【体験型学習】池作り活動_Vol.2 ~体験から導かれるもの~
雨がしばらく続いていたゴールデンウィーク明けでしたが、やっと晴天になった5月16日に池作り活動の第二弾を開催しました。
学校終わりの放課後で疲れもあったかもしれませんが、保護者の皆さんの声を聞くと
「今日は池作りの日なんだ〜!」と朝から楽しみにしていた子どもたちが話してくれていたとか、、、!!
一つの体験から放課後の楽しみが生まれることは嬉しい限りです。
第一弾で池枠の設置は完了しましたが、
第二弾の目標は、
・池にポンプを設置すること
・池の周りをデザインすること
でした。
■ポンプ設置から広がる世界
まずは、水を運ぶ導線づくりから。
「ポンプを設置する」ということだけを考えると、水場から池まで水を運び、池の中にポンプを置いて電気を通せばOK!
となりそうですが、、、協力してくださっている九州造園の藤田さんからポンプ設置するにあたり、自然と一体化するためのコツのお話が、、。
「借景と言ってね、山から水が流れてくるように、自然の景色を借りてみよう」
「なにそれ?大人の言葉じゃわからないよ」とはじめははてなマークが浮かんでいた子どもたちですが、ホースを土の中に埋めて見えないようし工夫を凝らしたり、水が出てくる位置を調整したり、活動をしている中で「自然の景色を借りる」とはどういうことなのかを体感で感じ取っていきました。
水が出てくるホースの位置を考えながら、
「どうやって石を積んだら理想の高さになるだろう?」
「土で高さを調節してみる?」と自分たちで考えて理想の池に一歩近づけていきました。
■初めてのモルタルづくりから広がる世界
子どもたちにとっては人生初のモルタルづくり。
セメントと海砂を混ぜるところから始まります。
「海砂って海にある砂のこと?海砂があったら、川砂とか山の砂もあるね、、!」
「海砂と山砂では何が違うんだろう・・? 砂と意思の違いって何?」
と子どもたちは海砂を触りながら好奇心と疑問が広がっていきます。
公園にある砂を思い浮かべて、公園の砂の中には貝殻が混ざってるから、海の砂かな!という子どもたち。
日常の中に学びがたくさんあることを子どもたちの発言から大人も学んでいきます。
藤田さんがモルタルの作り方を子どもたちに説明して実践。
藤田さんが「セメントと海砂を1:1で混ぜてね」
と言うと、
「1:1ってどれくらい?バケツにどれくらい入れたらいいかな?」
1:1入れた時に、モルタルの硬さはどれくらいになるのか。
比と比の利用は、学習指導要領によると小学6年の算数にあたるものですが、モルタルづくりという体験活動の中で子どもたちは学んでいきます。
自分たちで作ったモルタルでいよいよ池の周りをデザイン。
突然ですが、皆さんは「左官」という言葉を聞いたことはありますか?
左官職人の方は普段どんなお仕事をされているでしょうか。日常に溶け込んでいる壁のデザインは左官職人の方々の技術の結晶です。
近年はDIYが流行してきたからこそ、実際にやってみたことがある人もいるかもしれませんが、左官仕事を身近に感じる瞬間はまだまだ少ないように感じます。
子どもたちに目を向けると・・・。
はじめて使うコテに悪戦苦闘しながらも、
平らに綺麗にモルタルを塗りたい!
と頑張るこどもの姿も!
このような体験を通して、子どもたちの興味関心は広がっていき、
「やってみたい!」という気持ちが増していくのかもしれません。
■子どもの「やりたい!」という気持ちを止めない
同じ作業をしていても、一人ひとり興味関心は異なり、見ている世界も異なります。
今回は、九州造園の藤田さんの協力もあり、工具も職人さんが使う本物を使わせていただくことができました。
本物だからこそ、こどもにとっては使ったこともないし、扱いづらいものも少なくありません。
「危ないからという理由のみで、危険なものを排除する、とりあげる」のではなく、大人が背後から見守り、「やりたい!」という気持ちを尊重する。
実際にやってみて「できた!」という成功体験は子ども一人ひとりの自己効力感を高め、
反対に、「うまくいかなかった」という失敗体験も「次はどうやったらうまくいくかな?」と一緒に考えるきっかけになります。
■体験から導かれるもの
こどもたちは、「体験」というきっかけから自らの探究心に導かれて、たくさんのチャレンジと新たな気付き、発見を繰り返していきます。
私たち大人は、子どもたちが最適に学ぶことができるように、
どんな環境づくりやかかわりができるでしょうか。
池作りの体験型学習から、共に活動する大人も、こどもと共に学ぶこと、こどもから学ぶことがたくさんあることを私達自身も改めてまなぶ機会となりました。
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次回の活動は、
完成した池の中で暮らす「生き物探し」です♪