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【アニメ感想】人を笑うライン【異世界おじさん】

アニメ「異世界おじさん」を見て気づきがあったので簡単に記事にします。
アニメめっちゃ面白いです。
この記事自体は割としょうもないです。

コミックスは既刊7巻です。
一応すべて読んでいます。
ただ最近はあんまりだよなぁ、と惰性で買っています。

この作品のネタバレにどれほど意味があるか不明ですが、そこまで大きなネタバレは無いと思います。
まあネタバレタグ付けておくので、その辺は自己責任で。


アニメの面白さ

読んだ事あるギャグなのに面白いって凄いですよね。
これは作画が動いていて、声優さんが生きた声をあてているからだと思います。

声のおかげで勢いとか感情があります。
やっぱり良いですよね。
(作画が雑な部分があるとかで気になる人も居るかもしれません。)


ネタの胆

おじさんがぶっ飛んでることですね。
ツンデレ美少女に好意を持たれているのに、めちゃくちゃ鈍感だったり。
人との関わりで異様に用心深かったり。
魔法があるから現代で無双できるのに、youtubeやったり送料を切り詰めるようなコスイ事にしか使わなかったり。
SEGAハードを選んでいたり。

殆ど死んでいる「異世界おじさん 1」(MFC, 2018年)43頁。

これはアニメだけでなくマンガでもそうですよね。

このぶっ飛んでいる部分、主にラブコメ要素、をタカフミと一緒にツッコみながら楽しむ読者が多いと思います。


マンガで感じていた惰性

なぜ私が惰性を感じていたか。
4,5巻と進むにつれて異世界での設定がドンドン掘り下げられていきます。
それ自体は面白いんです。
なんたって異世界転生ですからね。

でも、異世界でおじさんは一般常識から見たら残念な行動を続けます。

それをタカフミと藤宮さんは笑ったりしながら記憶をのぞき見るのです。
時にツッコみながら。

でも、おじさんに「気付いていないみたいだけど、これはこういう意味だよ」なんて言いません。
物語が成立しなくなるので当然ちゃ当然ですが。

その黙って見続けている構図が辛くなったのです。
おじさんが不憫で仕方なく感じてしまったのです。

もちろんそういう話だけでは無いので、惰性で購入を続けていました。
たまに可哀想だと思っちゃうんですよね。

これは私だけかもしれませんし、人によって違うと思います。
そしてこれは私の勘違いもありました。それは後部で。


何故アニメが面白かったか

この不憫さを感じない構図になっていたからです。

つまりツッコむのに、おじさんに教えてあげないタカフミはこう。

序盤であればこれでも不憫に見えたりしません。

そこに藤宮さんが加わるとこう。

登場時イッチバンやばい奴として出てきます。
なのにタカフミにメロメロでかわいい。

なんとなくタカフミと藤宮さんが同じ位置に居るかと思っていたんですけど、そんなことは無かったんです。

さらに、ポンコツ藤宮さんの気持ちに気付かないタカフミを加えるとこう。

タカフミもおじさんとおんなじクソ鈍感なんですよね。

殆ど死んでいる「異世界おじさん 1」(MFC, 2018年)105頁。

そこに「記憶を消したらまた見せるからな!!」と藤宮さんがさらに下に行くポンコツムーブ。

この下を奪い合うようなギャグなら一方的な見下すような構図になりません。

この構図が胆なんだなぁ。と気づきました。
アニメは早々に藤宮さんを登場させ、そこからはゆっくりと展開しています。
それもこの三竦みを見せたいからでしょうね。

あれ?ここはマンガと同じなのにめっちゃ上手くない?
マンガも凄いじゃん。


人を笑うライン

現在公開されている4話まではこの三竦みが上手く機能しています。
特定のキャラクタだけが下げられている状態じゃないので、辛くなかったです。

これなら面白いです。
なんなら入り乱れるテンポ感が心地良いです。
ちょうどボケとツッコミが入れ替わる漫才のような感覚です。


ここで一つ疑問が出てきます。
特定のキャラだけが下げられていたら必ず笑えないんでしょうか?

そもそもおじさんを不憫だと感じない方も居るでしょうから人次第なんですが。
笑えるラインってキャラクタとのバランスだと思うんです。

イケメンだったりしたらおじさんを不憫だと思いにくいと思います。
異世界でもオークの苦労話。
現実でもギャグとしての変顔。
そこにタカフミからのツッコミ。

これを畳みかける事で不憫に感じたのかな、と。

こう感じてしまうと私は笑えません。
弱い者イジメような感覚になってしまうからですね。


しかし「異世界おじさん」は本当に弱い者イジメの構図になっているでしょうか?

本当は違った異世界おじさん

本当は違った!
なんて言っていますが、私が誤読していただけの話です。

現実世界での恋愛要素はこれ。

おじさんが蚊帳の外です。
そして、二人にツッコまれるのです。
だから私は不憫に感じました。

しかし、異世界も入れるとこうなります。

おじさんは本当に不憫か?
現実のタカフミと異世界のおじさんが同じ構図になっているんです。
くそ鈍感です。

叔父と甥の繋がりをキャラとしての共通項で表していたんですね。
アニメを見るまで気づかんかった。
恥ずかしい限りです。


まとめ

雑に読んでなんか味しなくなってきた、って思っていたけどちゃんと読んでいないだけでした。

ギャグだけでなく構成も上手く出来てますよね。

ちゃんと読んでちゃんと楽しもう、という自戒の念を込めて記事にしました。

とは言え、異世界の思い出を見る展開に飽きが来ている事もありそうです。
そこだけ見たらただの異世界転生ですからね。
雑に面白い分、飽きの来やすいジャンルです。

今後期待する展開を考えると、エルフに好意を持たれていた事におじさんが気づく展開ですね。タカフミから教えてもらうでも良い。
そこで絶望/悶絶する展開は面白そうです。
現実にエルフを呼び寄せても良いかもしれません。発展が無いかな?

気付いた後におじさんからタカフミに「お前もな」という展開もあったらよさそう。
どちらもコンテンツを消費する展開ですし、単に私の好みなので妄想です。

そんな展開に期待しながら8巻が発売されたら読みたいと思います。


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