「この世界にはぼくを満たしてくれるようなものが何一つない。」



これは絶望だった。


怒りでもあった。




この世界はぼくに何も与えてくれないし、ぼくにはどうする事もできないと思った。



ただ、一つだけ可能性があった。




それは、「今ここ」に戻ってくることだった。



もちろん、これさえも不確かでそれで満たされる保証なんてなかった。



それでもそれしか方法がなかった。



それ以外は地獄を経験するしかないように見えたからだ。




そして今、「今ここ」にいる。




それは特にぼくの人生を変えはしなかったが(この先は分からないが)、一つだけ大きなものを変えた。


「わたし」が変わったのだ。



思考・感情を「わたし」だと思っていた時と「今」とでは、広大さが違う。



なぜなら、思考・感情以外にも世界、宇宙は広がっているからだ。



すごく限定的な世界を生きるか、もっとたくさんの感覚を楽しむか。




外の世界がぼくを満たしてくれることは何もない。



しかし、ぼくを超えた「わたし」が既に満たされているなら、世界に期待することはなくなる。



なぜなら、「全ては過ぎゆくもの」だからである。



永遠とはそういうもので、それがぼくの理解であり、体験である。





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セイヤ
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