【絵本】うちのうんちはうんちちゅう
『うちのうんちはうんちちゅう』
これは長男が8歳の誕生日のときに描いた絵本。
とりあえず小さい子供は『うんち』が大好きだろうという安直な考えで構想。うんちのエコシステムに思いを馳せてもらいたいという思いが詰まっている。
主人公はフンコロガシ。
フンコロガシ一家の夕食です。
「今日はごちそうだー!!!」
「わーい、いただきまーす!!!」
フンコロガシのごちそうと言えば糞(うんち)である。
「ねぇパパ、今日のごちそうはどこから来たの?」
「それはね」
8歳の子供にも読める感じを意識して使っている。
「パパはとおーくのとおーくからごちそうをコロコロころがしてきたんだ。外はとても暑かったから何度も休けいしながらね」
「ねぇパパ、ころがす前のごちそうはどんなだった?」
「それはね」
ここから繰り返しが続き、物語は発展していくことが予想される。子供とパパとのやりとり。パパの話を聞いて子供は徐々に知恵をつける。
「ごちそうはとても大きかったよ。20家ぞく分はあったんじゃないかな。だからみんなで分けて運んだよ」
「そんな大きなごちそうはどこから来たの?」
「それはね」
このシーンはそれぞれのパパフンコロガシに会話をさせ変化をつけている。パパはお仕事がんばっているということを伝えたかった。
「ぞうさんのうんちなんだ。ぞうさんはとっても大きいんだぞう」
「じゃあぞうさんのうんちはどこから来たの?」
「え、うーん、それはね」(どうぶつじてんを見ながら)
いままでは単に「それはね」と展開していたのだが、ここで少し変化をつける。パパにも即答できないことはあるんだよ。調べれば答えられるんだよ。
「ぞうさんはたくさんのおやさいを食べるんだよ。そしてぞうさんのおなかの中で胃や腸を通ってうんちになるんだ」
「じゃあ、おやさいはどこから来たの?」
「それはね」
前のページであえてぞうさんの鼻の先を隠していたのだ。伏線回収なのだ。カメラのアングルがどんどん変わっているのだ。最初はフンコロガシに、そこからうんちへ、そしてぞうさんへ、ぞうさんの鼻先から前にある野菜へと。そのように表現してみた。
「土に種をまくとできるんだよ。ひりょうをやると大きくなるんだ」
「じゃあ、ひりょうはどこから来たの?」
「それはね」
いよいよここからがクライマックスである。
「みんなのうんちさ。みんなのうんちがおやさいを大きくして、おやさいがぞうさんを大きくして、ぞうさんのうんちがおまえたちを大きくしてるんだ」
「じゃあ、ぼくたちもしっかりうんちをしないとね」
背表紙にも何かを描くと味がでる。だいたい私は誕生日おめでとうのメッセージとプロローグ的な絵を描く。今回はフンコロガシ息子がトイレでうんちをしているシーンを描いてみた。