ヨーロッパ文化教養講座(「NHKクラシック倶楽部」ヴィクトリア・ムローヴァ 録画鑑賞記)
2023/02/07
ヴィクトリア・ムローヴァについては、昨年末の庄司紗矢香のコンサートのレビューをネットで調べているときに、言及されていたので、そのとき初めて名前を知った。
昨夜NHKクラシック倶楽部の彼女の演奏を聴いて、世界には、まだまだ小生の知らない名人が存在するのだなと思った。
小生の人生は、残り4分の1くらいだろうが、多分死ぬまで新しい発見があるのだろうと思った。
コメントと感想:
1.ベートーヴェンの7番が、ガット弦+フォルテピアノという、庄司紗矢香のコンサートと同じ構成
武満徹とシューベルトがモダン仕様(グラントピアノとスチール弦?)
1)収録なので、ヴァイオリン演奏者の前にも、ピアノの前にもマイクがセッティングされていた。
庄司紗矢香のコンサートのときの、フォルテピアノの音の小ささは、テレビ放送では全く感じず、ヴァイオリンとフォルテピアノの音量は大変耳に心地よいバランスだった。
2)ムローヴァが、曲の紹介中、
・ガット弦はモダン仕様の弦と奏法が違うため、使いこなすための練習が欠かせないこと。
・ガット弦でマスターすれば、モダン仕様の弦には直ぐに対応できること。
を話していた。ということは、ガット弦を弾きこなすのは、難しいということになる。
3)ガット弦とモダン仕様の弦の奏法の違い
あくまでも私感だが、モダン仕様の弦は、優しく撫でただけでも音が立ち上がるのに対し、ガット弦は、かなり力を込めないと、音が上がらない。
イメージでいうと、磨いてキレキレの包丁ですっと切るのが、モダン仕様の弦で、キレが悪くて力を入れないと切れない包丁がガット弦という感じかなと思った。
であれば、ガット弦は、同じ音を出すのに、モダン仕様の弦よりも力がいるので、無駄な力を込めて、不快な音が出やすいということではないだろうか。
4)ムローヴァの演奏
音質的には庄司紗矢香の「庄司紗矢香サウンド」に似ていて、非常に小生の好みの音だった。
是非、生演奏を聴きたいと思った。