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PIERROTとわたし 〜ハマった沼を語らせて〜

2023年の企画「ハマった沼を語らせて」
2年ぶりに再び語る機会がやってまいりました。

#ハマった沼を語らせて

前回は、ミュージカル俳優の井上芳雄さんについて語りました。

私はミュージカルオタクである以前に、ヴィジュアル系が好きなバンギャルでもあります。
それゆえ、今は舞台を観に行ったりライブを観に行ったり、とにかく何かを観に行く人生です。

さて、この企画が出る少し前に、約10年ぶりのワンマンライブ2デイズを有明アリーナでやったバンドがいます。
PIERROT(ピエロ)です。
このバンドと、私がハマった経緯や最近のあれこれについて、ここで改めて書いてみようと思います。

PIERROTについて 〜プロフィールと2006年までのこと〜

PIERROTとは

オフィシャルサイトも載せておきます。

今のメンバーとして活動を始めたのは1995年。
結成自体は1994年です。
その辺りの説明は長くなるので割愛。

ボーカル:キリト
ギター:アイジ
ギター、ギターシンセ:潤
ベース:KOHTA
ドラムス:TAKEO

この5人で組まれた、いわゆるヴィジュアル系バンドです。
5人編成のバンドは多いと思いますが、ツインギターのうち、潤はギターシンセも使っています。
個人的に、ここがPIERROTのサウンド面での大きな特徴なんじゃないかなと思っています。
「え?!この音ってギターで出してるの?!」と、ファンになりたての頃、ライブDVDで潤のギターから不思議な音が繰り出される光景を見ては驚きの連続でした。

そして、メンバーの中に兄弟がいます。
キリトが兄、KOHTAが弟。
普通に本名も公開しており、2人をまとめて村田兄弟と呼ぶことも。

ファンの名称も特徴的です。
今どきは「推し」と言うのが一般的ですが、なんかPIERROTで「推し」は違うかなぁと思うので普通に「ファン」と書きます。

PIERROTのファン→ピエラー
キリトのファン→キリター
アイジのファン→アイジャー
潤のファン→ジャー
KOHTAのファン→コーター
TAKEOのファン→タカー

ちなみに、キリトとKOHTAのファンだと村田兄弟のファンなのでムラター、キリトと潤のファンだとキリジャーなどと活用します。
初めて知ったときは「ジャー」が1番印象に残りましたね。
炊飯器……?
と思ったことがあるのは私だけではないはず……w

え、私ですか?
なんだかんだでキリターかなと思ってはいます。
ただ、なんだかんだでみんな好きです。
特に、今はなお。

PIERROTの音楽

90年代はヴィジュアル系全盛期などと呼ばれ、PIERROTもその中にいました。
作曲は主に、キリト、アイジ、潤。
作詞はキリト。
これは私の主観も入りますが……
アイジのポップでキャッチーな曲と、潤のギターシンセが活きた曲に、キリトの歌詞や表現、描く世界観が乗ることによって、PIERROTの楽曲になるのだなぁといった印象です。
そこに、KOHTAの堅実ながらここぞというときに主張するベースと、TAKEOの独特なリズムによるドラム。
TAKEOに関しては、“変態”とも呼ばれるほど変則的なことをやってのけてしまうドラムなので、ここもPIERROTをPIERROTたらしめているのかなと思っています。

解散

この5人でリリースやライブを重ねていきましたが、一時期からソロが始まったりなんだりしまして、2006年に解散。
その時は解散ライブと銘打たれたものもありませんでした。
ここはあまり私がつらつらと書くような内容ではないので、触れるのはこの程度にしておきますね。
真相は本人たちにしか分からないんだもの。

私がPIERROTに出会ったきっかけ

さて、そんなPIERROTと私の出会いは?
ということになるのですが……
実は、そこまで明確に「この時!!!」みたいなものが私にはなかったんです。
というのも、私はPIERROT解散時に中学生。
(歳がバレる)
私がヴィジュアル系を好きになったのは、小6〜中学生頃でした。
本格的に好きになったのは中学生で、その頃くらいから、
流行りの曲より90年代のヴィジュアル系のほうがかっこよくねー???
みたいな、思いっきり厨二こじらせてた私は、かつてのレンタルショップで90年代ヴィジュアル系のCDをむさぼるように借りては聴いていきました。
その中にいたのが、PIERROTだったかと記憶しています。

