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Vol.58「それは意図してなかった」(「食卓映画」の舞台裏)。

大抵の映画は、1度見ればそれっきりなのですが、繰り返して観ると気づくこともありまして…。

それは先日{2024年9月8日(日)}、『イオンシネマ草津でスタートした「トークショー付き上映会 ” シネマトーク “ 」』の、記念すべき第1回『白石晃士監督&田坂公章プロデューサーによる舞台挨拶付きの、映画「サユリ(注1)」上映会』に足を運んだ時の話。

映画「サユリ」は既に一度観ていて{その時の感想は コチラ(Vol.56「食卓映画」)をご覧ください}、今回はリピート鑑賞だったのですが、改めての鑑賞で気づいたのは、主人公一家の食卓に上る お料理がどれもこれも ” 茶色い料理 ” だという事。
「引っ越しそば」から始まり、「鍋料理」、「煮物」と、どれも色味が乏しい、茶色いお料理の数々。

前回の鑑賞で自分なりに「 ” 食卓 ” が重要な映画」と解釈していた事もあり、トークイベント後のサイン会にて白石監督に
「主人公一家の食卓に上る お料理が ” 茶色い料理 ” ばかりなのは、なにか演出意図があるのですか?」
…と、思い切って聞いてみれば、
用意してもらった料理が、たまたま ” 茶色い料理 ” ばかりだった』
『おいしそうに撮ろうとしたけど、不味そうに撮れてしまった』
…というご回答。
真正面のご回答に礼をしつつ、
「これが、クリエーターのインタビューで時おり見かける ” そこは意図してなかったんだよ ” というパターンか!」
…と思ったのでした。

その後、田坂プロデューサーからサインを頂く際に、
『私は田坂さんが手掛けられた、映画「志乃ちゃんは自分の名前が言えない(注2)」に救われました。ありがとうございました。』
…と、お礼を伝えることもできて大満足だったのですが、心残りが一つありまして、それは ” とあるスタッフ ” に声をかけそびれた事。

その ” とあるスタッフ ” を見かけた際、
「{以前 コチラ(Vol.8 その階段は知ってる!)でも取り上げた}映画『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(注3)』で ” 赤い女 ” を演じた役者さんに似ているなぁ…」
…と思ったものの、
「でも話しかけて別人だったら恥ずかしいし…」
…と考えて、声をかけなかったのですが、やはり ” 赤い女 ” を演じられた南條琴美さん ご本人だった様で、こればっかりは自分の逡巡に「喝っ!」の一言。
(ちなみにその日は、「サユリ」上映前の『「戦慄怪奇ワールド コワすぎ!」のリバイバル上映』もリピート鑑賞したばっかりだったので、心残りもひとしお…)

では、今週の締めの吃音短歌(注4)

サイレント 会釈になった 挨拶で 想いは君に 届きましたか?

※会釈しながら挨拶するつもりが、思うタイミングで声が出なくて「サイレント会釈」になることがよくあります。

【注釈】

注1)映画「サユリ」

押切蓮介さんによる同名コミックの実写映画化作品。
あらすじは…
『中学生の神木則雄は、両親、姉、弟、そして祖父母と共に、とある一軒家に引っ越してくる。しかし、その家は邪悪な ” 何か ” が憑いている家だったのだ…』
…というもの。
なお本作は、「性加害(性被害)を想起させるシーン」があるので、そういったシーンを避けている方は注意が必要。

※下記は予告編です。


注2)映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』

押見修造による同名コミックの実写映画化作品。
” スムーズな発話ができない、高校一年生の大島志乃 ” と、同級生で ” 音楽好きにもかかわらず音痴な岡崎加代 ” の出会いと交流を描いた青春映画。
※なお、『「 ” 症状を持つゆえの特有の問題 ” と捉えてほしくない」という原作者の意向』により、大島志乃の発話障害について「吃音」(もしくは「どもり」)と呼ばれたり、指摘されるセリフは無い。

下記は予告編です。


注3)映画『戦慄怪奇ワールド コワすぎ!』

「戦慄怪奇ファイル コワすぎ!」シリーズの8年ぶりとなる作品。
あらすじは…
『 ” バズる動画 ” を配信するために、とある廃墟に侵入した男女三人組が目撃したのは、謎の赤い女だった。
さらなる衝撃映像を求めて、廃墟へ向かう怪奇系ドキュメンタリー班だったが…』
…というもの。
なお本作は、「性加害(性被害)を想起させるシーン」があるので、そういったシーンを避けている方は注意が必要。

下記は予告編です。


注4)吃音短歌

筆者のハンディキャップでもある、吃音{きつおん}(注5)を題材にして詠んだ短歌。
この中では『「吃音」「どもり」の単語は使用しない』という自分ルールを適用中。

注5)吃音(きつおん)

かつては「吃り(どもり)」とも呼ばれた発話障害の一種。症状としては連発、伸発、難発があり、日本国内では人口の1%程度が吃音とのこと。

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