見出し画像

日本に進出している中国有名火鍋チェーンはどんな漢字で店名を表記している?

①海底撈火鍋

公式読み:カイテイロウヒナべ/ハイディラオヒナべ/Haidilao Huǒguō

新宿店 — 公式HPより

「海」に注目すると、中国語繁体字であることがわかる。日本語常用字体(新字体)とは異なり、「母」のように書記する。

ヒナべだけ日本語訓読み — 公式HPより


こちらはすべて日本語かな読み — 公式HPより

一方で、上で示したように、日本の常用字「海」のように見えるロゴがウェブサイトでは見られる。

公式HPのトップはこんな感じ↓

2025年2月8日時点での公式HP

何やら簡体字で書記されている。
さらに、「突き進もう」とあるがこの「突」に注目すると、これは中国語(繁体字・簡体字どちらも共通)もしくは日本語旧字体である。ただし同じ文に登場する「進」は「辶」のようには書かれておらず、これは常用字体である。
と考えると、漢字はすべて繁体字で入力されるキーボード設定で入力した可能性がある。とすれば、「情・熱・前・突・進」5つの漢字書記の説明がつく。
なお、これは画像なので、私のコンピュータの言語表示設定の影響は受けていない。

②小肥羊

公式読み:しゃおふぇいやん

六本木交差点の角を陣取っている

羊のロゴの周りにある文字は、「火鍋連鎖店」とある。これは日本語常用字体とも中国語繁体字とも一致。

公式HPより

こちらのホームページは、しっかり代理店を入れたのか、高級火鍋店としての風格を備えたデザインで、中国感は店名からしか感じない。

共通していること

日本では馴染みのない漢字(「撈」)を店名にそのまま用いたり、中国語読みに従った店名の呼称を採用したりすることで、中国感を持たせることを選んでいる。
それでも簡体字はロゴや店名では使用しないことを選択している。
簡体字による中国感は採用しないということか。

中国大陸からの二つの火鍋チェーンの主要顧客は在日中国人のようだが、これは日本人が海外で牛丼チェーンやサイゼリヤ、牛角などに行くようなものかもしれない。簡体字ではない店名の書記に特別感があったりして。

台湾から日本に進出している火鍋点の天香回味(テンシャンフェイウェイ)は日本人好みの味にしているらしい一方、海底撈・小肥羊は本場さながらとの口コミが多い。両社の日本人客へのアプローチは、本場の火鍋の提供にあるのだろう。本場を表す中国語の字体は、繁体字なのかもしれない — 今のところは。


いいなと思ったら応援しよう!