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名詞の不可算・可算(単数・複数)⑥-5:pair複数形2(特殊な数え方)

副題:可算不可算の理想と現実(英文法の理想と現実)

名詞の不可算・可算(単数・複数)[UC(SP)]の深掘り版14

「単複で混乱が生じる英語の名詞」深掘り、今回は数が混乱しがちな「pair複数形名詞」通算3回目(普通のネーミングとはやや違うかもしれません)。今回も基本は名詞の不可算・可算(単数・複数)問題で、日本語と英語の数え方問題にもさらに踏み込みます。さらに、英語の不可算可算(単複)の本質は何かという視点での整理も必要。

この記事に対するコメントは不要です。ご質問はUNIPAのQ&Aからお願いします。

これまでの検証内容(いずれも「単複混乱」がキーワード)
⑥-1:集合名詞
⑥-2:常時複数形1
⑥-3:pair複数形1(数え方)
⑥-4:常時複数形2(どう数える?)
  集合名詞とは?
  集合名詞[collective nouns]の3型(定番説明)
 ❷ 常時複数形名詞とは?
  「常に複数形の名詞(必ず複数形で用いられる名詞)」・「絶対複数」とも呼称
 ❸ pair複数形とは?(⑥-2「常時複数形」の下位項目、⑥-3「pair複数形」の続編)
  「対に(2つの部分から)なっている衣類・道具(器具)」
  「1つに見えても2つの構成要素が組み合わされてできているもの」
 ❹ pair複数形以外の常時複数形:学問名など
  単数問題:単数形は存在する? しない? 必要ない? 1つはあり得ない?
  「1つ」はどう数える?:単語それぞれ事情が別
 ❻ 英語ではなぜこんなに単複(可算不可算)の混乱が起こるのか?
 『英語の名詞は「数える・数えない」のシンプルな2分類』という定番説明
  可算・不可算名詞2分類という理想 vs 単複変化しない常時複数形という現実

今回の⑥-5検証内容
❶ pair複数形2(特殊な数え方)
:数え方を深掘り
❷ 単数問題
:「1つ」はどう数える? pairの片方だけをどう数える?
❸ 英語ではなぜこんなに単複(可算不可算)の混乱が起こるのか?
❹ 日本語でも難しい表現なので英語で難しくても当然
、という視点も必要
 ※今回の語群もそれなりに知名度が高いものですが、定番説明とは少し違う視点から見ていただけるようお手伝いできたら幸いです。


★pair複数形リスト★(再掲示)
binoculars, forceps, glasses, gloves, goggles, jeans, pants, pliers, scissors, shoes, slacks, socks, tongs, trousers, tweezers, etc
(このリストにある単語は定番説明と同じ:他にもまだあるので各自で検索)

復習&応用問題1(⑥-2):「手袋(軍手)」と「靴下」について
① 「手袋(軍手)」の数え方
 (a) 「手袋1つ」(片手分)を英訳
 (b) 「手袋1双」(両手分)を英訳
 (c) 「手袋2双」(両手分x2)を英訳
 (d) glove(s)の和訳を全て列挙
② 「靴下」の数え方
 (a) 「靴下1枚」(片足分)を英訳
 (b) 「靴下1足」(両足分)を英訳
 (c) 「靴下2足」(両足分x2)を英訳
 (d) sock(s)の和訳を全て列挙
※この語群を「pair複数形」と呼ぶ理由がお分かりいただけたでしょうか?(数え方も含めた名称

復習&応用問題2(①-2、②-1、⑥-2):「メガネ」について(英単語glassを深掘り)
① "these glasses"を和訳(何が何個?)
② 1個のメガネを指差して「このメガネ」を英訳【知識問題】
  数が曖昧な表し方と数が明白な表し方の2通り
③ "two glasses"は文法的にアリ?ナシ? アリなら和訳、ナシなら理由を説明
④ "pieces of glass"は文法的にアリ?ナシ? アリなら和訳、ナシなら理由を説明
⑤ 「(長方形の窓用)ガラス数枚」を英訳
⑥ glass(es)の和訳を全て列挙

問題1
① 「メガネ」と「手袋・靴下」、モノとしての違いは?【考える問題】
  「手袋・靴下」は片方行方不明が日常的に発生するが、「メガネ」はどう?
② 英語の「メガネ」と「手袋・靴下」、文法的な違いは?【知識問題】
③ この視点で整理すると、pair複数形は「手袋」型と「メガネ」型2つに分類できるはず(実はもう少し複雑な可能性も)。上記のpair複数形リストの単語はそれぞれどっちに属する?(各自で検証)
 ※同じ「pair複数形」カテゴリーに分類・整理されがちですが、ポイントは「本物のペア偽物のペアか」、「1つをどう表すか」、「他の意味になるか否か」

問題2
① 「ハサミ」は日本語でどう数える?【意外と知らない日本語の助数詞】
② 「双眼鏡」は日本語でどう数える?【意外と知らない日本語の助数詞】
③ 「1本のジーンズ」を英訳:数が曖昧と数が明白、2通りの表し方(復習)
 ※モノの数え方は、英語も日本語もそれぞれに特有の難しさがある点を再認識していただければ幸いです。

さて、今回のpair複数形の深堀り(英語の数え方と日本語の数え方のごく一部)、これも「不可算可算の理想と現実」問題の典型例で、考えるべきポイントは「可算か不可算か?」「単数か複数か?」「どう数えるのか?」「本当のところは数はいくつ?」。これが英語では大問題(日本語では何の問題も発生しないのに)。
 考えるべきポイントは、総合英語Evergreen/Forestの表現を借りれば、「1つのように見えて本当は2つ(複数形で正解)」なのか「実際は誰が見ても1つなのに人為的に2つと考える(複数形では無理がある)」のか?手袋や靴下が2つなのは和英共通ですが、眼鏡やハサミが「1つに見えて本当は2つ」ですと言われて納得? この説明は「一本でもニンジン」の「言葉遊び」と同じレベルでは?
 さらに、『英語の名詞は「数える・数えない」のシンプルな2分類』という理想論と「実際の数え方は日本語の助数詞・単位なみに複雑」という現実の姿との大きなズレという視点での整理も必要。日本語と比較することで、英語名詞には可算不可算&単複という区別が存在し(「区別があるほうが凄い、ないのは残念」なのではなく、あくまでそれぞれの言語の都合)、それを実に巧妙かつ多様に駆使しているという点がご理解いただけたでしょうか。

いわゆる学校英語や学術英語で整理しきれていない部分を考えてもらうための教材、英語の「名詞の不可算・可算(単数・複数)の理想と現実」問題が少しでも伝われば幸いです。

授業ではちゃんと解説しますが、一般公開はここまで。あちこちにヒントを散りばめてあるので、非受講生の方は辞書を引いたり自分で調べたりして考察してみてください。

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