《32》造園業の事例(㈱髙木農園)~「通常業務」で貢献~
業界別のSDGs事例紹介。
今回ご紹介するのは造園業。
滋賀県彦根市に本店を置く㈱髙木農園です。
同社は「人と緑を技術でつなぐ」を経営理念とし、造園の知恵と知識と技術を「人づくり・庭造り・街創り」に生かし、豊かな生活空間づく
りを進めていくとともに、環境保全への貢献を目指しています。
まず、同社は2006年に「エコアクション21(※)」を滋賀県の造園会社として初めて取得し、太陽光のフル活用による事務所内の節電や休憩時間の消灯、冷暖房の温度管理を始めとして、
車両や重機の燃費向上、ゴミなど廃棄物の削減や節水に社員全員が取り組んでいます(ゴール6)。
そして、業務において排出した剪定(せんてい)枝葉などを焼却処分せずに、大型の粉砕機で細断してリサイクル堆肥(たいひ)を生成し、地域の人々に無料で提供しています。
これにより、焼却時に生ずる二酸化炭素を削減するとともに、持続可能な循環型リサイクル堆肥を生成し、新たな植物の成長を促しています(ゴール
12)。
また、幹周ごとに定められた「年間CO2固定量算定式」を基にして植栽した樹木の二酸化炭素吸収量を算出・記録し、社員の環境への負荷軽減への意識を高めるとともに、
より多くの樹木を植栽できるよう、魅力的な緑の空間づくりをお客さんに提案されています(ゴール13、15)。
さらに、彦根市子どもセンター、彦根市立ふれあいの館、荒神山自然の家の指定管理者として、子育て相談や子ども向けイベントを開催したり、
荒神山の大自然のなかで青少年が健全に成長できる環境づくりに取り組まれています(ゴール4)。
SDGsを学び、その視点で業務を整理できるようになると、自分たちでは「通常業務」と思っていることが、「こんなことに貢献していたんだ」と気付くことができます。
特に造園などの伝統技術の継承は、「自社ならでは」のSDGsアクションとなるため、ぜひ一度SDGsの視点で自社の業務を見直してみてください。
(※注釈)エコアクション21・・・環境省が策定した日本独自の環境マネジメントシステム。一般に、「PDCAサイクル」と呼ばれるパフォーマンスを継続的に改善する手法を基礎として、組織や事業者などが環境への取り組みを自主的に行うための方法を定めている。