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ほころびを美しく繕う 金継ぎ
何年か前からやりたいと思っていた金継ぎの体験に、南青山に行ってきました。
割れたり欠けたりした陶磁器を、捨てずに、より美しく蘇らせる金継ぎは、戦国時代の茶道に始まったそうです。
今回行ったのは現代版金継ぎなので、エポキシ樹脂と合成うるしを用い、2時間程度で黒地に金が映える小皿が完成しました。この記事では私が体験した内容をご紹介します。
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割れた食器の割れ口を削る
割れ、欠け、ひびがある陶器や磁器を準備します。ちょうど割れた食器がなかったので、お店で準備していただいた中から金色が映えそうなこちらの黒い小皿を選びました。
次に、割れた断面は鋭利なので、棒やすりで断面の角を取ります。
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破片どうしを接着する
一般に流通している2液性エポキシ樹脂で破片どうしを接着します。破片どうしがずれないようにマスキングテープで固定して待つこと15分程度。しっかりと接着できました。
はみ出て固まったエポキシは、障子用カッターで取り除きます。
本来の金継ぎでは、本うるしに小麦粉を混ぜて練った麦うるしを接着剤として用います。
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割れ目にパテを埋め込む
断面を面取りをした後に接着しているため、接着後もわずかに溝ができています。この溝に、エポキシパテを埋め込んでいきます。
エポキシパテは下の写真の右側に小さく写っているものです。こちらも最初は2色に分かれており、片方が硬化剤であると思われます。指で練って1色になると固まり始めます。素早く溝に埋め込みます。
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最後に 合成うるしで金粉を塗って 完成
最後に、一番の楽しみである金粉を塗っての仕上げです。下の写真のように、合成うるしに金粉をまぜ、テレピン油で軽くうすめたものを細筆で注意深く塗ります。金粉がまぶしいほどに輝いています。
合成うるしは、カシューナッツの実の殻から採れた液に、重合開始剤が添加されています。合成うるし自体もとても興味深かったので、別記事に書きます。
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テレピン油はうすめ液的位置づけ
息をこらして慎重に細筆で金粉を塗っていき・・・ついに完成です!塗る量は微量なので、金粉を溶かした液の余りがもったいない~と思いました。
さて、お茶とお菓子をいただきながら、15分ほど乾かして、箱に入れて持ち帰りです。食器として使用してよいのは10日後~だそうです。
ちなみに、食洗器、電子レンジは不可!ですのでその点はご注意ください。
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モノへの優しさ
壊れた食器を手にとり、割れ具合を見ながら破片をつないでいく手作業は、モノへの優しさを取りもどす時間でもありました。私を含め6名の受講生がいらっしゃいましたが、中には40年愛用している器を持ち込んで修理されている方もおられました。外国の方もいらっしゃいました。
割れ目を目立たなくするのではなく、あえて美しく目立たせる、そのコンセプトが金継ぎの魅力なのでしょうね。割れ、欠け、ひびを味わい深さに変えるように、しみ、しわ、たるみも魅力に変えて生きて行きたいものです。
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