Vol.61 田坂守さんにエールを!
気づけば追いかけている「シリーズもの映画」というものがありまして。
例えば「ベイビーわるきゅーれ」がそれです。
どのような作品かといいますと…
1作目『ベイビーわるきゅーれ』
殺し屋協会の若きクルーである杉本ちさと と 深川まひろ は、高校卒業を機に、住み慣れた協会の寮から、協会が指定する鶯谷のアパートへ転居し、一般市民に紛れる為の ” 表向きのバイト ” に就こうとするものの、なかなかうまくいかない。
一方その頃、ヤクザの浜岡一家は事業拡大の為、メイドカフェ経営を視野に入れるのだが…
※下記は予告編です(約1分半)。
2作目『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』
振り込みの為に訪れた銀行で、銀行強盗相手に大立ち回りをしたことで、殺し屋協会から謹慎処分を受けてしまった、ちさと と まひろ。
一方その頃、殺し屋協会の下請けに甘んじている、ゆうり と まこと の神村兄弟は、自分たちが殺し屋協会に加入するための空きを作る為、ちさと と まひろ を排除すべく動き出すのだった…
※下記は予告編です(約1分半)。
3作目『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
出張任務で宮崎県に訪れた、ちさと と まひろ。
出張最後のミッションで遭遇したのは、一足先に自分たちのターゲットへ銃口を向ける、殺し屋協会に所属していない野良の殺し屋 冬村かえで だった…
※下記は予告編です(約1分半)。
(更に言えば連続TVドラマ版「ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!」もあります…放送エリア外在住の私は見ていませんが…)
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どの作品も、「どこか ” 主人公たちと鏡像関係に見える相手 ” とのバトル」がクライマックスになっていて そこが一番の見どころなのですが、それ以外にも ちさと と まひろ が交わす、すっとぼけたテンポの会話や、ゆるい日常描写も魅力的!
そして、主人公の二人以外も魅力的なレギュラーキャラクターが揃っていて、特に印象に残るのが殺し屋協会の始末屋である田坂守(通称「田坂さん」)。
1作目では、ちさとに対してメジャーでシャカシャカ音立てながら『「 ” 後始末に手間がかかる殺し方 ” に対する苦情」を言う場面』のみの登場で、いわば『「若者が大人社会に参入する際に味わう、手痛い洗礼の一つ」としての役割』だったのですが、とても印象深かったせいかBlu-rayの特典映像で、さっそく『田坂守の一日』というスピンオフドラマが作られる程の厚遇ぶり!
結果、2作目、3作目では「ちさと と まひろ に近い人」という色合いが強くなり、シリーズに欠かせない役どころになりました。
正直、「しがない会社員」をしている身からすると、主人公二人が華々しく活躍している陰で、黙々と働いているであろう田坂さんには、「そうだ!そうだ!我々みたいな縁の下の力持ちがいるから世の中回っているんだぞ!」といった感じの親近感を覚える瞬間もあります。
どうやら、このシリーズは3作目でフィナーレになりそうな気配ですが、ちさと と まひろ はもちろん、田坂さんの活躍も、もう少し見たいですね!
では、今週の吃音短歌(注1)を
夢を見る 「ふつう」にしゃべる その時を でも、その時に なにをしゃべるか?
※「ベイビーわるきゅーれ」の1作目で、まひろは「ふつう」に溶け込んだり、擬態したりするために七転八倒する訳ですが…私も『吃音無しで「ふつう」に喋れたところで、案外 周りに溶け込むような会話はできないのでは?』と思ったりもします。
【注釈】
注1)吃音短歌
筆者のハンディキャップでもある、吃音{きつおん}(注2)を題材にして詠んだ短歌。
この中では『「吃音」「どもり」の単語は使用しない』という自分ルールを適用中。
注2)吃音(きつおん)
かつては「吃り(どもり)」とも呼ばれた発話障害の一種。症状としては連発、伸発、難発があり、日本国内では人口の1%程度が吃音とのこと。