見出し画像

お子さんに選ばれる小児科医を目指して【ドクターズ・インサイト】

医療の最前線で活躍するドクターたちの素顔と、その信念に迫る「ドクターズ・インサイト」。第二回目は、小児科医師であり40年以上のキャリアを持つ岩間こどもクリニック院長の岩間義彦先生にインタビューしました。岩間先生の独自の医療哲学と、患者に寄り添う姿勢に迫ります。


Q.岩間先生が考える小児科医師像を教えてください

岩間:小児科医とは「家族をまるごと診る仕事」だと思っています。
お子さんが病気でつらいとき、私たち小児科医やスタッフが適切な医療を提供することは当然のことです。

診断結果とその後の治療について、ご家族に理解していただけるようにお話することも大切なことです。

また、つらい思いをしているお子さんだけではなく、そばで見守るご家族も、病気のお子さんを心配して不安になられていると思います。こうした不安な気持ちをご家族から取り除いて差し上げるのも小児科医として大切な仕事です。



病気の治療だけでなく、患者さんやご家族の気持ちを理解し、向き合えることのできる小児科医でありたいと思っています。

Q.小児科医師として心がけていることは何ですか?

岩間:「ご両親だけでなく、お子さんからも選ばれる小児科医になること」です。
以前、こんな嬉しいことがありました。
お子さんと診察にいらっしゃったママさんが申し訳なさそうにこうおっしゃったのです。

「すみません。ちょっと鼻水が出るだけなのですが、この子がどうしても『キリンさんの病院にいきたい』というので連れてきました」
※キリンは当クリニックのイメージキャラクターです

子どもが行きたくなる小児科クリニックは私の夢でしたので、本当に嬉しかったです。小児科医を続けてきて良かったと、心から思います。

最近では、幼い頃に当院へ通院されていたママやパパが、ご自身のお子さんを連れて来院されるようになりました。地域医療を提供する者にとって、こんなに嬉しい瞬間はありません。

Q.管理栄養士と提携して「栄養相談」に力を入れていると伺いました

岩間:お子さんの発育にとって「食育」は非常に重要です。20年以上前から経験豊富な管理栄養士とチームを組んで「栄養相談」を行ってきました。

当院では、乳幼児健診に来られた方全員に、栄養相談を実施しております。もっと詳しく知りたいと希望される方には「個別栄養相談」を実施します。

個別栄養相談では、離乳食の進め方からアレルギー食のアドバイス、お子さんの食のお悩みなど様々なお悩みを伺い、管理栄養面から直接アドバイスさせていただいております。時にはママやパパから「子育て」のお悩みをお聞きすることもあります。

「笑顔」になってお帰りいただけることを心がけています。

また、定期的に開催している「食育教室」もすぐに予約がいっぱいになるなど、人気となっています。

Q.子どもの健やかな発育に大事なことを教えてください

岩間:栄養やコミュニケーションなど、大事なことはたくさんありますが、最近は「睡眠不足」のお子さんが多いと感じています。

睡眠不足は、発育だけでなく情緒面や学習など、様々なことに影響します。

厚生労働省でも「健康づくりのための睡眠指針」を定めており、それによると以下の睡眠時間が推奨されています。

【睡眠に係る推奨事項について】
1〜2歳児:11-14時間
3〜5歳児:10-13時間
小学生:9-12時間
中学・高校生:8-10時間

厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針」より


昨今、娯楽もどんどん進化し実現し続けることは中々難しいですが、可能な限り推奨されている睡眠時間を確保していただければと思います。

まず小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では「入眠時間を早くすること」をおすすめします。

睡眠は量だけでなく、質も重要です。
「入眠時間を早くすること」を生活のリズムに取り入れることで、どちらにも良い影響を与えます。

Q.診察の際にママ・パパからよく相談されることは何ですか?

岩間:多いのは「ウチの子はよく風邪を引く」というご相談です。これには「月二回までの普通の風邪であれば心配は少ないですよ」とお答えしています。

一回一回の症状が重い場合には、原因が他にある場合があるので注意が必要です。お近くの小児科に相談されることをおすすめします。

他には「便がなかなか出ない」というお悩みも多いです。
便秘は慢性化させないことが重要ですので、2日間便が出なかったら、3日目には「イチジク浣腸」などを使用して便をだすことをおすすめしています。
薬局で相談すると、年齢に合ったものを購入できます。

「育児」と向き合うママ・パパにメッセージをお願いします

岩間:親子の「コミュニケーション」をぜひ大切にしていただきたいと思います。私がおすすめしているのは「家族での共同作業」です。

例えば、一緒にご飯をつくる、洗濯物をたたむ、草むしりすることなどです。

そして作業をしながらお子さんと好きなことを気軽にお話することです。
そうするとお子さんは安心し、家族との一体感を感じることができます。

もうひとつ大事なことは、愛情が伝わるように「ギュッ」とハグしてあげることです。そうすると、お子さんがさまざまな不安を抱えたとき、言葉をこえた愛情を無理なく伝えてあげることができます。

さまざまお伝えしてきましたが、ママ・パパが「育児」をつらく感じてしまう時もあると思います。
そんな時は、ぜひ小児科で相談をしてみてください。

私たちは育児と向き合うママ・パパの味方でありたいと常に願っています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

@Scrum Editor


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?