キリトの描く世界は、多感な時期に触れたからこそ、より惹かれました。
歌メロがしっかりしていて、ポップでキャッチーな曲調があり、THE上手(かみて)ギターな印象のアイジと、潤のシンセギターから放たれる音は、他のバンドになかなか無い魅力だった。
人が叩くには難解なTAKEOの変態ドラムに、一方ではKOHTAのベースがバンドの音を支えている。

私は音源を聴くたびに、ライブDVDを観るたびに、PIERROTが好きになっていきました。
後追いなので音源やDVDを入手するのは中古とかが多かったのですが、私も生でライブに行きたいなぁと、ずっと思っていました。
その当時私が聴いていたバンドの中には、もう活動していないバンドもたくさんいました。
PIERROTは、当時ギリギリ活動していたのだけれど、私は間に合わなかった。
PIERROTの解散に。

PIERROTの解散を受けて

何故だか分からないけれど、今でも覚えているのは、ミュージックステーションの週間ランキングだったかを観ていたときのこと。
PIERROTのラストシングルとなった「HELLO」がランクインしていて、「解散した」みたいな文言が並んでいた瞬間の映像だけは、強烈に覚えています。

私はもうライブを見ることのできないバンドを好きになってしまったのかと、複雑な気持ちでした。
だって、つらいのは、実際にPIERROTと共に生きてきた皆さんで、ライブで同じ時間を共有してきた皆さんのはず。
こんな、音源だけ聴いて映像でしか観たことのないような私が嘆いたところで……
という気持ちがありつつ、メンバーはそれぞれ別のバンドを始めている。
Angeloには、キリト、KOHTA、TAKEO。
LM.Cには、アイジ。
ALvinoには、潤。

私はそこで、Angeloを聴き始め、ライブにも行くようになりました。

Angeloに通い始める

通うといっても、大学生の身だったのでお金の許す範囲で行ってました。
初めて行ったAngeloライブは2010年のツアー。
私の地元、名古屋のライブハウスにて、PIERROTのメンバー5分の3を初めて見ました。
キリトだ!
KOHTAだ!
TAKEOだ!

と、PIERROTではなくとも、Angeloとしての彼らを見ました。
サポートメンバーでギターのTORUxxxさんも参加されていて、みんな「トールちん」と呼んでいましたね。
4人みんなが大好きだなぁって思えるくらい、そこには楽しい空間がありました。

2011年には、私が別で追っていたヴィジュアル系バンドのヴィドールが解散してしまったのですが、なんと、そのヴィドールで活動していたギルがAngeloに加入。
また、D'espairsRayというバンドで活動していたKaryuも加入し、Angeloはツインギターとなります。

私は戸惑いました。
トールちん好きだったし……
ギルも元々大好きだったけど、私は、PIERROTもヴィドールも好きながら、Angeloとして見るのには、何故か抵抗があったんです。
“ヴィドールのギル”が好きすぎたんでしょうね。
周りが受け入れてくれたことは純粋に嬉しかったけど、それに反比例するかのように、私は複雑な感情を抱きました。
メンバーが5人体制になってから最初のツアーに一度行きましたが、そこから私は離れてしまいました。

突然の新宿アルタビジョン2014

私も社会人になり、他のバンドのライブへ行ったり、舞台へ行ったり色々しておりました。
そんな中、Twitterでざわつきが。

PIERROT 2014.04.12 18:00 新宿アルタビジョン

この文字。
4月12日は、PIERROTの解散が発表された日です。

その時アルタビジョンに映し出されたのは、ラストシングルHELLOのMV。
ただ、続きがありました。
最後に倒れたマイクスタンドをキリトが再び掴む。

PIERROTのワンマンライブツーデイズが発表されたのです!!!
あのさぁ……演出が粋すぎませんか???
これ私も今回見返したんですけど、「真っ赤な花」も映っていたね……(PIERROTの曲です)

もう、なんだかいろんな感情が溢れて、当時の発表からライブまでの記憶がありません……。

初めてPIERROTのライブに行く

2014年10月24、25日。
さいたまスーパーアリーナ(玉アリ)にてDICTATORS CIRCUS FINALが開催されました。
私は、一生観られないと思っていたバンドのライブを観ることができるんだと心躍りました。
当時社会人になりたて&遠征だったこともあり、金曜と土曜のうち、私は2日目の土曜のみの参戦となりました。
でも、有難いことに私には同じ境遇の友人がいました。
PIERROTの解散前にライブに行けなかった友人と、一緒に玉アリへ。

