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流行って追うんだ、って驚いた話。



先日、とある、初めてお会いする方に、仕事のことを聞かれたので、
『ジュエリーのデザインをして、ECで販売してます』とお伝えしたところ、
『じゃあ、流行を追うお仕事ですね!』と力強く言われ、
あまりの(私的には)見当違いな反応に面食らってしまった。


私:『いえ、全く追ってません。』
その方:『え?流行は追わないといけないですよね?』
私:『いえ、私は追ってないし、必ずしも追う必要は無いと思います。』
その方:『でも、追わないと売れないですよね?』
私:『なんでですか???』
その方:『これからは若者の時代なんですよ。
彼らの好みを追わないと取り残されますよね。
僕はもう10年も前から若者の意見は大事だと思ってるんです。』



  ・・・



もう、久々にこんなに徹底的にかみ合わないヒトが居た、と思って
どうしようかちょっと迷ったのですが、
これも何かのご縁だと思い、もうちょっと
彼の言い分を聞くことにしました。


彼(ちなみに私と同年代)曰く、
若者(彼の定義では20代前半)の視点というのはいつも鋭く、
これからの時代を担う人たちの視点を追うことで、
彼自身も同時に時代に先んじている(!?)ということを言っていて。

彼の主張内容は、
流行を追う側、と自分自身を定義している、
そして、二回り下の若い方々の視点から学びたい、
何かを売るためには流行を追わなければいけない。
みたいに理解した私。

しかも、彼は、若者(改めてw彼的には20代前半)の
流行を追う意識がある、という彼自身に絶大な自信をもっていて
私に3回も同じ話をして、流行を追う重要性を説いてくださりました。


(ㆆ ㆆ ).。oஇ


私と彼の決定的な違いは、
彼は、彼自身が流行を追う側だと定義していること。
私は自分が流行を追う側だと思ってもいないこと。
てか、流行を追う、って感覚、マジで無かったわ。今まで。

流行を追う時点でビハインド。

なんで彼がフォローする側に疑問も持たず
自分を置いているのかわからないけど、
少なくとも私は、流行、と言われてる時点で、
既に手垢がつきまくり、真似っこがはびこり、
媒体に出尽くされて消費の渦に巻き込まれ、
またサイクルが一回終わるよね、であろう流れに
私自身が乗るつもりは無いし、
それをフォローする側に自分を置くなんて考えてもみなかった。



私の20年ちょっとのファッション業界でのキャリアは、
ラグジュアリーブランドのインハウスPRと広告担当、という
とても狭い経験ではあったけれど、だからこそ深くて、
学んだこと、得たことはとても多い。

ブランドもの、流行、私自身は大好きだし
そこに価値があることは誰よりも身に染みて理解している。

そのうえで、今の私がしてることは、
そことはまた全く被らない、違ったアプローチの
モノづくりをしているから。

その世界線とかぶせるつもりも無いし、かぶるつもりも無い。
そことは全く別の世界観とコンセプトで、タイムレスなもの、そして
独自性とかオリジナリティがあることを名実ともに証明したくて
ブランドロンチ前から動いて意匠権を18も取得しているわけで。


そして、売る、ということに関して、世の中の需要が
とても大きな要素を占めることは理解しているけど、
全員にササるものなんて無い。

あと、私はそもそも大多数の方々向けの商品を作ろうと思っていない。
すごーくピンポイントに共通言語をもっている方と感覚を分かち合いたいと
思っていて、自分がサしたい人だけにササることが一番大切に思ってる。

適切な内容を適切なタイミングで適切なルートで適切なヒトに届ける。
これが鉄則。

この、全く私とは嚙み合わない方と話していて、
改めて自分のブランド設立時の最初の気持ちを思い出すきっかけを
与えてもらった。
私、商品をたくさん売る目的でブランドを立ち上げたわけじゃなかったな~
って。


自分のオリジナリティを大事にしたいひと、
しかもジュエリー好きで既にたくさん持ってる、で、
もう一声さらに違うものも欲しい。
ジュエリーのコーディネートも自由にできて、
枠にとらわれない感覚を持っていて、自己表現もたくさんしたい。
そして、それを既に叶えてる行動力と経験値のあるひと。

そんなひとたちと一緒に楽しめるものが作りたかったし、
そこに性差や年齢は関係なく。ただ、軸がしっかりあって
そのうえで軽やかな心で物事をとらえ、受け入れられるひと。
そんな素敵なひとたちとの共通言語のひとつとして
コンセプチュアルなジュエリーブランドを立ち上げたのだった。


あともう一点w
彼は、盛んに若い世代(彼の定義では20代前半(再掲)w)を
強調してたけど。

誰、それ。
そんな大きいくくり方、20代のみなさまに失礼だわ。


そんなこと言ったらですね、私には3人の甥っ子がいて。
幼稚園児、小学生、中学生なんだけど。
もう、彼らからの学びが多すぎて、毎度お手上げ。
私の3人の甥っ子たちは、むしろ私より
人間的に成熟している部分があり、
ひとというものを理解しており、観察力、洞察力、想像力に優れ、
自分軸が出来上がっていて、話をするたびに学びが多く、
真の意味での多様性を理解している。
毎度、彼らのツメのアカを煎じて私が飲ませてほしい、と思っている。
幼稚園児の甥っ子との会話からインスピレーションが降ってきて
新作ジュエリーのモトになったこととかもある。


年齢じゃないな~って甥っ子たちを見ていて思う。
私は世代や経歴に関係なく、自分と接点のあった方から
何かしら学べたらすごく嬉しいし、
そこに私側の先入観があると、自分の目が曇るから
その点は注意するようにしている。
そして、私より経験値のある年上の方からも、
私の知らないお話をたくさん聞きたい。


私には積んできた経験があり、特定のジャンルにおいては知見もある。
だから、私にも持っているものがたくさんあって、
それを面白い、と思ってくれる人たちと過ごせたらHAPPYだし、
私も自分の周りの人をHAPPYにしたいし、そこだけは大事にしたい。


彼とはそもそもの価値観の出発点が違うから、
分かり合えなくて当然だし全く問題無い。(し、どうでもいい。)
ただ私は、彼が自分が正しい前提の前提で
彼の言うことをフォローしない私を説得しようとしてきた感じを
受けてしまったから、びっくりしてしまったんだな~と
振り返ってみた。
でも、もしかすると、別に説得すらしようとはしてなかったのかも。
私もまだまだ先入観とかに左右されてるな。


知らないヒトと話すって、こんなにいろんなことを教えてくれるし
気づかせてくれる、っていう、気づき。


気づきばっかり。毎日。




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