お酒と大腸内「憩室」の関係
酒好きは酒好きを愛す。大好きな酒ジャーナリストの葉石かおりさんは、酒好きなだけじゃなくて、その文章が軽快でこころニクイほどうまい。よいエッセイとはこういう文章なのだなあと日頃から敬意を抱いている。
その葉石かおりさんの最近の記事はすべての酒好きにショックなものだろう。タイトルは『お酒はやめなきゃダメ? 大腸内視鏡検査で「憩室」を発見!』
葉石かおりさんが大腸内視鏡検査を受けたところ、「大腸に憩室(けいしつ)があると医者に告げられる。そして「アルコールは控えるように」と言われ、ショックを受けた。
憩室とは、大腸の壁の薄いところが外側に袋状に膨らんだものであるらしい。診断してくれた医師によると『大腸にできる憩室は、大腸壁の薄く、やわらかい部分が内側の圧力によって外に押し出され、ポケットのような状態になったものです。ポケットの大きさは5~20mm程度。1個だけというよりは、複数個まとまった状態でできることが多いです。また、まれに非常に大きくなって、10cmを超えるものもあります』ということらしい。
憩室ができる主因はアルコール。お酒を飲むと、自律神経の1つである迷走神経が刺激され、腸の蠕動(ぜんどう)運動が活発になる。ところが、アルコールによって必要以上に活発になってしまうと、それによって腸の内圧が上がって憩室ができやすくなると、医師から説明を受けている。
同医師によれば、アルコール以外にも「腸の蠕動運動を過剰にし、下痢や便秘をもたらす『ストレス』も憩室の原因となる」。さらに食物繊維の不足や運動不足により便秘がちな人は、腸内の圧力が高くなり、やはり憩室ができやすくなるということだ。
憩室は、腸にできるポケットのようなもの。中には常に便がたまりやすい状態になる。そして便には、細菌と細菌の死骸がたっぷり含まれているので、憩室は常に細菌にさらされた状態にある。よって憩室にちょっとでも傷ができると、炎症を起こしてしまうという。ただ痛みを感じにくい場所なので、炎症があったとしても自覚症状はまずない。痛みを感じるときには、炎症が進んで膿がたまった状態のことがほとんどで、慢性の炎症が続くと、痛みもないのに突然、大量の出血を伴うことがある、とあるのを読むと怖くなる。
そして憩室を増やさず、また悪化を防ぐには。医師の答えは「アルコールが主因であることは明確なので、断酒するのが一番」。
がびーん、である。
もちろんストレスをためない生活を送ることや、食事で食物繊維を摂取して運動して便秘を予防することも大切だ。
酒好きの筆者であるが、長期出張したエジプトでは、イスラム教の影響でアルコールが簡単に手に入らず、泣く泣くペリエで晩餐する日が続いた。しばらくすると慣れてきて、酒なしディナーも平気になったけど。
憩室を避けるためにはムスリムの国へ引っ越すのも一つの手であろう。
(記事引用:https://gooday.nikkei.co.jp/atcl/report/14/091100015/072700109/?P=3)
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