1曲目はHEAVEN
嬉しすぎて、思わず隣の友人と目を合わせ手を取り、泣きました。
長いことバンギャやってきましたが、ライブの1曲目から泣いたのはこの時が初めてでした。

私、ピエラーとしてライブに来たんだ!
今までDVDで観てきた振りを今自分がやっているんだ!
そして何より、キリト、アイジ、潤、KOHTA、TAKEOがそこにいるーー
もう、幸せでしかなかったです。

私は、今でも心に留めている大切な言葉があります。
この日のMCでキリトが言った、
今を生きてください
ということ。
過去も大切だし、未来もこれから見ていく先にあるけれど、大切なのは目の前にある、今。

初めてのPIERROTライブながら、思春期の多感な時期にPIERROTに出会った私は、キリトの考え方や姿勢にものすごく影響を受けてきたんだなぁと実感しました。
今でもそう。
というか、それこそ「今」を大切にしているから、そう。

まさかのDIR EN GREYとの対バン 〜丘戦争〜

2014年のライブでは、PIERROTとして特にこれからどうするという具体的な話もなく、みんなそれぞれの活動に戻っていきました。
私はPIERROTの後にまたAngeloに行きたくなり、一度行きましたね。

そして時は2017
これは今でも覚えています。
お正月、日付が変わってあけおめムード真っ只中のところ。
とある発表が舞い込んできました。

PIERROTとDIR EN GREYが横浜アリーナで対バンツーデイズ!!!

何それー!!!
色々な意味で驚きました。
まず、またPIERROTを見られる。
まさか、ディルとの対バン??

私、前述の通り広く浅く90年代のヴィジュアル系を聴いてはいたので、ディルは有名どころしか知らないんです。
ただ、一度ライブ行ってみたいかも……
と、なんとなく思ってはいました。
まさか、PIERROTとの対バンでそれが叶うとは……!

この時も、金曜と土曜のツーデイズ(7月7、8日)だったので私は2日目のみの参戦。
休み取るどころか、仕事が繁忙期で日曜に休日出勤が控えていたので泣く泣く土曜のみにして日帰りです。
でも、一日だけでも行けて嬉しかった!
私の旧ブログにレポを残してあるので、そちらも貼っておきます。

こちらのレポにも書きましたが、私はPIERROTの1曲目、MAD SKYでモニターに映ったキリトのメイクに大興奮しました。
目に十字メイク……!
2014の時やらなかったのに……!!
その時の、自分を含めた周囲のざわめきとか空気感は今でも覚えています。
人生2回目の、「ライブの1曲目で泣く」ということをしました。

PIERROTに「メギドの丘」、ディルに「アクロの丘」という曲がそれぞれあり、サブタイトルにもなったように、この対バンは「丘戦争」とも呼ばれました。
というか丘戦争としか呼んでなかったな……w
ライブの後、あまりにもふわふわしすぎて横アリから駅へ向かう道のポールに当たりそうになり、一緒に行ってくれた虜(ディルのファン)の友人に心配されたのも良い思い出です。
ライブ後はみんな「丘ロス」になってたね。

あと、私はBUCK-TICKも好きなので改めて特筆したいのですが……
BUCK-TICKのマニピュレーターである横山和俊さん(横ちゃん)は、私がBUCK-TICKを好きになったきっかけとなったお方でして。
一時期からAngeloのマニピュレーターも務めていました。
ここでも繋がったなぁとしみじみ。
その流れだと思うのですが、丘戦争ではPIERROTの入場SEを横ちゃんが手掛けたのです!!
というか、私は会場で聴いていて
「なんか横ちゃんっぽいんだよな〜」
と友人にも話していたところに、横ちゃんから後日、担当しましたと発表が。
横山和俊さんブログ該当記事はこちら。

色々すごくない???
あと、帰りにBUCK-TICKスタッフさんがフライヤー配ってたのも面白くて嬉しかったです。

丘戦争の後も、私はメンバーの「今」を追いたくて、Angeloのライブに一度行きました。
Angeloに行ったのは、なんだかんだキリターだし、横ちゃんもアルバム参加してたし、という理由です。
前のAngelo以上に、この時は心から楽しめた思い出があります。
ビンタの思い出が強いレポも書いていたので貼っておきます。


