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ヨーロッパ文化教養講座(2023年4月1日 キット・アームストロング 鍵盤音楽年代記(1520-2023)I コンサート鑑賞記)
2023/04/05 桜が散り始めた上野の森で開催されている、東京・春・音楽祭の中の、キット・アームストロング 鍵盤音楽年代記(1520-2023)I を聴いた。
日時・会場
2023年4月1日 [土] 16:00開演(15:30開場)
東京文化会館 小ホール
出演
ピアノ:キット・アームストロング
曲目
【1520-1620:The Golden Age】
伝 T.プレストン:ラ・ミ・レの上で
J.ブル:
イン・ノミネ IX *
幻想曲 ニ短調 *
幻想的なパヴァーヌとガイヤルド
G.ファーナビー:マスク ト短調 *
W.バード:
ヒュー・アシュトンのグラウンド
荒涼とした森を歩きますか *
休憩 20分
W.バード:
オックスフォード伯爵の行進曲
鐘
パヴァーヌとガイヤルド「ウィリアム・ピーター卿」
T.タリス:御身はまことに幸いなる者 I *
J.P.スウェーリンク:半音階的幻想曲
*《フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック》より
[ アンコール曲 ]
J.S.バッハ:オルガン小曲集より「おお人よ、汝の罪の大いなるを嘆け」BWV622
コメントと感想:
上野の森には大勢の人が押しかけていた。
しかし、東京文化会館の小ホールには、100人にも満たないだろうと思われるコアな(物好きな?)クラシックファンがルネサンスのピアノ曲を聴きに来ていた。
とても、地方ではなりたたない企画だが、ピアニストのキット・アームストロングにより実現した鍵盤音楽年代記(1520-2023)は、全部で5公演。
1番最初の公演は、後期ルネッサンスのイギリスの作曲家W.バードを中心とした鍵盤曲。
ルネサンスの曲をじっくり聴くのは始めただったが、左手部分と右手部分が連動せず、互いにマイペースで音を奏でているように聞こえ、結構不協和音が多い。
まるで、現代曲を聴いている感じがして新鮮だった。
アンコールは、これらの曲の約100年後のバッハだったが、こちらは、聴きなじみのある予定調和の曲で様式がルネサンスからバロックの間に、相当な変化(進化?)したのだということを感じた。
果たして、何が起こってこのような変化があったのか、興味をもったので、今度調べてみたいと思う。
さて、東京・春・音楽祭のプログラムによると、
鍵盤音楽年代記(1520-2023)II は、バッハやヘンデルのバロック
鍵盤音楽年代記(1520-2023)III は、バッハからベートーヴェンの古典派
鍵盤音楽年代記(1520-2023)IV は、ショパン、ドビュッシー、リストからシェーンベルクのロマン派
鍵盤音楽年代記(1520-2023)V は、ラフマニノフ、ガーシュイン、リゲティ、武満徹 で締めるようだ。