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「気候不安」に心かき乱される米国人、子を持たない選択も

2100年には、地球の温度は4度上がる。「あれ、地球の寿命って2100年でよかったんでしたっけ?」私たちが、地球を助けられる最後の世代。今の子どもたちが食料不足。制約経済の中で生きなくてもよくなるように。。今、の私たちにかかっている。

「気候不安」に心かき乱される米国人、子を持たない選択も

2019年12月1日 11:32AFPBB News
【AFP】氷河の融解が進む北極圏の人々は従来の生活様式を守ろうと急ぎ、海面上昇に直面する太平洋の住民たちは警鐘を鳴らす。一方、米ロードアイランド州のケイト・シャピラ(Kate Schapira)さん(40)夫婦は、子どもを持たないつもりでいる。

 気候変動への懸念をめぐって世界中でさまざまな対応が取られる中、米国で連鎖反応を引き起こしているのは、プラスチック製品から社会階層に基づく環境格差まで、あらゆる物事に対してひたすら募る不安だ。

 米ブラウン大学(Brown University)英文学科で上級講師を務めるシャピラさんは、さまざまな方法でこの不安に対処しようとしている。子どもを持たないという決断は、悪化する環境に置かれるわが子の将来を案じるからだけではない。それは「世界に対する自分の責任感を、人間1人ぶんの大きさに矮小(わいしょう)化したくないから」だという。

 2014年、シャピラさんは地元プロビデンス(Providence)で開かれる農業市などの公共の場で、「気候不安」についての相談ブースを出し始めた。スヌーピー(Snoopy)で有名な米漫画「ピーナッツ(Peanuts)」に登場するルーシー(Lucy)の「心の相談室」のようなものだ。

「気候変動に関する悩み事のカウンセリング、1回5セント(約5円)。中に医師がいます」と貼り紙をして、通りがかる人たちの不安を聞く。そして、不安を抱えているのが自分だけではないことを知った。

■拡散する不安

 今年3~4月に米エール大学(Yale University)とジョージ・メイソン大学(George Mason University)が行った調査では、米国人の60%が地球温暖化を「やや心配だ」と答え、23%が「非常に心配だ」と回答した。

 エール大学気候変動コミュニケーションプログラム(Yale Program on Climate Change Communication)のアンソニー・ライザロウィッツ(Anthony Leiserowitz)氏によると、気候変動への態度によって米国人は6つに分類されるが、気候問題を気に懸けるのは「上~中流の白人で高学歴のリベラル派」だとのステレオタイプは当てはまらない。

 6分類のうち唯一、人種や階級、学歴、政治信条などが共通しているのは「気候変動否定派」だけで、「高学歴の保守的な白人男性」が大多数を占めるという。言うまでもなく、この層は米ホワイトハウス(White House)を支配し、米議会の半数を占め、化石燃料業界など多くの米トップ企業を経営する層と重なる。

■気候不安は「誰もが」抱える

 気候変動が心の健康に及ぼす影響を15年間研究している首都ワシントンの精神科医、リーセ・ファン・スステレン(Lise Van Susteren)氏によれば、潜在的な危険を認めようとしない態度は「自分も弱い人間だという事実を否定したい人々」によくみられる。「今や誰もが気候変動に対する何らかの不安を抱いていると、ためらいなく断言できる」とスステレン氏は言う。

 米国心理学会(APA)と気候変動対策推進団体「エコアメリカ(ecoAmerica)」は2017年の報告で、気候変動に対する心理的反応として「問題回避や運命論、恐怖、無力感、諦めなどが広がっている」と指摘した。同時に、ぜんそくやアレルギーなど身体的な影響も多数報告されているという。

 今年5月にワシントンのナショナル・モール(National Mall)で環境不安に対処するカウンセリングセッションを主催したデビー・チャン(Debbie Chang)さん(43)も、子どもを持たない決心をした一人だ。ごみゼロ運動を実践しており、使い捨てのプラスチック製フォークの代わりにマイ箸を、紙ナプキンの代わりにハンカチを、ハンドバッグに入れて持ち歩いている。外食時には食べ残しを持ち帰れるようステンレス製の容器を持っていく。

 少し前までは「気候不安や気候悲観、気候絶望、気候カウンセリング」といった情報を見つけるのは難しかったとチャンさん。だが、今は「より多くの人々が、それを問題だと気付き始めている」と語った。【翻訳編集】AFPBB News

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