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家を買わない『グッピー』のライフスタイル
マイホームを持たない選択をするカップル、住宅購入しないと決めたライフスタイルを実行するヤング・エグゼクティブなど、新しい「家を買わない」スタイルが台頭している。
彼らは「グッピー」と呼ばれ、家を買わない、買えない人たちを指す。
イギリスの不動産会社Zooplaが作ったこの言葉は、1980年代の「ヤッピー」という言葉をもじったもの。そしてこの「グッピー」たちは世界中で増加しているという。
まず第一に初めて住宅を購入する人にとって、現在の住宅市場を乗り切るのは難しい。Z世代やミレニアル世代は、そんなことにあくせくするよりも、賃貸にこだわる人が増えている。
特に日本では、ここ20年ほど、給料が上がらず、物価だけが上がって生活していくだけでやっとという人も増えている。住宅ローンに縛られるより、好きなことをして生きていきたいと言う考え方も広がっている。
米国の住宅価格は高止まりしていて、需給の不均衡が購入希望者間の競争を激化させている。主にミレニアル世代とZ世代で構成される初めて住宅を購入する人々は、実に不利な状況に置かれていると報道されている。
中古の家やマンションを購入しようと思っても、毎月の支払額が低く固定されている時代に家を買った所有者は、自宅を売りに出すのを控えているし、住宅メーカーはより儲かるプロジェクトに注力するため、新購入者用の手ごろな家は市場から姿を消しつつあるからだ。
Zooplaによると、2023年には、英国の40歳未満の成人の42%が家を所有しておらず、今後10年間に家を購入する予定もないという。そのうちの38%が年収6万ポンド以上である。
これは、初めて住宅を購入する可能性のある人々の間で競争が過熱している米国でも同様の状況である。住宅ローン金利は依然として7%近くにとどまっていて、なかなか手がだせない。
ミレニアル世代とZ世代は、手頃な価格のスターター・ハウスが過去のものとなり、再評価を迫られている。初めて住宅を購入する人の平均年齢は36歳に跳ね上がった。
米国で初めてスターター・ホームを購入しようとする人は、昨年の今頃より13%多く稼ぐ必要があると言われている。
シリコンバレーは家の高騰が激しく、若いプログラマーたちは、もっと物価の安い土地に写ってリモートで働くことがトレンドにもなっている。
グッピーたちは、それなりに稼いでいるにもかかわらず、頭金や住宅ローン金利のことでストレスを感じる代わりに、当面賃貸で快適に暮らしたいようだ。
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