対バン再び、からの10年ぶりとなるワンマンライブ発表

その後も普通に「今」を生きてきた私ですが、2024年10月11、12日に、代々木で再びPIERROTとディルの対バンが決定
こちらはサブタイトルから「月戦争」とも呼ばれました。

私は諸事情があり行けませんでしたが、SNSで目にしたキリトのMCを見て、やっぱりこの時代にもこの人は必要だなぁなんて思いました。
実際に起きている戦争とは違って、ここでディルと本気でやり合う。
今もなお第一線で活動しているディルへの尊敬と感謝
詳しくはBARKSのレポをご覧くださいまし。

そう、2日目にさらなる事件が起きました。

2025年2月8、9日。
PIERROTのワンマンが有明アリーナにて決定!!!
2014年に一緒にライブへ行った友人が即LINEをくれました。
行こう!!!と。

しかも、発表の仕方が最高じゃないですか?
Webでドーン!とかじゃなくて、ライブの会場でキリトの口から発表されて、メンバーもファンもそこにいる。
これについてはキリトも言ってたけど、ディルと虜の皆さんにも感謝ですよね。
また、キリトが「待たせたね」って優しく言ってくれたところも、なんて平和なんだろうかと……。

そして2月、私は無事にPIERROTのワンマンライブに2日間とも行くことができました。
そちらの感想はレポを参照。

ちなみに、日帰りできるけど友人と一緒に宿を取り、ライブ後のテンションとほろ酔い状態で宿まで歩いていたら、反対方向へずっと歩いていたことが判明。
丘戦争後のポールぶつかり未遂といい、PIERROTのライブ観た後は気をつけましょうね、自分よ。

今年も続くPIERROTの活動

有明のレポにも書きましたが、ツーデイズの初日に「次の約束」が発表になりました。
5月17、18日にKアリーナ横浜にてツーデイズのワンマンライブ
びっくりしたし、メンバーみんなが楽しんでやってくれているんだなぁという事実そのものが嬉しいです。
きっと、解散しないままだったら今はなかったはず。
おかげで私はPIERROT以外の予定を立て直したり予算をそちらに回したりと忙しいですが笑、これも幸せなことです。
「LASTCIRCUS」というタイトルがまた意味深で、サブタイのFINALEHELLOも気になりますが……
元々気まぐれなバンドなので、みんなが幸せな気持ちになれて、またやりたいと思ってくれた時にやってもらえたらいいのかなと、個人的に思います。
みんな、それぞれの「今」があるし、ね。

総括

とてつもなく長くなりましたが、PIERROTについて、私の思いについて語らせていただきました。
「ハマった沼を語らせて」というのが今回の企画ですが、正直、これでもだいぶ削りました。

PIERROTって、守ってくれる場所だと私は思っているんですね。
あまり深くご存知ない方からすると、揃った振りが宗教的だとか、ヴィジュアル系だから暗いとか、キリトがどうのこうの……とか色々な印象を持たれますけども。
実は、PIERROTの曲って、明るいんです。
アイジや潤のポップセンスもそうだし、キリトは絶望の先にある希望を歌っている。

もっと評価されるべき音楽性

そして、私が声を大にして言いたいのは、
PIERROTの歌メロってすごく綺麗じゃないですか?
ということ。
泣きメロが美しいんです。
変態的なリズムや、摩訶不思議なシンセギターの音に、綺麗なメロディーが乗っている。
これって、すごいことだと思うんですよ。
しかも、それって意識しないと気づかないんです。
ということは、この5人の音って、奇跡的に組み合わさって化学反応を起こしているわけなんです。
先日の有明ライブ後、特にキリトやアイジの口からPIERROTのバンドマジックの凄さについて語られているのを聞いて、胸が熱くなりました。
そう、まさにバンドマジックが起きているんですよね。

だって、それって、一度メンバーがPIERROTから離れる=解散ということがなければ、おそらく気づけなかったことだったと思うんです。
離れてから気づく尊さ。
だから、過去ばかりを見るんじゃなくて、未来に下手な約束をするのでもなくて、今を生きていく
私は、PIERROTというバンドから、そんなことを教わりました。

以上、長文にお付き合いいただきありがとうございました。
気になったらぜひ聴いてみてください。
サブスクも昨年解禁されましたので!

5月の「次の約束」を、楽しみにしています。

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立花のこ
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