今太郎の、言うとおりだった
実家行った話の続きを書こうと思ったんだけど、相変わらずの刹那脳が炸裂して、何を書きたかったのか、忘れた。
雷が怖い今ちゃんが、実家の大きな座卓の下に無理やり潜り込んでいたら、天然の権化たる母(82)が『そんなとこ入って狭いでしょう、よっこら!』と言って矢よりも早く座卓を起こし、今ちゃんをむき出しにしてしまったことだったかな。
私はアワワワワなんてことすんの!てなったけど、案外今太郎は平常心で、急に明るく…なった…?みたいな感じでフツーに絨毯の上に転がったままだった。
さすが夏の不安定な高気圧、このところ連日ちょびっとずつ断続的に雷さまがどんどらどんどら太鼓を打つけれど、今太郎はだいぶやり過ごし方が上手くなってきたと思う。
それは何か雷対策をしたとかじゃなくて、やっぱり自己効力感が増したせいだと思うんだ。
何もかもを犬の意思に任せて、逆に言うと要求がなけりゃニンゲンは何もしないよ、という生活に変えて最初のうちは、今太郎の方が戸惑っている感じだった。散歩時に歩く道も、前から来る犬の避け方も、車に戻るタイミングも、任せられるとオレどうしたら良いのかわからない、といった顔をしていた。
それが2週間くらいで、自分で決めていいのか…と気づき、今まで言わなくてもしていたご飯の前のオスワリも、オテの動作もやらなくなり、ダメと言われてたお布団に恐る恐る乗るようになり、ゴミ箱から良いによいのビニールを失敬したりなどするようになった。
どれも大変に健全な、犬の行動だ。
感動したのは、歩く道も自分で決められるようになったら、私が藪には入りたくないのをわかってくれていて、おかしゃんはそっちの平らな方を歩きなよ、オレはこっちを行くから、と、8mのロングリードの長さいっぱいに使って、お互いが見えないような藪の中を、道を歩く私と並走してくれるのだ。おまけにふたりを隔てるところに大きな木があると、リードが絡まないように手前を迂回してくれる。優しい上に、天才。
そして藪の終わりまで来ると、得意そうにへへ、と笑いながら小走りで道へと戻り、植え込みや柵をぴょーーんと飛び越えて足元にくる。
サッカーやテニスボールの破裂音に耳を澄まし、そのまま恐怖が倍増することもなくなった。気が済むまで耳を澄ませて立ち尽くしたら、ちゃんと反対方向の林道を選んでいる。
自分で考え、決められる。そしたら怖いものが減っていく。たったこれだけのシンプルなカラクリで、自分たちだってそうなのに、なんで私たちニンゲンはそれがわからなくなってしまうんだ。
飼い主と犬の信頼感て、私という人間を信頼してもらうんじゃなくて、犬の中に自己効力感が育っていくことのように思う。
犬が、自分を信じる力。私たちニンゲンがいつも奪ってしまうもの。
奪わないよもう。キミの中にあるすごいものを、今までちゃんと見てなくてごめん。
今日も陽が落ちたらお散歩に行こう。今朝は早起きして誘ってみたけど、5時でも明るくなればモーレツに日差しが強くて、やっぱり夜の方が気持ちいいって今太郎の言う通りだった。