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【「自分は他の人よりできる!」と言うバイアスが習慣化の邪魔をする】
ミシガン大学エミリー・プロミン氏の研究を参考に説明
「ちょっと難しいけど……自分ならできる!」という目標を立てたことは無いだろうか?
これは多くの人が陥ってしまうバイアス(思い込み)である
※参考文献
心理学用語で[内省錯覚]といい、自分の考え、感情、意図を過信する現象
この内省錯覚が起動すると、具体的にどうなるのか?
→自分の内面の状態に行動が依存する度合いを過剰に見積もり、自分の感覚、感情、考えに捕らわれる
人は自分の内側で起こることに逆らえないため、自分の行動に他の何かが影響する可能性に気づけなくなる
その結果として、自分の意図や欲求に基づいて行動していることへの過信が生まれる
これら確証バイアスを分かりやすくしてくれた研究がある
※参考文献
home.csulb.edu/~cwallis/382/r…
この研究では
4つのストッキング(女性の履くあれ)から一番最高級品を見つけさせる実験が行われた
しかし4つとも同じ商品なので、一番最高級品なんて見つかるはずがない
被験者はこの無理難題をどう答えたのか?
4つを比較したうえで、一番右に置かれたストッキングが、一番左に置かれたストッキングに比べて4倍も選択されていた
被験者に「なぜそれを選択したのか」と質問したところ、様々な理由があったが、ストッキングの置かれている位置に関して触れた被験者は一人もいなかった
有意に場所による選択差があるため、研究者側から「置かれる場所による選択差はあるか?」と質問しても、被験者は全員否定した
そりゃ実験内容自体が“この中らから最高級品を見つけろ”だから、研究者の質問に対して否定するのも無理はない
“では何故多くの被験者が一番右側のストッキングを選択してしまったのか?”
これに関しては明確な答えや研究がまだ存在していないが、[購買時のいろいろ見る習慣]の影響が考えられる
人は買い物をする時、後半に目にした物を好む傾向がある
これはストッキングを無意識に“左から見る”そして最後に“右側を見る”という人の習慣によるものだと研究者は予測している
そのため、最後に見た一番右側のストッキングを一番最高級品と認識してしまっていた
被験者がこの事実に否定的なのも、自らの選択を説明できる理由が自覚できないため、“習慣に依存”してしまう
だが意識的には、「あれこれ触って、手触りに基づいて選択した」と勝手に認識している“つもり”になっている
この確証バイアス(内省錯覚)を使えば、メンタリストのようなモノを選択させそれを当てる、コールドリーディングが可能となる
ハンカチの下にモノを横一列に並べて、相手から見て左からゆっくりめくっていく
自然と左から目にしていくため、多くの人は一番最後に目にした右側のモノを選択しやすくなる
そのうえ過去記事で紹介した、ダニエル・ウェグナー氏のシロクマのジレンマを利用すると…
事前に一番右側のモノの“名前や写真、そのモノを連続する言葉”などを印象付けていれば、より右側のモノを選ぶ確率は高まっていく
話しを戻して、“過度な自信が習慣をどう邪魔するか?”だが
[意識的な自身の行動選択に関しては過信し、無意識の影響を軽んじる。人は自身の行動の責任を、説得力があっていい気分になれるものに担わせようとする]
ここまで話して面白いのが
この[自らの行動をやたらと良識的な体験に帰属させようとする行為は、進化論ベースで考えても納得がいく]というところ
まず、習慣の多くは役に立つ(歯磨きや自転車にのる、家への帰り方など)
毎回一生懸命頭を使っていたら、パンクしてしまう
また、順に比較して最後にあるものを選択するのも機能的で
展示されているものが全て同じなら、手が塞がらないように最後に置いてあるものを手に取る行為に違和感がない
しかし便利なその過信も、過剰すぎると意識的な自己による横やりで習慣が上手く機能しなくなってしまう
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