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「けいこ この世のすべては空なんだよ」

エンドステージフォトを自分のライフワークにしていきたいと決めた時
父にサンプル撮影をお願いした。

「死ぬこと」についても真正面で話をしながら撮影をしていく

真剣にこんなテーマで父と話をしたことはなかった

今父が「死」を思ったときにやりたいことを聞くと

「空」

「般若心経についてを深く学びたい」

と言った

「死ぬことが身近に感じるようになった。

友人が入院する前に

もしかしたら最後になるかもしれないからな。

ありがとうなって電話をもらった。

同級生。自慢したい奴がいっぱいいる。」


「結局すべて無になる。だけど在るんだよ。そこにはちゃんと在るんだよ。」



写真

父の話を聞いていて私が表現したいものはここなんだと感じた

「無いけれど在るもの」

そして

「在るけれど無くなっていくもの」


一人一人のストーリーを一緒に確かめ合いながら

生きた証を一歩ずつ踏み締めていくように


「がんばれよ。応援する。」



母や孫に「いつまでやってんのよ!」と父と話す時間に
違う空気が流れ込んできたときに


父はそう言った



タブー視されているけれど向き合ったときに語られる「死」についての言葉は

何よりも輝いていると思う

「生きる」というエネルギーが体の中から声を上げていることに

耳を済ませる時間だと感じるから





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