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ヨーロッパ文化教養講座(2024年1月13日 沖澤のどか+黒木雪音 東京シティ・フィル 鑑賞記)

2024/01/15
話題の沖澤のどか・マエストロが「東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団第366回定期演奏会」に登場。
ピアノは、黒木雪音(2022年 ダブリン国際ピアノコンクール優勝)
指揮者を見ているだけで曲が体に入ってくるという初めての体験をした。

日時:2024年1月13日(土)開場:13時15分 開演:14時
会場:東京オペラシティ・コンサートホール
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
指揮:沖澤のどか
コンサートマスター:戸澤哲夫
ピアノ:黒木雪音

プログラム:
1)シューマン(ラヴェル編曲):謝肉祭より(原曲は21曲)
① 前口上(原曲の第1曲)
② ドイツ風ワルツ(原曲の第16曲)
③ パガニーニ(原曲の第17曲)
④ ペルシテ人と闘うダビッド同盟の行進曲(原曲の第21曲)
2)シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
① アレグロ・アッフェットゥオーソ
② インテルメッツォ:アンダンティーノ・グラツィオーソ
③ アレグロ・ヴィヴァーチェ
3)ソリストアンコール
カプースチン:8つの演奏会用エチュードから第1曲プレリュード

休憩
4)ラヴェル:パレエ「ダフネとクロエ」第1組曲、第2組曲
第1組曲
① 夜想曲
② 間奏曲
③ 戦いの踊り
第2組曲
④ 夜明け
⑤ 無言劇
⑥ 全員の踊り

コメントと感想:
1.沖澤のどか・マエストロは、2019年ブザンソン国際指揮者コンクールで優勝。テレビの番組でも、ベルリン・フィルハーモニーの奨学生となって、キリル・ペトレンコ・マエストロのアシスタントを務めたことを紹介されていた。

2.2)シューマンのピアノ協奏曲は、20代のときに、小澤征爾ボストンフィル+アルゲリッチ@カーネギーホールで聴いたことがある。でも覚えていない。
ロマン派の協奏曲では多分1番好きな曲なので、CDやテレビでは何度も聴いたり見たりしている。
黒木雪音さんは、ブルーのワンピース姿で登場。体格もよくて弾く姿も堂々としているのが印象的。
今回の演奏は、出だしから非常にゆったりとしたテンポ。
黒木雪音さんの好みか、沖澤のどか・マエストロの指示かは不明だが、このゆったりとしたテンポにオーケストラもピッタリと合わせてくるので、まず感心した。
雪音さんはテクニック的にも素晴らしく、音量の強弱もハッキリしている。また、短い2楽章の弱音も美しく、とても好きな演奏だった。

3.3)ソリストアンコールは、ジャズかと思うような曲をダイナミックに弾いた。調べると、ほとんど知らないカプースチン(ウクライナ出身 1937年11月22日~2020年7月2日)の曲であることがわかった。

4.4)の「ダフネとクロエ」は第2組曲のほうは、何回か聴いたことがあるが、第1組曲は多分初めて聴く。
全体的には音の強弱やテンポがハッキリしていて、抽象画というより細密画を見ているよう。
第2組曲に入ってからは、沖澤のどか・マエストロの指揮から目が離せなくなり、オーケストラのメンバーの演奏を見て聴いているというより、マエストロの指揮を見ているとBGMのようにして、音が付いてきて体に入ってくるという初めての感覚が沸いてきた。
これほどの大編成を指揮棒一本でここまでまとめ上げるというのは、やはり素晴らしい指揮者なのだなと、恐れ入ったというのが、率直な印象であった。

もっともっと聴きたかった。

5.座席からオーケストラが遠かったので、気がつかなかったが、ヘルプの奏者で出演した「バイオリンはじめちゃんねる」のYOUTUBEを運営している、中奏(ナカカナ)先生がツィッターでこの演奏をべた褒めしていた。


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