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次の世代へと

 伯備線を走る特急やくもに新型の車両が導入されるのだとか。
 そうした話題は常々のトレンドに上がっておりますが、このほど新型車両が完成し伯備線内でのハンドル訓練、そして関西への来阪で展示会…など、大きな話題を呼んだ存在でございます。
 かくいう自分も、381系にはなんやかんやで育てられた1人でございますので、岡山方面にはこの列車の為だけに用事を作って参戦。
 そして、そうした381系やくもを追跡している中で、大きな出来事が舞い込んできたのでした。

 特急やくもの運転開始50周年を記念し、381系の1編成が国鉄特急塗装に。
 この発表は嬉しいものでして、友人の車に乗車して沿線撮影を敢行するものでもありました。
 381系は福知山車が晩年に山陰本線の特急/きのさきに就業し最寄りを走行していたのでこの復活国鉄色には感動したものです。
 もうこの、堂々とした特急。日本らしい光景。
 往年のL特急を語るには相応しいものではないでしょうか。
 しかし、この50周年のサプライズは思わぬ方向に向かっていくのでした。
「もう1編成、復刻しましょうか…?」
そうしたメッセージが突如、山陰観光協会さんから発表されるのでした。
 と、実際に復活したもう1本の特急/やくもの姿がこちら。こちらも懐かしさを覚える方が確実に居る事かと思われます。

 そう、スーパーやくも。この復活も、また見事なものでした。速達列車として停車駅を差別化し、専用の列車となった『やくも』。その姿が、この『スーパーやくも』でした。
 専用特急に相応しく、愛称幕も専用のモノを完備。そして、陰陽連絡の架け橋として平成18年に愛称を『やくも』に統一するまでの期間活躍したのでした。
 写真の顔は、岡山方を向いて走行する通称『電気釜』のスタイル。反対側は通称・グリーン車を併結した『パノクロ』のスタイルです。この『パノクロ』に関しても…?

 しっかりとこのように。
 平成11年に生まれた自分…ではありますが、このスタイルはしっかり記憶しております。
 そう。このパノラマ顔こそが『スーパーやくも』なんですよね。
 先ほどの『パノクロ』という言葉。その語源は、このパノラマ顔とグリーン車を表す等級である『クロ』を掛け合わせたものです。
 しっかりと当時の再現までされた姿は、息を呑んでしまうほどのクオリティ。
 ちなみにこちら側も…

 見辛い中ではありますが、LED表示の中にもしっかりと『スーパーやくも』の列車名が復活です。
 …全く分からないのが辛いんですが。ええ。
 そして実は、この他にももう1編成が追加。その姿がこちらになります。

 国鉄色→スーパーやくもの流れが余程好評だったのでしょうか。もう1本が増えまして。
 それがこの通称・緑やくも…と呼ばれるスタイルの緑色の編成です。この編成も何かと記憶はしています。図鑑とかだけの世界ではありますが。
 この緑やくもの塗装の登場は、やくもの差別化に伴って登場したモノでした。
 速達性を重視せず、停車駅の変更を実施しなかった『やくも』に関してはこの緑塗装となり、後車両更新による現行塗装の登場、つまり『ゆったりやくも』の登場で消滅していきました。
 今回はこちらも久しぶりの復活。
 …現行やくも。通称『ゆったり色』に関しては冒頭に掲載致しましたので、ここからは後継となった新型車両をようやく掲載していきます。

 令和6年4月6日以降から営業に就業し、順次381系を置き換えていく存在の車両となる新型やくも…273系です。
 この車両、381系派の鉄道ファンからは散々な酷評ぶりで、その言葉は目を当てる事が出来ないのですが実はこの車両、撮影ではなく乗車に於いては大きな変化を見せているのでした。
 んで写真の撮影場所。実はこの写真を撮影したのは伯備線沿線でも、山陽本線の沿線でもないのです。
 実はこの写真を撮影したのは、あの大阪駅。2月下旬、関西地区に山陰観光を拡めるべく?でしょうか。来阪したイベントがありまして。その際の撮影となります。

 大阪駅に来阪した数少ない証拠…にはなるでしょうか。出雲市から伯耆大山までの間を山陰本線として走行はしますが、走る場所が互いに異なってくるので共演はしない山陰特急同士の共演。
 白い車両は287系と言いまして、写真では偶然にも新大阪⇄福知山方面を走行する特急『こうのとり』に充当された際の様子です。
 こうした姿を拝めるのも、来阪展示会ならでは。

 大阪駅への来阪となりましたらば、こうした共演も起きるわけです。
 京都に向かう智頭急行の特急、スーパーはくととの共演。スーパーはくとも鳥取⇄倉吉で山陰本線を走行しますが、もちろん出雲方面には行かないので『やくも』との共演は起きません。
 こうした共演を、この日は撮影できました。
 さて、今回は全く展示会に関して
「車両を撮れたら良いか」
程度にしか考えていなかったので、中に入ったりイベントに参加する…などは全く考えていませんでした。
 しかし,一部ではありましたが車内の撮影に成功したので掲載。

 車両の座席。
 通常指定席として今後は運用されていく部分になるでしょうが、車内は明るくこれまでの国鉄形車両とは異なった清涼感を感じます。
 そして車両のデザインに関して、何か既視感を感じた次第。
 そう。この車両…273系をデザインし担当したのは、人気寝台特急のWEST EXPRESS銀河のデザインに携わった川西康之先生なのです。どうりで既視感を感じるわけだ。
 そして、列車の編成を観察しているとこうしたものを発見。これがまた面白いのです。

 何かサロンのような…?区画を発見しました。
 実はコレが、273系の強み。団体旅行、大勢の旅行に対応した設計になっており、しかもコレを指定席券で利用できるのです。
 しかもこの座席、倒してフラットな設計に変化するのだから面白すぎる。
 ある意味、地元客や出張客ではなく観光意識にシフトした状態にはなりましたが、特急やくもの電化後初の後継車両。その初陣と旅路が楽しみになります。

 写真は再び戻して、381系。
 従来までの国鉄スタイルが消えてしまうのはある意味悲しい出来事ですが、今後は岡山からの乗車が楽しみになる…そうした車両の登場を思うと、今回はある意味許容できるような気持ちになります。

 すぐそこに控える世代の交代。
 今後のJR西日本と伯備線が楽しみになる、そんな車両と渋い国鉄特急の現状なのでした。
 まだ6月まで(令和6年)までは間に合うそうなので、是非行ってみてください。
 ではこれで。

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