名詞の不可算・可算(単数・複数)②-3
副題:可算不可算の理想と現実(英文法の理想と現実)
名詞の不可算・可算(単数・複数)[UC(SP)]の深掘り版2b
今回の検証内容:難易度が高いので②-2から別記事に分割
①「数えられるもの・数えられないもの」深掘り
「可算=数えられる vs 不可算=数えられない」の理想と現実(建前と本音)
②「可算・不可算で意味が変わる」の具体例
可算→不可算、不可算→可算:実はかなり変幻自在
③定番説明とは違う具体例が実用上は数多く存在
結局、実例を個別に確認することが重要
この記事に対するコメントは不要です。ご質問はUNIPAのQ&Aからお願いします。
復習問題:「数えられるもの」と「数えられないもの」
①日本語で液体や距離・時間は数える?数えない?(理系的な視点で考察)
②「数えられるもの」と「数えられないもの」は何がどう違う?(上に同じ)
③「数える」と「はかる」の違いを思いつく限り列挙【頭の体操】
(再度、可算・不可算が一筋縄ではいかない理由が少しでも伝われば幸いです)
※学校英語や学術英語の定説は一度捨てたほうが身のためかも(理論としては素晴らしくても、実際には例外が多数)
問題1:可算から不可算へ+α
①英語で動物を不可算にすると何が起こる(意味がどう変わる)?
②同じ可算でも「動物」と違う意味を持つ動物名詞を全て列挙1(人間を表す場合)
③同じ可算でも「動物」と違う意味を持つ動物名詞を全て列挙2(人間を表さない場合)
※一休さんのとんち話のような問題ですが、これが英語の可算・不可算の現実でもあることが少しでも伝われば幸いです。
問題2:不可算から可算へ
元素は原則として不可算名詞(いわゆる「物質名詞」)ですが、周期表の原子番号86までに例外的に可算名詞になるものが少なくとも7つあります。それはどれで、意味はどう変化?
※文法的に動物とは逆パターン(可算・不可算は実用上の都合という視点で整理)
問題3(追加):「野菜と果物」の英語表現は以下のどれ?(いわゆる総称表現の一種)
a. fruit and vegetable:どちらも不可算
b. fruits and vegetables:どちらも可算複数形
c. fruit and vegetables:fruitは不可算、vegetableは可算複数形
d. fruits and vegetable:上のcとは逆のパターン
※正解は2つ(私の中では古い表現1つと新しい表現1つ、解釈には個人差があるかも)。英語の変遷の過程?あと、余計なことかもしれませんが、日本語では発生しない英語特有の問題の一つ。
問題4(追加):様々な穀物・野菜・果物の英語名を、可算と不可算に分類してみてください。
実はこの問題、複雑すぎて調べるのが大変だったので、整理するのを諦めた教材です。米、麦、トウモロコシ、トマト、大根、イチゴ、パイナップル等々の穀物・野菜・果物、何が可算で何が不可算なのか、意外と複雑で混乱するはず。
※名詞が表すモノが生物個体と原則一致する動物(典型的な可算名詞)や原則その不可算化である肉は、実にシンプルで教材化しやすく、定番説明としてあちこちで目にします。それに対して、穀物や野菜・果物は植物個体がそもそも木だったり草だったりと多様で、さらに食べる部位も根・葉・茎・果実・花など器官や形態がバラバラ。そこが可算不可算に分類整理する際の難しさにつながっています。学校英語や学術英語ではほぼ見られない視点からの分析、無理せずに可算不可算の不思議な世界を楽しみながら調べてみてください。
一般公開はここまで。授業でも問題4は複雑すぎて解説はしない予定です。あちこちにヒントを散りばめてあるので、非受講生の方は辞書を引いたり自分で調べたりして考察してみてください。
いわゆる学校英語や学術英語で整理しきれていない部分を考えてもらうための教材、面白いと思っていただけると幸いです。
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