人事トラブル相談所⑥「もっと労働日を増やして限界まで働いてもらう方法ないの?!~1年変形を均しちゃえばいいんじゃないか説~」
世の経営者はこう言いました。
「同じお金を払うんだから目一杯働いてもらいたいんだよ!」
世のサラリーマンはこう言い返しました。
「そんなのイヤだよ、できるだけ楽してお金稼げればいいんだよ!」
別にどちらに肩入れをするつもりもなく、ただリアルな声を拾うとこんな感じでしょうか。あくまでも立場の違いで人を雇用したことがある人は、どちらもわかっていただける気がします。
現在の労働日数と休日
「働き方改革」とか言われて、なんとなくボンヤリしてるんですが・・
暦日365日のうち、年間休日数125日くらいを標準として考えると労働日数240日。ってことは・・・・?!
結論、2日行ったら1日休んでじゃん!( ゚Д゚)
そうなんですよ・・・。
それに今は有給休暇の取得義務化もすすみ、上記に+5日以上の休みがついたり・・と意外と労働環境って恵まれてますよね。
こう考えるとそこまで働いてないんじゃないの?って・・・声もちらほら。
以前の上司は、月曜日が祝日で3連休になると、怒ってましたね。
「また休みかよ!」と。
労働日数の上限と休日の下限
年間休日は「毎週1日」または「4週間を通じて4日間」が最低ラインであり、労働基準法で定められた「法定休日」がこれにあたり、1日8時間勤務の場合で105日となりますが、多くの企業がいわゆる週休2日制を採用して年間休日を120日前後としているのが現状です。
ただ、ここでは世間一般論ではなく・・・
「同じお金を払うんだから目一杯働いてもらいたいんだよ!」と言ってくる人目線で話を勝手に進めます。
どんな管理方法にも必ず法律論は絡むので論点をあげると下記の項目になると思います。
・年間の労働時間
・年間の労働日数
・年間の休日数
・1日の労働時間
・1週の労働時間
・運用する制度
・現実的な運用(シフト管理など)
・世間からの見た目(浮世離れしてないかなど)
マトリックスでまとめると下記図のような感じになりました。
年間の労働時間を「2,085時間」として目一杯使う前提でのお話です。
こうしてみると、結構えげつない休日数にもできるものだなと改めて実感しました。
運用方法
個人的にはシフト管理や会社休日などの設定から①が運用しやすいのかなと感じます。1年変形は、労働時間と労働日数を必要に応じて変化させる前提ですが、別に労働時間は通年同じでもNGだなんてどこにも書いてないので労働日数(=休日数)だけ変化させて運用してしまえば、時間外の計算とかも案外楽なんですよね。
※以前も変形労働時間制の活用については少し触れてますので併せてご確認ください。
現実的な運用としては、やはり①または②あたりに落ち着くと思いますし、
③と④はやれないこともないけど・・・という温度感でしょうか。
(人が集まらないなどのリスクが増大するため)
「こんな働かせ方ありえない!」という声もホワイト企業推奨党の方からあると思いますが、感情論は抜きにしてあくまでも法律の範囲内(合法的な枠組み)で想定しうることを記載しているだけです。
自動車を運転する際に、一般道で40km規制なのに70km出したら道路交通法違反で捕まりますが、初心者が30kmでノロノロ走ってても逮捕されないのと同じ理屈ですよね。
だって、法律守ってますからねっ!( ゚Д゚)
今回は極端な例示をもとに実際どこまでやれるのか・・・を書きましたが、このような運用方法を見直すだけで労働時間の改善や運用にあわせた休日数の設定など意外なところで労使双方が納得できる形ってあると思います。
ただ実務者側の人事がそういうことを知らないのか、顧問である先生方がそこまで踏み込んで提案していないのかは・・・わかりませんが。
なお、ここでは1ヶ月変形は分が悪いこと、フレックスや裁量労働制は職種や対象者が限定されるので除いており、また休日出勤や時間外労働ありきの話を持ち出すとキリがないので、あくまでも通常の勤務。という視点でとどめております。