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シン・仮面ライダーを見てきた

仮面ライダーをほとんど見ずに育った人間が庵野監督のネームバリューに釣られて映画館に行ってきました。

割とアリかな、という感想です。
シン・ゴジラほどの満足感は無かったです。

ここではまず気になった要素を挙げていきます。
簡単な感想を最後に記したいと思います。

サムネイルは公式HPから拝借しました。


多摩 5

冒頭の多摩5のナンバーの執拗なドアップ。
ご存知の方も多いと思いますが、ナンバープレートの右上の3桁の数字は分類番号と言われるものです。現在は3桁ですが、過去には1桁、2桁の時代もありました。

現在はほぼ間違いなく走っていないナンバープレートをわざわざ作って当時の時代を表現したようです。
ナンバープレートについてはWikiが詳しいです。

変身シーン

変身シーンカッコ良すぎ。特に冒頭の一発目のやつ。
何と言ってもバイクの変形が最高でした。
ガチャガチャと変形してマフラーのようにも見えるターボエンジンが出てきたり、めちゃくちゃ格好良かったです。

正直、全編を通してこのシーンが一番良かったです。

ベルトに風を受けてエネルギーを溜める設定らしく、バイクに乗りながら上体を起こす不自然さも好きです。
マンガにもよくある構図で、現実を考えると全然合理的じゃないことをやる事って『リアルじゃない』と貶されがちですけど、私は好きです。
合理的でない行動を堂々とやる姿で、設定に説得力が生まれる面白い効果があると思います。なんとも逆説的。

変身とは言わない

本郷は『変身』と一度も言いませんでした、たぶん。
調べてみるとWikiには、風を必要としない2号以降からの設定で『変身ポーズ』が出来たらしいのです。
その部分も含めて初代仮面ライダーへの深い情熱とリスペクトを感じました。

本郷の葛藤は微妙

人間を殺すことへの葛藤が描かれるがテンポが早すぎてイマイチでした。
正直2時間へまとめる事に無理のあるストーリだったので、しょうがないかな、と思います。

しかし、コウモリオーグは良かった

コウモリオーグ(シン・仮面ライダーカード)

コウモリオーグという気持ち悪い奴をライダーキック倒すんですが、そこの描写は大変気に入りました。

具体的には、ライダーキックの後コウモリオーグの身体から右足を引き抜くカットです。冒頭から流血シーンなどはあったわけですが、ここの嫌悪感を感じるほどリアルな足を引き抜く行為と効果音・血のり最高でした。
コウモリオーグが人間で、それを殺した事を鮮明に訴えかけてきたからです。
この描写があって、本郷の葛藤を一気にリアルに感じられて良かったです。
これが無かったら駄作と言っていたかもしれません。

そのほか、効果音とか音楽

全体的に良かったです。
映画館で見る意味ってあんまり感じないタイプの人間なんですが、本作のような音は映画館でこそ活きると思います。
具体的には耳をつんざく風切り音とか、ちょっと割れているようにも感じる決めポーズの効果音です。

当然ではありますが、タイミングが決まりに決まっていて気持ち良かったです。

そのほか、設定

設定もリメイクするに当たって自然にしているようでした。
自然だったと思います。
にわかなのでそれ以上は分かりません。

そのほか、実相寺アングル

実相寺アングルがありませんでした。
庵野監督の大好きな演出です。エヴァ、シン・ゴジラ、シン・ウルトラマンでも多用していました。
この実相寺アングルがウルトラマンの円谷プロ系の演出のため今作では封印したようです。
これもリスペクトを感じますね。

そのほか、構図とか

アクションシーンは手ブレ手法?を多用していました。仮面ライダーをほとんど見たことが無いんですけど、これもリスペクトでしょうか。
正直画面が振られすぎてちょっと苦痛でした。

会話シーンでは話者を正面からアップするカットが多かった。博士と1号の会話だけでなく1号と2号も同様でした。
スマホで持っているようなブレ表現があったり、据え置きカメラで望遠で撮っているようなカットもありました。
これもイマイチ意図がつかめませんでした。

あと、『キキ―ッ』という声でおなじみのショッカーは出てきませんでした。
時間的理由か設定的な整合性か、庵野監督の好みか不明でした。

まとめ

色々思いつく事を書いてみましたが、全体としては満足よりです。
何と言っても冒頭の変身シーンが最高でした。
特筆しませんでしたが、最後の戦いもアツくて良かったです。

しかし、あんまりヒットしていないようです。それも理解できます。
私は庵野監督らしさを感じませんでした。
なんというか、原作レ○プと言われようと実相寺アングルを多用したり、庵野監督らしさを前面に出してくれた方がにわかには分かりやすくて良かったとも思っています。
そんな感じ!

最後まで読んで頂きありがとうございました。


追伸

シン・ウルトラマンは庵野監督作品と思われがちですが、樋口監督です。


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