名詞の不可算・可算(単数・複数)④-4:助数詞&単位4(数字・基数詞と特殊な数)
副題:可算不可算の理想と現実(英文法の理想と現実)④-4
名詞の不可算・可算(単数・複数)[UC(SP)]の深掘り版13
今回も、不可算・可算(単数・複数)個別項目の深掘り「助数詞&単位」の続きですが、一度基本に戻って数字(基数詞)を復習し、応用としてやや特殊な例もご紹介します。
この記事に対するコメントは不要です。ご質問はUNIPAのQ&Aからお願いします。
これまでの「④助数詞&単位」記事の検証内容を復習
❶ 助数詞(原則、数える)と単位(原則、はかる)の違い
モノの数え方を科学英語の視点を加えて整理:数えるとはかるの違い
❷ 主語と動詞の単複一致問題(be動詞現在形は単数isか複数areか?)
数の一致を改めて考察する必要があるのが英語(学習者にとって難易度Up)
❸ 単複変化する可算名詞は、本当に全て数えている?
学術英語や学校英語の一部でも指摘されている問題
❹ 英語は全ての具象物・抽象概念を数えられる・数えられないの2つに分類
これで本当に整理は十分??
❺ これまでの学術英語や学校英語における「助数詞&単位」の取り扱いを整理
主に物質名詞(形・容器・単位)としてまとめて説明
「距離・時間・金額」を特にピックアップして説明
今回の検証内容
❶ 英語の数字の基本と応用(特殊な例)
a. 10進数(10進法):現代数字体系の基本
b. 12進数(12進法):昔の名残(死語化の過程?)
c. その他
❷ 数字か助数詞(単位)か形容詞句か?
結構、文法的な境界が曖昧
前提として必要な知識:10進数(10進法)、12進数(12進法)、それ以外
① 10進数(10進法):数字・数え方の基本、学術的には「基数詞」
a. 数字表現の基本用法(正確に数を示す場合)
1) 数字(名詞):原則は不可算名詞、単独使用か後に"of+名詞"を続ける
純粋な数字としての使用が基本(one, two, three, four, etc.)
2) 形容詞(単複変化しない):後に名詞が続き、その名詞が単複変化
可算名詞の標準的な数え方(原則通り)
b. 数字表現の応用(正確に数を示さず概数で表す場合)
3) 形容詞句:原則"複数形+of"の形で具体的な数ではなく漠然と多数を表す
4) 原則"所有格+10の倍数の複数形"の形で「数十(歳)代」(年齢)を表す
5) 原則"the+10/100/1000の倍数の複数形"で「数十/百/千年代」(西暦)を表す
6) 原則"10/100/1000の倍数の複数形"で様々な「数十/百/千の概数」を表す
② 12進数(12進法):dozen, gross
③ その他:score
基本問題1:数え方の基本を復習
① 「1足す2は3」を英訳
② 「2羽の鶏」、「2個のフライドチキン」を英訳
③ 以下の英語表現を和訳
(a) "tens of thousands of"
(b) "hundreds of thousands of"
④ 上の③表現で複数形が重複する理由を考察(必ずしも正解はありませんが)
⑤ 「40歳」(複数の表現が可能)、「40(歳)代」を英訳
⑥ 「1986年」、「1960年代」、「1800年代」を英訳
応用問題1:dozen
① 英語で「卵 3ダース」は以下のどれが適切?(文法的にアリかナシか?)
【複数選択可】
(a) "three dozen eggs"
(b) "three dozens eggs"
(c) "three dozen of eggs"
(d) "three dozens of eggs"
(e) どれでもない
② 上の①で選んだ表現で、実際の数はいくつ?
③ 数字なしで「数が多い」意味の表現、文法的に正しいのは以下のどれ?
(a) "dozen of eggs"
(b) "dozens of egg"
(c) "dozens of eggs"
④ 上の③で選んだ表現を和訳(実際の数はいくつ?)
⑤ "baker's dozen"と言えば、実際の数はいくつ?
※この問題は分からなくても全く問題ありません。ある意味で、英文法のエアポケット(そもそもダースは数字なのか、桁や位なのか、概数なのか?)。
応用問題2:dozen, gross, score
① grossとscore、実際の数はそれぞれいくつ?
② grossとscore、単複同形なのはどっち?
③ 数字なしで「数が多い」ことを表す表現はどれ?
(a) by the dozen
(b) by the dozens
(c) in dozen
(d) in dozens
(e) by the score
(g) by the scores
(h) in score
(g) in scores
(h) by the gross
(i) in (the) gross
④ 以下の英語表現を和訳:特殊な数え方問題
(a) "a gross of eggs"を和訳
(b) "ten gross of eggs"を和訳
(c) "sell pencils by the gross"を和訳
(d) "scores of"を和訳
⑤ 以下の英語表現を和訳:聖書に記載がある有名な古典的表現
"three score years and ten"
さて、今回の英語の数字の深堀り、これも「不可算可算の理想と現実」問題の一部で、考えるべきポイントは「どう数えるのか?」に加えて、「正確か概数か、本当のところは数はいくつ?」。さらに言えば、英語の数字表現の「数字か助数詞(単位)か形容詞句か」問題、ご理解いただけたでしょうか。
いわゆる学校英語や学術英語で整理しきれていない部分を考えてもらうための教材、英語の「名詞の不可算・可算(単数・複数)の理想と現実」問題が少しでも伝われば幸いです。
授業ではちゃんと解説しますが、一般公開はここまで。あちこちにヒントを散りばめてあるので、非受講生の方は辞書を引いたり自分で調べたりして考察してみてください。
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