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【目の前の誘惑に負けにくい方法:マシュマロテストからわかる事】
マシュマロテスト(幼稚園児に「マシュマロを食べないように」っと言って我慢出来るか?という実験)で、
ただ意志力任せでは多くの子供がマシュマロを食べてしまったが、
「気を逸らす」と「再評価」の行為をして園児はかなり我慢ができた
※参考文献
https://www.science.org/doi/10.1126/science.2658056
①気を逸らす
歌を歌う、指先や爪をいじる、鼻をつまむなど
②再評価
マシュマロを毛羽立ったあまり美味しくない物だと思い込む
子供ながら自身でこの我慢対策を思いつくのは凄いが…
大人もかなり効果的な我慢対策なので試して見て欲しいが
習慣化するには
そもそも我慢する環境に自身を置かない事が大切
【マシュマロテスト】
マシュマロテストは心理学では珍しくかなりメディアに取り上げられた研究で…
スタンフォード大学ビング・ナーサリー・スクールに通う未就学児(4歳)を対象に行われた
小さなマシュマロが一つ乗った皿が与えられ、「そのまま食べつずに15分待てば、もう一つマシュマロが貰える」と伝え
研究者が部屋から出ていく
結果として
75%の子供が誘惑に勝てずに、マシュマロを食べてしまった
これはマシュマロに限らず、プレッツェルや動物型のクラッカーなど別の誘惑でも行われたが、どれも結果は似ており、子供の平均我慢時間はおよそ9分だった
※参考文献2
https://psycnet.apa.org/doiLanding?doi=10.1037%2Fh0029815
つまりほとんどの子供がもう一つ貰える[報酬]を捨ててでも、目の前の誘惑に耐えられなかったことになる
※参考文献3
https://psycnet.apa.org/record/1991-06927-001
この研究がメディアでも注目された理由の一つとして、この4歳児の子供が成人になるまで追跡調査したという根気強さも含まれる
追跡調査から分かったことは
4歳で誘惑に耐えれた子供は“学校での成績が良く、SAT(大学進学適性試験)の点数も高かった。また、成人してからの体重も誘惑に負けた子供達に比べて軽く、BMIも低かった”
※参考文献4
この追跡調査結果から
[満足の遅延](報酬という満足を先延ばしにする)という能力は、社会生活ではかなり重要なポイントであり、衝動全般と反比例関係にある
実際に
当時の教育熱心な親たちは、自分の子供にマシュマロテストをさせるのが流行ったそうだ(約30年前の話)
しかし、どの時代になっても多くのメディアは“切り抜き報道”ばかりである
マシュマロテストは[状況]の重要さにも目をつけており、
目の前のマシュマロが見える状況と見えない状況のパターンも比較・追跡調査を行っている
その結果は
マシュマロが隠された状況では、10分待つことが出来ていた
しかし、マシュマロが見える状況では、6分しか待てなかった
追跡調査で
マシュマロが見えないで長く我慢できた子供も、見えていた状況で早く食べてしまった子供も、成人になってからの人生(SAT、体重、BMI)の差は無かった
つまり
マシュマロテストを行って、自分の子供に“人生が成功する性格(自制心)”があるか調べるよりも、状況を制御する方が大切になってくる
【我慢できる性格より状況を操作する】
最初に話したように、マシュマロが我慢できたのはたった25%
その25%に入れたらラッキーだが、ほとんどの子供は入れないのが現状だ
そんな子供には“誘惑を引き離す”という事をするだけで、かなり成功する人生に近づく
勝率25%の性格ジャンケンに負けたからと言って、落ち込んでいた親にはかなり朗報である
この周囲の状況を操作するのは、4歳児自身にはできないが、親が制御可能である
大切なのは、今大人になった私たちですら、状況を自身で操作する事で、人生勝ち組の人と同じ自制心を手に入れる事が可能ということも忘れてはいけない
ポイントは“自制心というその場の制御ではなく、状況という事前操作”
大学生を対象研究でも、その場の制御では我慢が出来なかったという研究がある
※参考文献6
この研究では
学生達に「しまった、やらなければ良かった」と感じたことを報告してもらった
報告内容としては
「寝すぎた、夜更かしした、食べすぎた、先延ばしにした、怠けた」があげられた
そう思う回数は1日平均2〜3回
そんな時、その場の制御(自制心)に頼った時の成功率を出してもらったが、誘惑に勝てる勝率としては一番低い方法だった
この大学生を対象にした研究でも、誘惑に勝つ時の一番の方法は[刺激の事前制御]つまり、状況の操作だった
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